おいしくワインを飲みながら楽しめるお話をご紹介する「ワインに合うつまみ話」。
第9回目のメニューは、公開から45年以上経ったいまでも大人気の劇場版アニメーション作品「ルパン三世 カリオストロの城」に登場するミートボールのスパゲッティのお話。
今回は、このミートボールのスパゲッティと、映画の舞台についてご紹介します。
そのおいしさは仲間でも取り合いになるほど
映画「ルパン三世 カリオストロの城」の中で、ルパン三世と次元大介がトラットリア(大衆食堂)のテラスで取り合いになったパスタが、今回主役のミートボールのスパゲッティ。
いつもクールなふたりがスパゲッティを取り合う姿に、思わず笑みがこぼれるこのシーンを、映画史に残る「パスタ戦争」と呼ぶ方もいるそうです。
さて、この料理、イタリアのどの地域の名物なのでしょう。
それについては諸説ありますが、エミリア・ロマーニャ州というのが有力な説。
この地域の郷土料理であるポルペッティーニ(小さなミートボール)がモデルであると考えられています。
その理由は、映画の舞台であるカリオストロ公国の街のモデルとなったのがエミリア・ロマーニャ州だったため。しかも、その州都であるボローニャ発祥のパスタに、ひき肉を使ったボロネーゼがあるというのも、この説を推す大きな理由のひとつといえるでしょう。
とにかく、このシーンを観て「一度は食べてみたい!」と思ったことのある方も多いはず。
ぜひレシピをGETして、ルパン三世の世界へ没入してみませんか。

カリオストロ城にはモチーフがあった!
さて、物語の舞台となるカリオストロ城。
そのモチーフとなった城を調べてみると、フランスの世界遺産「モン・サン=ミッシェル」とか、ドイツの「リヒテンシュタイン城」とか、イタリアの「サン・レオ城」とか出てきますが、宮崎駿監督自身が「基本設定を参考にした」としているお城があります。
それは、ドイツのライン渓谷中流の中洲に建つ「プファルツ城」。
なんと、イタリアではなかったんですね。
この特殊なお城は、元々1326年に通行税を徴収するために建てられた関所。
激流や増水に耐えられるよう、レンガと漆喰による多角型の城壁を設けていて、そのカタチは軍艦を模していたそうです。
現在は修復され、真っ白な姿になっていますが、宮崎駿監督が参考にしたのは、修復前の姿だったとのこと。監督は「修復前のうす汚れた時がよかった」と、資料の写真にコメントを残しています。

いかがでしたか?
公開から45年経っても、多くのファンに愛されている「ルパン三世 カリオストロの城」。
いまでも、テレビで定期的に放送されるこの名作を、Blu-rayやDVDを持っている方はもちろん、そうでない方は今度テレビで放送した時に、改めて鑑賞してみてはいかがでしょう。
また、新たな発見があるかもしれませんよ。
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