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TRAVEL 24 Sep 2019

「ボンコンパーニ美術館」を中心に、ローマっ子に愛されるスイーツとランチを巡る


ローマを代表する衣装美術館「ムゼオ・ボンコンパーニ」とは?

イタリア国内には、フィレンツェのピッティ宮殿の中にある衣装博物館やミラノのパラッツォ・モランド、さらに、グッチ、サルバトーレ フェラガモ、ジョルジオ アルマーニなどのブランド美術館など、モードや歴史的な衣装の美術館やギャラリーが存在します。そして、ローマの衣装美術館といえば、知る人ぞ知るMuseo Boncompagli Ludovisi per le arti decorative(ボンコンパーニ芸術装飾美術館)、通称「Museo Boncompagli(ボンコンパーニ美術館)」。

ローマの衣装美術館といえば、知る人ぞ知る「MUSEO BOMCONPAGNI(ボンコンパーニ・ルドヴィージ美術館)。正式名称Museo Boncompagli Ludovisi per le arti decorative(ボンコンパーニ芸術装飾美術館)

このボンコンパーニ美術館は、イタリアのファッション系のウェブサイトなどでも、“イタリアを代表するモードの美術館 トップ10”に選ばれていたため、ローマを訪れた際には行きたいとリストアップしていました。が、公式サイトに主だった展示物などの情報が掲載されていないため、イメージを掴めないままの訪問となりました。

ローマの中心、ピアッツァ・フューメからも程近い、その名もボンコンパーニ通り(VIA BOMCOMPAGNI)にあるボンコンパーニ美術館

ローマの中心、ピアッツァ・フューメからも程近い、その名もボンコンパーニ通り(VIA BOMCOMPAGNI)にあるボンコンパーニ美術館は、1901年に建築されたもの。貴族のボンコンパーニ一族のアンドレア・ボンコンパーニ公子が第二夫人となるブランセフロア妃と共に1932年に移り住んだ邸宅です。その後、この建物は1972 年にローマのあるラッツィオ州へ寄贈され、現在の美術館という形で一般公開されています。

歴史を感じる衣装と趣のある室内

一歩館内に入ると、そこには豪華なフレスコ画が描かれた部屋が、ゲストを迎え入れるかのように待ち受けていました。広々とした室内には、この家主だったブランセフロア妃とブランセフロア妃の母、アレキサンドラ・ケイラーの美しい女性二人の肖像画が飾られています。贅沢な空間、そして二人の美貌が際立つ肖像画に描かれた繊細で上品な衣装に魅了されながら、この空間で第二夫人としてのどのような生活をしていたのか、そんな想像が膨らみました。

かつての家主だったブランセフロア妃とブランセフロア妃の母、アレキサンドラ・ケイラーの美しい女性二人の肖像画が飾られています

ボンコンパーニ美術館では、衣装や絵画以外にも、マイセン、ローゼンタールなどの世界的に有名な陶器、また貴重なロイヤルファミリーが20世紀初めに利用したとされるブロンズのゆりかごなどもディスプレイされています。

ロイヤルファミリーが20世紀初めに利用したとされるブロンズのゆりかご

ボンコンパーニ美術館では、ヴァレンティノ、ラファエラ・クリエル、ファウスト・サレリといったイタリアを代表するハイブランドのアトリエから寄贈されたものを含む数百点の衣装コレクションの中から数点が常時展示されています。また、20世紀のイタリアで流行した帽子やアクセサリーなどの小物の数々や、デザイン画なども閲覧できるのもこの美術館の魅力です。

イタリア人の画家「ガリレオ・チニ(Galileo Chini)」の壁一面の絵画が展示

この美術館を象徴する、最も印象的な展示室は「チニの部屋」と名付けられた色鮮やかな部屋。この展示ルームには、20世紀前半に活躍したイタリア人の画家「ガリレオ・チニ(Galileo Chini)」の壁一面の絵画が展示されています。「La primavera classica(古典の春)」と名付けられたこの作品は、1914年に完成したもので、18ピースのシリーズ作品となっています。そのうちの4点がこのボンコンパーニ美術館の一室に展示されているという、貴重な作品です。

クリムトにインスパイヤーされ、円形の黄金の刺繍をあしらった、ロレンゾ・リバの衣装も展示

同時期にヨーロッパを中心に活躍したクリムトを中心とするウィーン分離派の影響を受けた色鮮やかな色彩、装飾的なスタイルに、当時イタリアの絵画のムーブメントを感じとることができます。また、この展示室の興味深いのは、クリムトにインスパイヤーされ、円形の黄金の刺繍をあしらった、ロレンゾ・リバの衣装も展示されている点です。絵画と衣装が共存した、稀に見る一室は、このボンコンパーニ美術館の見どころの一つです。

館内には、興味深い20世紀の芸術作品が多く展示されています

3フロアの大小様々な部屋にディスプレイされた展示品、そして大理石のバスルームや色鮮やかなステンドグラス、館内には、興味深い20世紀の芸術作品が多く展示されています。ボンコンパーニ美術館は、それほど知名度の高い観光地ではないため、館内にはモードを学ぶ学生などがいる程度で、ゆっくり展示品を鑑賞することができる、まさにローマの隠れ家的美術館です。

Museo Boncompagni Ludovisi per le Arti Decorative(ボンコンパーニ美術館)

公式サイト:Museo Boncompagni Ludovisi per le Arti Decorative
住所:Via Boncompagni, 18, 00187 Roma
営業時間:AM 9:30〜PM 7:00
定休日:月曜日
入館料:無料

キュートなカフェ「ドン・ニーノ」で美術鑑賞の余韻に浸る

ボンコンパーニ美術館の後に訪れたのは、ローマに3店舗、フィレンツェに3店舗展開する「DON NINO(ドン・ニーノ)」です。実はイタリアのジェラート界では有名なドン・ニーノ。数々のジェラートの賞を受賞し、最近では、ジェラート・フェスティバル・ワールドランキングの世界のトップ5位に入賞するなど、ジェラート達人と称されるフランチェスコ・マストロイアーニが手がけるジェラートとスイーツの専門店です。

ジェラートの達人との異名を持つ「フランチェスコ・マストロイアーニ」が手がけるジェラートとスイーツ専門店

白を貴重とした空間にキュートなオブジェクトがディスプレイされている店内には、天然素材を使ったジェラートやカラフルなスイーツの数々がショーケースに並ぶ雰囲気にテンションが上がりました。「ジェラートいやスイーツ」などと、散々迷った挙句、無難な一口サイズのチーズケーキタルトとエスプレッソを注文。芳醇なチーズの味わいたっぷりのチーズケーキと、イタリアのエスプレッソはベストコンビネーションでした。ボンコンパーニの美術館の余韻に浸りながら寛ぐことができたので、次の目的地「ガレリア・シャッラ」へ。

天然素材を使ったジェラートやカラフルなスイーツの数々がショーケースに並ぶ雰囲気にテンションが上がりました

DON NINO(ドン・ニーノ)

公式サイト:https://www.don-nino.it
住所:Piazza Fiume, 79, 00198 Roma RM
営業時間:月~金曜07:00 AM – 01:00 AM /土日曜07:00 AM – 02:00 AM

フレスコ画が圧巻の「ガレリア・シャッラ」は必見

「Galleria Sciarra(ガレリア・シャッラ)」は以前に写真で見て、実物をこの目で見て見たかったもの一つでした。トレビの泉のすぐ側にある「ガレリア・シャッラ」は19世紀後半の女性をモデルにしたフレスコ画が描かれた建築物として有名です。こちらはマフェオ・バルベリーニ・コロンナ・ディ・シャッラ公が命じた建造物で、イタリア屈指の百貨店「リナシェンテ」のローマの建築設計者として有名なジュリオ・デ・アンジェリスによって1886年に同地に建てられました。

百貨店「リナシェンテ」のローマの建築を設計でも有名な、ジュリオ・デ・アンジェリスによって1886年にこの場所に建てられました

「ガレリア・シャッラ」の豪華なファザードや中央に設置された自然光をふんだんに取り入れた天窓など、建造物としての価値も高く、芸術性の高い中庭の豪華なデコレーションや、画家「ジュゼッペ・セリーニ」が手がけたフレスコ画は圧巻です。想像以上の美しさに、ため息がでるほどでした。

画家「ジュゼッペ・セリーニ」が手がけたフレスコ画は圧巻です

ガレリア・シャッラの上部に描かれているフレスコ画は、女性の美徳、栄光などのキーワードに基づいた12の女性。そして、中央部分には、当時の女性の結婚後の「妻」としての日常生活をテーマにした情景が描写され、当時のブルジョアな女性を想像できるストーリー性のあるフレスコ画は、このガレリア・シャッラの一番の見どころです。フレスコ画が描かれてから約130年の歳月が流れ、現在との女性の日常生活の違い、さらに、男性が美しいと感じる「女性」像:ステレオタイプについても考えさせられました。

Galleria Sciarra(ガレリア・シャッラ)

住所:Via Marco Minghetti, 10, 00187 Roma RM

ローマのローカル料理を味わうランチタイム

このガレリア・シャッラの近くに、ビッレリア(ビールと食事が楽しめる場所)として地元のロマーニに人気のL’Antica Birreria Peroni(ランティーカ・ビッレリア・ペローニ)があります。この場所は、食通のロマーノの義理の兄が、この界隈に来た時には必ず寄るという、彼の行きつけのレストラン。「ローマの地元料理が食べたい」と言ったら、ここのレストランを勧められたので、ランチはここを訪れることにしました。

地元のロマーニに人気のL'Antica Birreria Peroni(ランティーカ・ビッレリア・ペローニ)

1909年創業のランティーカ・ビッレリア・ペローニは、木を貴重としたアンティーク調な店内には、ところどころにフレスコ画が描かれていて、ローカル感たっぷり。また、手頃な値段で気兼ねなくお酒とパスタやピザなどの庶民的な料理を味わうことができるため人気のレストランです。美術館からカフェなどをめぐり、気づいたらお昼の2時を過ぎていたのですが、店内はまだ地元のビジネスマンや観光客で多少混雑していました。

ローカル料理「Trippa alla Romana(トリッパ・アラ・ロマーナ)」ことローマ風もつ煮込み

注文したのは、ローカル料理「Trippa alla Romana(トリッパ・アラ・ロマーナ)」ことローマ風もつ煮込みです。トリッパと言えば代表的なのがフィレンツェですが、トリッパはローマのローカル料理の一つ。フィレンツェのトリッパはパルミジャーノチーズ、ローマのトリッパはペコリーノ(羊のチーズ)を使うという点が、この二つのトリッパの大きな違いです。ここのランティーカ・ビッレリア・ペローニのトリッパは、甘さたっぷりのトマトの味が浸みたトロトロのホルモン。トリッパ料理をいろいろと食べてきましたが、今もその味を想像できるほど、今までで一番美味しいトリッパでした。

L’Antica Birreria Peroni(ランティーカ・ビッレリア・ペローニ)

公式サイト:http://www.anticabirreriaperoni.it
住所:Via Luigi Capuana, 65  95039 Trecastagni, Catania
電話番号:+39-095-7806767
営業時間:PM 12:00 〜AM 12:00

このランティーカ・ビッレリア・ペローニの界隈には、コロッセオやフォロ・ロマーノなど古代ローマを感じる歴史的価値の高いスポットが多く存在します。ローマを訪れた際には、ロマーニおすすめのレストラン「ランティーカ・ビッレリア・ペローニ」で本場の食を味わってみてはいかがでしょうか。定番の観光スポット意外にも、隠れた穴場スポットが豊富なのも、イタリアを代表する都市「ローマ」の魅力です。

トレビの泉以外にもローマには観光スポットが豊富

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WRITER PROFILE
Manami Palmieri
Manami Palmieri

イタリアのミラノ在住、フォトグラファー兼ライター。アメリカの大学にて芸術学部を卒業後、日本の一部上場企業に就職しアートディレクターとして活躍。国内外で写真展を開催するなど、アーティストとしての幅を広げ、2016年に渡伊。結婚を機にイタリアに移住。現在は、写真と文字でファッションやアートを中心としたグローバルな最新情報を発信中。