ART & DESIGN

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ローマ屈指の観光地「サンタンジェロ城」で観る、煌めくブルガリの展覧会「BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO」に圧倒される

グローバルなハイブランド「ブルガリ」本店があるローマ

世界的に名の知れた、イタリアを代表するハイブランド「ブルガリ」のスタートがローマだったことをご存知でしょうか。ブルガリの創設者で、銀細工職人だったソリティオ・ブルガリがギリシャから渡伊し、28歳の頃にローマに初の店舗を構えたのが、現在のブルガリの始まりなのです。日本でも2017年には創業130年を記念し、大々的にブルガリの展覧会が開催され、多くの人が訪れました。

「BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO :ブルガリ、歴史と夢」はローマ市内のサンタンジェロ城で開催された

そんなブルガリが「BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO :ブルガリ、歴史と夢」と題した展覧会を、2019年6月29日~11月3日まで、同ブランドの歴史と深い繋がりを持つローマ市内のサンタンジェロ城とヴェネッツィア宮殿博物館の2箇所で、これまでのブルガリの歴史を辿る豪華な展覧会を開催しています。そんな煌びやかなブルガリの世界観を感じるために、この展覧会に足を運んでみました。

世界遺産「サンタンジェロ城」からの眺めも魅力の展示会場

今回は、2箇所で開催されているこの展覧会のうちの一つ、サンタンジェロ城の「BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO」を訪れてみました。ローマの代表的な観光地の一つサンタンジェロ城は、ローマの休日やダヴィンチコードの続編「天使と悪魔」にも登場していることでも有名で、一年中多くの観光客で賑わっています。このサンタンジェロ城は、ユネスコの世界文化遺産にも登録されていて、古代ローマ時代の139年に完成したとされる円形の形状と歴史的価値が高く評価されています。

サンタンジェロ城からバチカン市国を望む絶景も見物

サンタンジェロ城はバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂まで700mの距離にあるため、サンタンジェロ城からバチカン市国を望む絶景も見物です。また、サンタンジェロ城はバチカン市国とイル・パセット・ディ・ボルゴと呼ばれる城壁通路で繋がっているなど、長年にわたり深いサンタンジェロ城はバチカン市国との深い関わりを持ってきた軌跡を垣間見ることができます。

サンタンジェロ城は国立サンタンジェロ博物館となっていて、豪華なフラスコ画が描かれた16世紀に使われた教皇の部屋などを見学することができます

また、サンタンジェロ城は国立サンタンジェロ博物館となっていて、城内には貴重な軍服や武器などが展示されているほか、豪華なフラスコ画が描かれた16世紀に使われた教皇の部屋などを見学することができます。そんな城内からの贅沢な眺めを堪能することができるのも、サンタンジェロ城で開催される展覧会の醍醐味の一つです。

ブルガリのアーカイバルコレクションの煌びやかなジュエリー

サンタンジェロ城の趣のある回廊をゆっくりと散策しながらたどり着いたのが、今回目当ての「BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO」の会場でした。古代ヨーロッパの趣を感じた城内とは一風変わって、ブルガリの世界観がそこには待っていました。

セシリア・マテウッチ・ラバリーニの衣装コレクションが合わせて展示されています

このサンタンジェロ城とヴェネツィア宮殿博物館の二つの会場で開催されているこの展覧会には、合わせて約170点ものブルガリの貴重な宝石の数々が展示されている他、セシリア・マテウッチ・ラバリーニの衣装コレクションが合わせて展示されています。

セシリア・マテウッチ・ラバリーニは世界的に有名な衣装コレクターで、ファッション芸術のアイコンとして有名な人物

セシリア・マテウッチ・ラバリーニは日本での知名度はまだ低いのですが、彼女は世界的に有名な衣装コレクターで、ファッション芸術のアイコンとして有名な人物です。オートクチュールドレスをはじめとする彼女の衣装コレクションは約3,000点とも言われていて、この展示会ではそんな彼女の貴重なコレクションから約80点の衣装が展示会場に色彩を加え、展示会のテーマでもあるブルガリの歴史とそのモードとの関連性を垣間見ることができます。

エリザベス・テイラー、イングリッド・バーグマン、オードリー・ヘップバーンなどが所有していたブルガリのジュエリーなども展示

数々のブルガリの高級ジュエリーとオートクチュールドレスが並ぶ空間には、プロジェクターを使った映像演出がまるで万華鏡のように夢の世界へと誘います。そんな展示品の中には、エリザベス・テイラー、イングリッド・バーグマン、オードリー・ヘップバーンなどが所有していたブルガリのジュエリーなども展示されているのも見どころの一つです。

エリザベス・テイラー、イングリッド・バーグマン、オードリー・ヘップバーンなどが所有していたブルガリのジュエリーなども展示

彼女たちが活躍した1960年代は、ローマの繁栄期で、裕福なその時代を象徴する映画「ドルチェ・ヴィータ」などの映像がディスプレイ使われるなど、豪華なブルガリの宝石と華やかなオートクチュールドレスを眺めながら、それらの時代の女性の非日常的な姿を想像することができました。

「サルペンテ」、「モネーテ」、「パレンテシ」3つのアイコンコレクション

イタリア語で蛇を意味する「サルペンテ」、コインを意味する「モネーテ」、括弧を意味する「パレンテシ」。この3つは、130年以上のブルガリの歴史の中で、最も象徴的なアイコンコレクションです。1940年代に最初に発表されたサルペンテは、「英知」「再生」「生命の象徴」を意味し、イエローゴールドを使い、素材とデザインで巧みに蛇の鱗を表現した、豪華で独創的なデザインは人気を博しました。

イタリア語で蛇を意味する「サルペンテ」

そして、1960年代〜80年代に発表したのが、古代ローマやギリシャの実物のコインをジュエリーにしたのが「モネーテ」、80年代に女性の社会進出を想定し、モダンなライフスタイルに愛用できるものとして作られたのが「パレンテシ」です。今回の展示会では、これらのブルガリの軌跡において、重要な役割を果たしたアイコンコレクションを間近で見ることができます。

古代ローマやギリシャの実物のコインをジュエリーにしたのが「モネーテ」

展示会場には、ブルガリの代表作を始め、色鮮やかで、豪華な宝石の数々がディスプレイされています。「BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO」は、ローマの歴史的建造物「サンタンジェロ城」、「ヴェネツィア宮殿博物館」で、ブルガリの洗練されたデザイン性と、銀細工職人のブルガリの創設者「ソリティオ・ブルガリ」が継承した巧みの技が光るジュエリーの数々から、ローマで生まれたブルガリの世界観を感じることができる貴重な展覧会です。

約130年の歴史を経て、さらに広がりを見せるブルガリ

約130年前にこのローマの地で、その物語が始まったブルガリ。今では、世界屈指のイタリアを代表するハイブランドへと成長を遂げました。銀細工から、ジュエリー、時計、バッグに至るまで、現在ではアイテムの幅も広がり、モードには欠かせないブランドの一つとして、今日に至るまで様々なトレンドを作ってきました。

最近では、ブルガリホテル&リゾーツのレストランやホテル事業にも積極的に取り組んでいて、2020年にはパリ、そして2022年末には東京に「ブルガリホテル東京」のオープンを予定しているため、今後さらにブルガリブランドの進化が期待されています。

括弧を意味するブルガリの「パレンテシ」

常にモード界で注目を浴びている、イタリアを代表するハイブランドの数々。グッチ、サルバトーレ・フェラガモ、アルマーニなどは、フィレンツェに貴重なアーカイバルコレクションを展示する美術館がありますが、ブルガリは定期的に展覧会などを開催していますが、美術館は存在していません。今回の展示会のように、ブルガリの芸術性の高い、ため息のでる煌びやかなジュエリーの数々を見ることができる「ブルガリ美術館」の誕生を心待ちにしています。

[ BVLGARI, LA STORIA, IL SOGNO ]

BULGARI ホームページ(日本語):https://www.bulgari.com/ja-jp/the-maison/about-bvlgari/art-and-exhibition/exhibitions/the-story-the-dream.html

・開催期間:2019年6月29日〜11月3日
・開催場所:サンタンジェロ城 / ヴェネッツィア宮殿美術館

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