「5日間でアマルフィ海岸の魅力を満喫できる旅のプラン」シリーズ。
海や海辺の街々を満喫する「Day1 カプリ島ボートツアー」、「Day2 アマルフィの街々めぐり」、「Day3 ポンペイ遺跡&ワインテイスティング」は、お楽しみいただけましたか?
Day4となる今回の旅の目的地は、はるばるアマルフィ海岸まで来たのなら、こちらも絶対に押さえておきたい街「ナポリ」!アマルフィ海岸があるカンパーニア州の州都です。
アマルフィ海岸のエキスパート、SorrentoVibesのGiuseppe(ジュゼッペ)さん曰く、「ナポリは1日では見尽くせない見どころあふれる街ですが、今回は1日で巡るコースをご紹介します。アマルフィ海岸でゆっくりしたい方は、ナポリ空港や駅に到着した初日や、帰路へと向かう旅の最終日に組み込むのもおすすめです!」とのこと。
1日目:カプリ島ボートツアー
2日目:アマルフィの街々を巡るツアー
3日目:ポンペイ遺跡&ワインテイスティング
4日目:ナポリ旧市街訪問&最高のピッツァ体験
5日目:クッキングコース&ボートでのサンセットツアー
ナポリを見てから死ね
ITALIANITYの読者の方なら、多くの方がご存知だと思う「Vedi Napoli e poi muori(ナポリを見てから死ね)」というフレーズ。これはドイツの詩人ゲーテが、街の美しさのみならず、そこに住む人々の魂あふれるあたたかさを称賛し、「ナポリを知らなければ、生きている意味がない」という思いで書いた言葉です。
ジュゼッペさんも、「ナポリはイタリアを象徴する街のひとつ。紀元前、ギリシャ人がイタリアに植民してきたマグナ・グラエキアの時代から、ローマ帝国や東ローマ帝国、フランス、スペインと、さまざまな文化の影響を受け、独自の人生哲学が育まれています。この文化は、体験してみないとわかるものではないので、是非ナポリを訪れて、実際に感じてもらいたいです!」と、愛おしいものを思い起こすように、目を輝かせながら語ります。
そんなナポリの旅に出発する朝は、胸が期待でワクワクしていることでしょう!滞在先のソレントから、ナポリへは車で約1時間強。今回も8名様まで乗車可能なミニバンでのプライベートツアーの旅*¹としてご紹介します。
8:00〜 ソレントからナポリへ向けて出発
今日一日、旅のお供をしてくれるのは、ナポリの隅から隅までを知り尽くしているナポリ出身のドライバーSalvatore(サルバトーレ)さん。長年にわたるコラボレーションの中で、お客様からの評価も最高のサルバトーレさんには、ジュゼッペさんも全幅の信頼を寄せています。出発時刻は、渋滞を避けるために8時。今回は、ナポリで、本場ナポリのカフェとドルチェを食べていただきたいので、朝食はナポリに着くまでグッと我慢。
9:00〜 本場ナポリ式の朝食
「小さなことに気を取られずに、本当に大切なことにフォーカスして、一日を生きる。彼らの生き方はとてもインスピレーションに満ちているんです」というジュゼッペさんが、『Napoletanità(ナポリらしさ)』を最も味わえる場所というのがバールやカフェ。
ナポリの旧市街地で、混雑状況や曜日によってサルバトーレさんがお店をセレクトしてくれます。カフェを片手に腰掛けて通りを望めば、人々の笑顔や、叫び声ともとれる挨拶の声、毎日会っているのに数十年ぶりの再会と言わんばかりの抱擁など、「生きているエネルギー」を感じる場面を目の当たりにすることでしょう。
9:30〜 歴史地区散策
朝食の後は、街の中を散策です。1995年に世界遺産に登録されたこの町で、まずはスパッカ・ナポリを歩きましょう。街を東西に二分するSan Biagio dei Librai(サン・ビアジオ・デイ・リブライ)通りを中心としたこのエリアは、庶民の生活を存分に味わうことができます。
路地を進むたびに漂ってくるコーヒーやピッツァの香り。目の前には、通りを挟んでロープをかけて洗濯物を干す風景。そういった、五感を刺激する要素を楽しみながら向かって欲しいのがTribunale(トリブナーレ)通りへと続く、San Gregorio Armeno(サン・グレゴリオ・アルメーノ)通り。ここには、イタリアの伝統的なクリスマスには欠かせない「Presepe(プレゼーぺ)」を販売している店が集まっています。
「プレゼーペ」とは、キリストの誕生を再現した人形です。ここナポリは、18世紀のブルボン朝時代に、Carlo III(カルロ3世)が手工業を推奨したため、イタリアの中でも特にプレゼーぺ作りが発展した街でもあります。
卓上サイズのコンパクトなものから、何体もの独立した人形からなる、部屋を埋め尽くすスケールのものまでバリエーションも豊富で、イタリアの多くの家庭では、クリスマス前になると日本のひな人形のようにプレゼーぺを出してきて飾り付けをおこないます。
今では、キリスト誕生の場面には関係ない有名人を模した人形や、あなた自身の人形を作ってくれるお店もありますよ!
次に向かって欲しいのは、Cappella Senseveroサン・セヴェーロ礼拝堂。美術館が併設されており、世界中の彫刻の中でも最高傑作の一つといえる「Il Cristo velato(ヴェールに包まれたキリスト)」の像を見ることができます。
また、マヨルカ焼きの柱やベンチが美しい中庭が見どころの、ナポリ最大のゴシック様式の教会「サンタ・キアラ」や、重厚な外観からは想像がつかないほど、絢爛豪華なバロック様式の装飾が人々の心を奪うジェズ・ヌオーヴォ教会も必見。この教会、元々は1470年にサレルノ王子であるサンセヴェリーノのために建てられた王宮で、後にイエズス会が教会にしたもの、と聞けば、その美しさも納得です。
時間が許せば、ぜひ、Cattedrale di Santa Maria Assunta(サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂)も訪れてみてください。こちらも世界遺産に登録されており、キリストやマラドーナ(80年代にセリエAのナポリでプレイして、現在でもナポリの人々に愛され続けている)と並んで崇められているナポリの守護聖人San Gennaro(聖ジェンナーロ)が祀られています。
大聖堂には、彼の乾いた血液の入った小瓶も保管されていれているのですが、毎年3回、5月の第一土曜日と、聖ジェンナーロの祝日である9月19日、そして、聖ジェンナーロの起こした奇跡を祝した12月16日には、小瓶が聖ジェンナーロのもとへと持っていかれます。
すると、なんと、乾燥していた血液が液状になるのだとか!
言い伝えでは、この血液が液体とならなかった年には、ナポリに不吉なことが起こると言います。実際、液体にならなかった年には、ヴェスヴィオ火山が噴火したり、ナポレオンが襲来してきたりと、災いが起こっています。
ご覧いただいたように、ナポリの歴史地区は盛り沢山。街の歴史や文化をじっくり聞きながら効率よく見て回るために、ジュゼッペさんはライセンスガイドをつけることをおすすめしています。SorrentoVibes経由で手配するガイド*²なら、1グループ5〜6名様まで120ユーロ〜。とても良心的な価格なので、是非ご検討なさってみてください。内容の濃い、時間が過ごせることでしょう!
13:00〜 ナポリピッツァでランチ
さて、スパッカ・ナポリを歩き回って、お腹がペコペコになったら、やっぱりナポリピッツァでランチをしましょう!
お目当てのピッツェリアがある人は、開店前に並んで席を確保!歴史地区にある有名店としては、Pizzeria Antonio e Gigi Sorbillo(ピッツェリア・アントニオ&ジジ・ソルビッロ)や、ジュリア・ロバーツが映画『食べて、祈って、恋をして』でピッツァを食べた店L’antica pizzeria Da Michele(アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ)などがあります。
長蛇の列に並ぶ時間を避けたい人は、ドライバーのサルバトーレさんおすすめのピッツェリアに車で連れて行ってもらいましょう。歴史地区のお店ほど有名ではなくとも、味は引けを取らない美味しいピッツァをゆったりと食べられるお店を教えてくれること、間違いなしです!
14:00~ ドライビングツアー
ランチの後は、午前中に徒歩で回った庶民的な歴史地区とは一味違う、ナポリのエレガントな側面を巡ってみてみましょう。ナポリは大きな街なので、1日で全てを歩いて巡るのは至難の業。サルバトーレさんの運転で、快適なドライビングツアーをお楽しみください。
海岸沿いのCorso Umberto I(ウンベルト1世大通り)を通りからスタートし、「ナポリの絵葉書と言えばこの景色!」という、ヴェスヴィオ火山をバックに、ナポリを一望できる高台Mergellina(メルジェッリーナ)まで、ナポリの街の様子を余すことなく見て回ることができます。
途中には、13世紀から14世紀に建てられた「Castel Nuovo(ヌォーヴォ城)」や、ブルボン朝ナポリ王国の初代王カルロの命によって1737年に開館した、ヨーロッパで現存する最古の劇場「Teatro San Carlo(サン・カルロ劇場)」、ガラスと鉄の屋根が美しい、1890年に完成した商業施設「Galleria Umberto I(ガッレリア・ウンベルト1世)」、ナポリ王位や、その後の両シチリア王位についていたブルボン家の王宮である「Palazzo Reale di Napoli(ナポリ宮殿)」などがあり、じっくりと訪問したい場所があれば、ツアーを1時間延長して、ぜひ車から降りてじっくりと見学してみてください。
そして、ポジリポの丘からナポリ湾を一望し、ゲーテが記した「Vedi Napoli e poi muori(ナポリを見てから死ね)」というフレーズを噛み締めてみてください。
16:00〜 ソレントへ向けて
足と車でナポリ中を駆け巡った8時間のツアー。16:00ごろに、ナポリからソレントへの帰路に着き、17:00ごろに宿泊施設へ到着して終了となります。
宿泊施設: シニアにも優しい施設
今回は、エレベーターが完備されており、ご年配の方がご一緒でも安心の宿泊施設をご紹介します。もちろん、どちらの宿泊施設もエアコンやWiFi、衛星テレビなどを完備しています。シーツやタオルなども、専門業者によって除菌・消毒が行われているので、大変衛生的です。記載している料金は変動する可能性もありますので、参考までにご覧ください。
1. Valeria’s Home: 5名様まで宿泊可能
ソレントのメイン通り「Corso Italia(コルソ・イタリア)」に位置する120平米のプライベートアパート。キッチンやテラスのみならず、スイミングプールやテニスコートも完備されており、ご家族やお友達同士でも快適にご利用いただけます。
●料金: 一泊160€〜(4名利用の場合、1人あたり40€〜)
(滞在日数に関わらず、別途クリーニング料金70€が必要)
●最低利用日数: 3日
2. Design Art Apartment: 8名様まで宿泊可能
こちらもソレントの中心「Corso Italia(コルソ・イタリア)」にある、モダンな色彩とデザインでまとめられた90平米のバルコニー付きアパート。ハイドロマッサージ機能付きジャグジーバスが付いたお部屋もあり、非日常を楽しんでいただけます。
●料金: 一泊229€〜(4名利用の場合、1人あたり57.25€〜)
(滞在日数に関わらず、別途クリーニング料金100€が必要)
●最低利用日数: 2日
3. Il Vicoletto Apartment: 8名様まで宿泊可能
最近改装された、旧市街中心部にある3ベッドルームアパートメント。リラックスした滞在をご希望の方にぴったりの、広々としたリビングルームや2つのバスルームが付いています。
●料金: 一泊200€〜(4名利用の場合、1人あたり50€〜)
(滞在日数に関わらず、別途クリーニング料金70€が必要)
●最低利用日数: 3日
4. Family Apartment in Sorrento Centre: 10名様まで宿泊可能
青と白を基調としたモダンでスタイリッシュなアパートメント。街の中心「Piazza Tasso(タッソ広場)」と「Corso Italia(コルソ・イタリア)」のすぐ側という最高の立地。3ベッドルーム、シャワー3つ付き。
●料金: 一泊280€〜(4名利用の場合、1人あたり70€〜)
(宿泊代金の一部を予約金として納める必要有り)
●最低利用日数: 2日
Italianity読者様特典
宿泊施設をご予約いただく際に「ITALIANITY」とお伝えいただけば、SorrentoVibesから皆さまへ、アマルフィ海岸を代表するお土産のプレゼントがあります。
良心的なお値段の宿泊施設や専用車のプライベートツアーなど、SorerntoVibesのサービスを利用したいけれど「言葉の壁を感じる」という方もご安心ください。Felicitàlia(フェリチターリア)のお問い合わせフォームへ「ITALIANITY」と一言添えて、日本語でご連絡いただけば、無料で予約支援をさせていただきます。
また、筆者は、イタリア政府認定の旅行添乗員とオリーブオイルテイスターの資格を保有しておりますので、アマルフィ海岸以外でも、ご希望地域の旅行支援やオリーブ農園視察なども承っております。お気軽にお問い合わせください。
それでは、次回、「5日間でアマルフィ海岸の魅力を満喫できる旅のプラン」シリーズ最終回となるDay5では、郷土料理を学べるクッキングコース&ボートでのサンセットツアーをご紹介します。お楽しみに!
会社情報
SorrentoVibes https://www.sorrentovibes.com
Felicitàlia https://felicitalia.net
記事の中に出てくる情報や価格は、全て2021年11月現在のものです。
*¹: ソレント発着ナポリを巡るミニバンでのプライベートツアーの料金は、1日8時間280ユーロ〜。
*²: SorrentoVibeが提携しているナポリのガイドは、免許を保有したライセンスガイドです。
1日目:カプリ島ボートツアー
2日目:アマルフィの街々を巡るツアー
3日目:ポンペイ遺跡&ワインテイスティング
4日目:ナポリ旧市街訪問&最高のピッツァ体験
5日目:クッキングコース&ボートでのサンセットツアー