おいしくワインを飲みながら楽しめるお話をご紹介する「ワインに合うつまみ話」。
第7回目のメニューは「暗殺者」という、なんとも物騒な名前がついたパスタのお話。
どんなパスタなのか?そもそも、なんでそんな名前になったのか?紐解いていきます。
「暗殺者のパスタ」って、どんなパスタ?
パスタ料理の中には、一風変わったネーミングのものもいくつもありますが「暗殺者」なんて刺激的で恐ろしいネーミングは滅多にありません。
さてこのパスタ、一体どんなパスタなんでしょう。
イタリア名は「Spaghetti all’assassina(スパゲッティ・アッラ・アッサシーナ)」。まさに「暗殺者風スパゲッティ」という名前なのです。
南イタリアのプーリア州バーリ発祥のこのパスタは、乾燥パスタを茹でずにフライパンへ投入し、トマトペーストやトマトソースを吸わせて焦げ目をつけながら煮込んでいくという、なんとも大胆な料理。パスタにしっかり染み込んだトマトソースの濃厚な味わいと焦げた麺の香ばしさが、特徴的な逸品なのです。

ちなみに、材料はスパゲッティ、トマトペースト(トマトソース)、唐辛子、ニンニク、オリーブオイルと、とってもシンプル。トマトペーストを入れる以外、基本的にはペペロンチーノと同じですね。

なぜ「暗殺者」と呼ばれるようになったの?
それでは、なぜこのメニューが「暗殺者」と呼ばれるようになったのか。
実は、確実なことはわかっていないのです。
ただ、諸説ある中で、3つ有力な説があるそうです。
そのひとつが、このパスタを食べたあるお客さんが、レストランのオーナーに「殺人者か!」といったからという説。お客さんの気持ち的には「殺人的に美味しいじゃないか!」と言いたかったというもの。
そして、もうひとつが唐辛子の辛さが強烈で、殺人的な料理だったからというもの。
さらに、もうひとつが、調理の際、フライパンに入れるトマトソースが跳ねて、キッチンがまるで惨劇の後のようになるからという説。

しかし、どの説が本当かは定かではありません。
筆者的には、食べ終わった後の胸元がトマトソースで大惨事になり、家族から立ち直れなくなるほど罵倒されるからという説もあるのではないかと思っています。
とにかく「暗殺者のパスタ」を作る際、そして食べる際は、くれぐれも白いシャツを着ないことをお勧めします。
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