6月6日、GINZA SIXの観世能楽堂で開催された「パルミジャーノ レッジャーノ道の極み」。書家 中塚翠濤氏による新ロゴ「円相」の発表、能楽師 辰己滿次郎氏による創作能の披露など、イタリアと日本を繋ぐ伝統をテーマに、より深く食文化を知るきっかけとなりました。
巨大なパルミジャーノ レッジャーノが登場!
皆さんはカットする前のパルミジャーノ レッジャーノを見たことがありますか?直径約35〜45cmの太鼓型で、重さは30〜40kg!外側にはDOP(原産地呼称保護)認証の文字が刻まれています。
イベント会場では、その巨大なパルミジャーノ レッジャーノのカットパフォーマンスが行われ、多くのゲストやメディアがその様子を撮影。カットされたチーズは、後ほどゲストが試食して、熟成度合いによる味わいの違いを体験します。


能舞台で行われた「パルミジャーノ レッジャーノ道」発表
観世能楽堂の舞台では、はじめに駐日イタリア大使 ジャンルイジ・ベネデッティ氏が挨拶。「パルミジャーノ レッジャーノは、その独特な形状と風味によりイタリア料理の基盤を支える重要な食材です。伝統と品質を重んじる日本とイタリアが、本イベントを通じていっそう強く結びつくことを期待します」と語り、続いてパルミジャーノ レッジャーノのショートムービーが上映されました。

パルミジャーノ レッジャーノは、9世紀頃から作られてきた世界最古のチーズのひとつで、修道士たちが長持ちさせるために工夫したのが始まりです。イタリアの特定の地域(パルマ州、レッジョ・エミリア州、モデナ州、マントヴァ州、ボローニャ州の一部)でのみ生産されるDOP(原産地呼称保護)認定チーズであり、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会の厳しい審査に合格したものだけが名乗ることを許されます。
12カ月から48カ月以上熟成させ、乳牛の品種や熟成期間によって異なる風味が楽しめるハードチーズ。ナッツのような香りと旨み、豊かなコクがあり、熟成期間が長いほど濃厚で深い味わいに仕上がります。

製造には厳格な規定があり、原材料は生乳、塩、酵素のみを使用し、添加物や保存料の使用は禁じられています。また、牛の飼育には、主に地元で採れる草や干草などの飼料が用いられ、輸入飼料や発酵飼料(サイレージなど)の使用は厳しく禁止されているそうです。
数々の条件から、1000年以上にわたって伝統を受け継ぐために、生産者や製造関係者が、愛情をもってパルミジャーノ レッジャーノの味わいを守ってきたことがわかります。
日本の伝統を世界に発信するMEGUMIさんが登壇
特別ゲストとして女優のMEGUMIさんが登壇して、トークセッションがスタート。パルミジャーノ レッジャーノが生み出されるまでの過程が、書道や武道など、日本の伝統的な「道」の精神と深く共鳴していることに着目して生まれたのが、「パルミジャーノ レッジャーノ道」というコンセプトです。
MEGUMIさんは、古都金沢で築100年を越える町屋を改装したパンケーキ店を経営するなど、日本の伝統や職人の技に触れる機会が多く、その精神を世界に向けて発信しています。「日本の『道』が厳しい鍛錬を重ね、それがミルフィーユのように積み重なるさまはパルミジャーノ レッジャーノづくりとも共通点がある」と述べ、伝統文化への深い敬意を示しました。
また、1000年以上の歴史を持つパルミジャーノ レッジャーノと日本の能楽や建築に共通する伝統と革新の重要性についても触れ、「守るだけではなく、新たな挑戦と融合を図ることが大切だと思います」と語りました。

日本の伝統文化を世界に発信している女優のMEGUMIさん
新ロゴ「円相」発表と辰巳滿次郎氏による能舞
書家・中塚翠濤氏が創作したJapanロゴ「円相」は、千年にわたって伝統を守り続ける「パルミジャーノ レッジャーノ道」の精神を現代的な感性で表現。ロゴには、「美味しい」「自然」「本物」「伝統」「楽しい」の5つのコンセプトが込められ、イタリアの豊かな暮らしを感じさせるデザインとなっています。

さらに、能楽師 辰巳滿次郎氏が特別に創作した能舞を披露。伝統と革新が交差する「パルミジャーノ レッジャーノ道」の世界観を表現し、イタリアと日本が融合した幽玄の舞によって、会場は独特の空気感に包まれました。

熟成を重ねて深まる味わい
イベントのフィナーレは、24カ月熟成と36カ月熟成のパルミジャーノ レッジャーノを食べ比べ。イタリアのスパークリングワイン、フランチャコルタや抹茶のモクテルとのペアリングを楽しみながら、その奥深い味わいを堪能しました。
筆者自身も、家に常備して食べているチーズといえばパルミジャーノ レッジャーノ。そのまま食べるのはもちろん、削ってパスタにかけたり、砕いてサラダに入れたり、加えるだけで美味しさがアップする万能チーズだと思っています。24カ月熟成と36カ月熟成、どちらも美味しいのですが、やはり36カ月熟成のほうが、香り、旨みともに濃厚で奥行きがあり、好みだと感じました。
歴史ある日本の伝統とのコラボレーションを通じて、まったく新しいイメージを纏ったイタリア伝統の美食「パルミジャーノ レッジャーノ道」。あなたも、1000年を越える歴史を誇るイタリアのフォルマッジョを再発見してみませんか。
パルミジャーノ レッジャーノ道 公式サイト
https://parmigianoreggianodou.eu/
パルミジャーノ レッジャーノ道 Instagram
https://www.instagram.com/p/DKbxcIAxJa4/
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