ART & DESIGN

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「ルイ・ヴィトン」がイタリアの誇るデザインブランド「フォルナセッティ」とのコラボレーションを発表!

3月上旬に開催された、パリファッションウィークの2021-22年秋冬コレクションでは、フランスを代表するメゾンである「ルイ・ヴィトン」が、イタリアの誇るデザインブランド「フォルナセッティ」とのコラボレーションを発表!

「ルイ・ヴィトン」2021-22年秋冬コレクションでは、「フォルナセッティ」のアーカイブから選び抜かれた1万3,000点ものデザインがファッションに落とし込まれ、コレクションに新たな息吹を吹き込んだ。まるで、古代〜現代〜未来を渡り歩くような約9分間の旅。シュールで大胆なイタリアのデザインブランドと、フランスの王道メゾンが融合した、記念すべきショーの全貌。そして「フォルナセッティ」の知られざる魅力に注目!

ルイ・ヴィトン×フォルナセッティが織りなすショーの全貌とは?

今回コレクションを披露した会場は、現在パンデミックの影響で閉館しているルーブル美術館。歴史と美術の宝庫とも言える場所で開催されたショーは、ライブ中継で世界中に発信され、多くの人々の目を惹き付けた。冒頭でクリエイティブデザイナーによるメッセージが流れた後、重厚感のある大理石で造られた彫像の横を、1人のモデルがウォーキングする映像でショーは幕を開ける。その裏で流れるのは、2月に解散を発表した音楽ユニット、ダフトパンクによる「Around the World」の近未来的なビート!
古代ギリシャや、ローマ時代のイメージからインスピレーションを受けたという「ルイ・ヴィトン」の秋冬コレクションでは、「フォルナセッティ」のデザインが大胆にプリントされたバッグや、立体的なフォルムに映えるグラフィカルなアウターの他、ジャケットのあちこちに彫刻モチーフが用いられている。「フォルナセッティ」のデザインは、古典主義を追い求めるように見えて、どこか現代的。流行に左右されない、普遍的でユニークな世界観が特徴だ。その膨大なアーカイブから、「ルイ・ヴィトン」レディスのアーティスティック・ディレクターである二コラ・ジェスキエール氏が厳選し、レーザープリンティングや刺繍など、伝統的な技法から最新技術まで組み合わせながらファッションと融合させた。

ショーの様子はこちら

「フォルナセッティ」の知られざる秘話

古典美術や古代ローマのモチーフに手を加え、独自のスタイルを作り上げてきたイタリア発のデザインブランドは、どのようにそのスタイルを確立してきたのだろう?「フォルナセッティ」は、20世紀のイタリアを代表する芸術家として知られる、ピエロ・フォルナセッティ氏によって創立されたブランドだ。画家・彫刻家として活動する傍ら、印刷機を購入したことにより、1930~40年代にかけて当時イタリアを代表するアーティストらからも依頼を受けるような、トップレベルの印刷技師として活躍した。「フォルナセッティ」という名を知らなくても、ブランドのトレードマークである女性の顔が描かれたプレートや花瓶を目にしたことがあるかもしれない。彼女は有名なオペラ歌手リナ・カバリエリで、ある日ピエロ氏が新聞に掲載された彼女のポートレートを見て虜になり、その顔をモチーフに独自の方法でデザインし、ブランドデザインとして商標登録したそう。(ミステリアスな彼女の生涯と驚きの結末について知りたい方は、ワカペディアのインタビューをチェック)見知らぬ女性の顔をブランドの顔として商標登録するというアイデアもなかなかエキセントリックだけど、その裏にはオペラ歌手への一目惚れがあったとは!

フォルナセッティのさらなる飛躍

1988年にピエロ氏が他界した後は、息子であるバルナバ・フォルナセッティ氏がブランドを継承した。ピエロ氏が生み出したデザインを生かし、強いメッセージ性のあるグラフィックを復活させながら、プロデュースした商品は絵画、彫刻、本の装丁、家具、ホームフレグランス、ネクタイ、壁紙など多岐に渡る。特に家具は、アート家具として海外の美術館で展示されているほど、国際的にも高い評価を受けている。近年は「コム・デ・ギャルソン」社とのコラボレーションを発表した他、「ドン・ジョバンニ」等のオペラや舞台も監修するなど、デザイン業界という枠にとどまらず幅広い分野で活躍している。

エイジレスな魅力を生み出すエッセンス

30年以上に渡り「フォルナセッティ」のアートディレクターを務めているバルナバ氏には、知る人ぞ知るもう一つの顔がある。それは、音楽をこよなく愛するDJでもあるということ!毎年4月に行われるデザインの国際見本市、ミラノサローネの時期にDJとしてナイトパーティーに登場するのは、デザイン業界に通じているミラネーゼの間では有名な話。チャキチャキのミラネーゼであるワカペディアチームも、ティーンの頃からスーパーDJバルナバの音楽にお世話になってきた。家ではクラシックやフラメンコ、ロックなど様々なジャンルの音楽を聴き、ずっと音楽には興味があったというバルナバ氏。根っからのアーティスト一家で育った彼にとっては、DJも創作に必要なインスピレーションなのかもしれない。
父から息子へ世代が変わってもアイデンティティを失うことなく、アート、デザイン、音楽、ファッションに至るまでエイジレスな美を追求し続けるブランド「フォルナセッティ」。その魅力を語り出すと止まらなくなるけど、今日はこのくらいにしておこう。

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