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大阪・関西万博 真の芸術が華やかに開花したイタリアのナショナルデー

Keiko Shimada

2025.09.14

大阪・関西万博の中でも屈指の人気を誇るイタリアパビリオン。9月12日はイタリアのナショナルデーで、バレエやオペラなど、一日を通して華麗なイベントが開催され、イタリアファンの喝采を浴びました。



時代を越えるルネッサンスのパフォーマンス

イタリアのナショナルデーは、イタリア・ルネッサンスの伝統を受け継ぐラ・カーヴァ市旗手団によるパレードでスタート!なんと、大阪関西万博を象徴する大屋根リングの上を行進しました。そして、パレードのクライマックスは、EXPOホール シャインハット前の広場でのフラッグパフォーマンス。旗を華麗に操りながら、時折高く放り投げると、広場を埋め尽くした観客から大きな歓声が上がりました。

イタリア伝統の旗手団のパフォーマンス
古代からの伝統を受け継ぐラ・カーヴァ市旗手団のパフォーマンス

この日のメインセレモニーは、EXPOホール シャインハットに満員の観客を迎え、寛仁親王妃信子殿下のご臨席を賜り、イタリアと日本の国家斉唱、国旗掲揚によって開幕しました。日本政府代表 文部科学大臣政務官、赤松健氏による挨拶に続いて、イタリア共和国政府代表のアレッサンドロ・ジューリ文化大臣がスピーチ。「イタリアの大阪・関西万博への参加が、両国の文化、科学、技術交流の豊かな源泉となり、ますます盛んで実りあるものとなると確信しています」と述べ、未来への力強いメッセージとなって観客の心に届きました。

ホールでイタリア国歌を斉唱するアーティスト
イタリア・日本両国の国家斉唱とともに国旗を掲揚
ステージでスピーチするアレッサンドロ・ジューリ文化大臣
イタリア共和国政府代表としてアレッサンドロ・ジューリ文化大臣が登壇

発祥地イタリアに伝わるバレエの神髄

セレモニーの後は、文化プログラムとして、ミラノ・スカラ座アカデミアによるバレエ公演。バレエ発祥地のイタリアにおいて200年の歴史をもつ名門によって、いま最も人気のあるイタリアらしい作品の抜粋が上演されました。


音楽ニーノ・ロータ、振付マリオ・ピストーニの『ラ・ストラーダ』は、フェデリコ・フェリーニの名作映画をバレエにしたもので、純粋無垢なヒロイン、ジェルソミーナの美しい魂が描かれた作品。

『ロッシーニ・カード』は、ロッシー二の音楽にマウロ・ビゴンゼッティが振付したコンテンポラリー作品です。決まったストーリーのないイメージの連なりが、革新的な振付によってロッシー二へのオマージュとなっています。

コンテンポラリーダンスを踊るダンサー
個性的なダンサーたちがさまざまなイメージを表現

確かな技術をもち華もある、将来が楽しみなダンサーたちのエネルギッシュなパフォーマンス。筆者は昨年、61歳で現役復帰した伝説のダンサー、アレッサンドラ・フェリのファンなのですが、彼女もミラノ・スカラ座アカデミア出身。この日、ステージに立ったダンサーの中から、いつか第二のフェリが誕生するかもしれません。

ステージでの群舞
ダイナミックな群舞で最高潮に
観客と触れ合うイタリアちゃん
会場の内外で観客と触れ合ったイタリアちゃん

イタリアオペラの未来を感じる公演

ナショナルデーのイベントを締めくくったのは、「偉大なるイタリアオペラ。人類の文化遺産」と題されたコンサート。フランチェスコ・イヴァン・チャンパが指揮するローマ歌劇場管弦楽団の演奏に、ドラマティック・ソプラノとして今後を嘱望されるアナスタシア・バルトリ(ソプラノ)、世界の一流歌劇場に出演して注目を集めるルチアーノ・ガンチ(テノール)、舞台俳優だった異色のキャリアをもつルカ・ミケレッティ(バリトン)が出演。耳の肥えたオペラファンの期待を集める3人の歌手が共演する、特別な一夜となりました。


ヴェルディの『マクベス』『仮面舞踏会』、プッチーニの『トスカ』『マノン・レスコー』など、イタリアオペラを代表する演目の数々。圧倒的な歌声と個性あふれるキャラクターの演技に、会場に詰めかけた満員の観客が酔いしれました。


会場が一体となり熱狂に包まれたアンコール

観客の鳴り止まない拍手に応えたアンコールの1曲目は、ピエトロ・マスカー二『カバレリア・ルスティカーナ』の間奏曲!筆者がもっとも感動したのはこの瞬間で、あの美しい旋律がイタリアの管弦楽団によって奏でられていることに、胸がいっぱいになりました。


さらに、プッチーニ『トゥーランドット』から「誰も寝てはならぬ」『ジャンニ・スキッチ』から「私のお父さん」など、オペラファンならずとも、誰もが知っている名曲の連続。アンコールのためにとっておいたとしか思えない豪華なセットリストに、会場のボルテージは最高潮に!


フィナーレを飾ったのは、3人が一緒に歌ったヴェルディ『椿姫』から「乾杯の歌」。コミカルな演出を交えた歌声に観客の手拍子が加わり、まさに会場が一体となって大きなうねりとなり、ナショナルデーを祝福するひとときとなりました。

観客の拍手に応えるオーケストラと歌手
圧巻のアンコールに鳴り止まない拍手

本物の芸術、最高峰のバレエとオペラを通して、イタリアパビリオンのテーマ「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」を表現したイタリアナのショナルデー。この一日が、イタリアと日本の絆をより深め、未来へ向けての第一歩となった。その場に立ち合い、その熱気をともに体験し、強く実感しました。

大屋根リングとリボンで結ばれたイタリアパビリオン

イタリアパビリオン公式サイト

https://www.italyexpo2025osaka.it/ja/itariaguan


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