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イタリアとともに創る。3人のデザイナーが万博への想いを語る【第2回 アンバサダー紹介】

ryo

2025.05.29

開幕以来、大きな盛り上がりを見せている2025年大阪・関西万博。なかでも、人気のイタリアパビリオンの公式アンバサダーをご紹介するシリーズ第2弾は、デザイナーという共通の肩書きをもつ3人にフォーカス。それぞれが持つイタリアとの繋がりや本万博への想いを、彼らの言葉とともにご紹介します。


各分野の第一線で活躍してきた彼らが、今回なぜイタリアパビリオンのアンバサダーとして選ばれたのか。その背景には、単なる国際的な評価にとどまらず「イタリアとの共創を通じて、新たな価値を生み出してきた」という確かな実績があります。
そんなイタリアとの強い絆を持つ3人のアンバサダーについて、その歩みと想いをひも解いていきます。



奥山清行【インダストリアルデザイナー】

イタリアを代表するカーブランド「フェラーリ」の創業55周年を記念して、2002年に誕生したモデル「エンツォ フェラーリ」。フェラーリの歴史に深く刻まれるこのモデルのデザインを手がけたのが奥山清行氏(日本国外では、KEN OKUYAMA DESIGN名義で活動)。イタリア人以外で初めてフェラーリのデザインを任された、唯一の日本人である奥山氏。当時、世界的に有名なカロッツェリア「ピニンファリーナ」に所属していた彼の名は、本モデルにより瞬く間に世界中に知れ渡り、現在も国際的な工業デザインの世界でその名を轟かせています。


奥山清行氏とエンツォ フェラーリ(2002年) photo by イタリアパビリオン

奥山清行によるコメント

「2025年大阪・関西万博のイタリア館のアンバサダーに任命されたことはとても光栄です。このパビリオンのテーマである『アートは生命を再生する』は、私の哲学を完璧に反映しています。私の目標は、機能性や価格だけではなく、背景や歴史を重視した社会システムのデザイナーになることです。これがイタリアで成長したKEN OKUYAMA DESIGNの哲学です。イタリアパビリオンが、来場者同士が芸術とその可能性に深く浸ることのできるスペースになることを願っています」


奥山氏にとって、デザインとは単なる造形ではなく、人と社会をつなぐ仕組み。イタリアで磨かれた哲学と経験が、今回のテーマ「アートは生命を再生する」と深く呼応し、パビリオンの魅力をより豊かに引き出しています。




喜多俊之 【プロダクトデザイナー】

1969年から昨今まで、ほとんどのプロジェクトをイタリアでプロデュースしている喜多俊之氏。家具、家電、ロボット、日用品に至るまで、多彩な製品を手掛けています。その功績は、イタリアで最高位の国家勲章であるイタリア共和国功労勲章コメンダトーレ賞をはじめ、プレミオ・コンパッソ・ドーロ賞など、権威ある国際的な賞を数々受賞。その実績は、イタリアでも高く評価されています。

イタリアとデザインの絆を深めてきた喜多氏 photo by イタリアパビリオン

喜多俊之氏によるコメント

「1972年頃、私はある企業から新しいデザインテーマの依頼を受けました。製品開発チームのメンバーとして迎えられ、幸運にも新しい照明器具や家具のデザインに携わる経験を積むと共に、多くの友情に恵まれました。こうしたつながりから、2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンのアンバサダーに任命されたことを光栄に思います(喜多氏のコメントより抜粋)」


50年以上にわたりイタリアで活動してきた喜多氏。長年の信頼と絆が築いたイタリアとの関係と活躍が、アンバサダーとしてどのように表現されるか注目です。




天野喜孝 【イラストレーター / キャラクターデザイナー】

「ガッチャマン」「テッカマン」「ファイナルファンタジー」など、誰もが一度は目にしたことのあるキャラクターを生み出してきた天野喜孝氏。舞台美術や衣装デザインでも知られる国際的アーティストである天野氏は、アールヌーボーや浮世絵、西洋コミックといった多様な文化にインスパイアされた独自の世界観を築いてきました。

近年では、イタリア・ルッカで開催される「ルッカコミックス&ゲームズ」の公式ゲストとして招待され、ジャコモ・プッチーニ没後100周年記念のポスター制作など、日伊の芸術的交流にも貢献しています。

数々の名キャラクターの創出してきた天野氏 photo by イタリアパビリオン

天野喜孝によるコメント

「2025年大阪・関西万博のイタリア館アンバサダーに任命いただき、大変光栄に思います。個人的にイタリアの芸術には深いリスペクトがあり、この特別な文化交流を通じて、イタリアと日本の芸術の美しさを世界に発信できることを心からありがたく感じています」


イタリア芸術に強い敬意を抱く天野氏。これまでの創作活動を通じて育んできた感性が、万博という舞台で新たな芸術の交流を生む力となっています。




デザインの力で、イタリアと日本をつなぐ

「アートは生命を再生する(The Art of Regeneration)」というテーマのもと、芸術・文化・テクノロジーを融合させた空間を創出するイタリアパビリオン。
今回ご紹介した3人のアンバサダーはいずれも、イタリアとの長年にわたる深い関わりのなかで、それぞれの表現を磨いてきたクリエイターです。


彼らの存在は、イタリアパビリオンが単なる展示空間ではなく、国や文化を超えて“再生”を体感できる場であることを物語っています。これまではもちろん、今後の彼らの活躍からも目が離せません。

次回のアンバサダー紹介もお楽しみに!



奥山清行ウェブサイト

https://www.kenokuyamadesign.com


喜多俊之ウェブサイト

www.toshiyukikita.com


天野善孝ウェブサイト

https://www.yoshitakaamano.com