おいしくワインを飲みながら楽しめるお話をご紹介する「ワインに合うつまみ話」。 第6回目のメニューは、ほとんどのイタリア料理店で提供されている、定番中の定番ピッツァ「マリナーラ」のお話です。
その名に反してシーフード不在
イタリア料理店やピッツェリアのメニューを開くと「マルゲリータ」と並んで、ほとんどのお店で登場するのが「マリナーラ」。
注文したことのある人の中には「シーフードがのってないじゃないか!」とガッカリした経験を持つ方もいるのではないでしょうか?
「マリナーラ」とは、イタリア語で「漁師風」とか「船乗り」という意味の言葉。
具沢山のシーフードピッツァをイメージするのは、当然のことです。
しかし、実際にはピッツァ生地にトマトソースを塗り、薄く切ったニンニクとドライのオレガノをのせ、オリーブオイルをふって焼いた、とてもシンプルなピッツァなのです。
では、なぜこれが「マリナーラ」なのか。
それは、このピッツァの誕生物語に由来します。
この「マリナーラ」は、ナポリの漁師や船乗りが長期の航海に出る際、保存性の高いトマトソースをパン生地に塗って食べていたシンプルなメニューが原型。
そのため「漁師風」という名前がつけられたという説が有力と言われています。

また、チーズすらのっていない基本的な材料だけで作られる「マリナーラ」だからこそ、その店のベースの味や技術を確かめられるという楽しみ方もあり。
一部には「マリナーラ」ばかりを、好んで食べる人もいるとか。
具沢山の贅沢ピッツァもおいしいいけれど、ときには基本に立ち返ってピッツァの原形といわれる「マリナーラ」を食べて、シンプルなおいしさを噛み締めるのもいいかもしれませんね。
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