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指揮者と歌手が導くイタリアパビリオンの魅力【第3回 アンバサダー紹介】

ryo

2025.06.12

大阪・関西万博で大きな注目を集めているる「イタリアパビリオン」。今回は、その魅力を多角的に発信するアンバサダーを紹介する連載シリーズの第3弾。イタリアと深い縁があり、現在も国際的に活躍する2人の音楽家をご紹介します。



西本智実【指揮者】

これまでに世界30カ国以上で公演を行ってきた、クラシック音楽界を代表する日本人指揮者・西本智実氏。
現在は、自身が芸術監督を務めるイルミナートフィルハーモニーオーケストラ(IlluminArt Orchestra)を中心に活動するとともに、ASEAN諸国の音楽家と連携した国際的なプロジェクトにも取り組んでいます。

彼女の指揮は、単に音楽を奏でるだけではなく、東洋と西洋の美学を対話させる架け橋でもあります。
伝統文化と現代科学、芸術とテクノロジーの融合をテーマに掲げ、音楽を通じて社会課題にアプローチ。音楽療法の普及や、心身の健康支援、教育的プロジェクトなど、その活動は多岐にわたります。

サンピエトロ大聖堂のミサで指揮を執る西本氏
サン・ピエトロ大聖堂のミサで指揮を執る西本氏 ©Musacchio & Ianniello

2013年以降、バチカン市国で開催される国際聖楽芸術祭の常連ゲストとしても知られる西本氏。2014年には、その芸術的功績が高く評価され、バチカンのプロ・ムジカ・エ・アルテ・サクラ財団より史上最年少で名誉賞を受賞しました。

2014年 Fondazione pro Musica e Arte Sacraより名誉賞授与
2014年 プロ・ムジカ・エ・アルテ・サクラ財団より名誉賞を受賞した西本氏

西本智実氏によるコメント

「イタリアパビリオンは、人間の叡智が時空を超えて創造する“芸術空間”です。パビリオンのロゴデザインからは、静けさと活力という相反する要素が同時に感じられ、訪れる人々の感性を刺激するものとなるでしょう」

イタリア文化への深い理解と、美を見出す鋭い感性が感じられる西本氏。指揮者として、芸術監督として、そして文化を紡ぐアンバサダーとして、彼女がイタリアパビリオンでどのような“響き”を生み出すか、期待は高まるばかりです。




藤井泰子【ソプラノ】

2022年にNewsweek日本版にて「世界が尊敬する日本人100」に選出されたソプラノ歌手・藤井泰子氏は、幼少期からクラシック音楽に親しみ、高校入学と同時に声楽を田原祥一郎氏に師事。その後、慶應義塾大学を卒業し、日本オペラ振興会にて本格的にオペラの道を歩み始めたそうです。
イタリア政府給費留学生として、ボローニャ国立音楽院で研鑽を積んだのち、ローマ歌劇場で著名なオペラコーチ、ジョセフ・ジャルディーナ氏のもと、さらに技術を磨いたという藤井氏。オペラや交響楽の国際舞台で主演を務めるとともに、サルッツォ国際コンクールで優勝を果たすなど、名実ともに注目のソプラノ歌手です

ソプラノ藤井泰子

藤井泰子氏によるコメント

「オペラに導かれてイタリアに渡り、気づけば25年。舞台人としてだけでなく、人間としても私を育ててくれたイタリアに、心から感謝しています。
ライフワークとして取り組んでいるのは『イタリアらしさ』を日本に伝えること。今回、イタリアパビリオンのアンバサダーとして任命いただけたことは大変光栄であり、この使命を誇りに感じています。
世界中から訪れる方々に、イタリアの魅力と文化の豊かさを伝えることで、新たな交流や発見のきっかけとなるよう尽力してまいります」

その言葉からは、表現者としての確かな信念と、文化を伝える使者としての誇りが感じられます。
藤井氏がイタリアパビリオンでどのような音楽的・文化的体験を届けてくれるか。これからも注目していきます。


音楽がつなぐ、イタリアと日本の未来

西本智実氏、藤井泰子氏という2人のアンバサダーを通して見えてくるのは、イタリアの文化的背景が日本人アーティストの表現を、より強く、より国際的に豊かに育ててきたかということ。そして彼女たちは今、その経験を次世代へとつなげようとしています。

イタリアパビリオンは、芸術を“展示”するのではなく、体験を通して“共鳴”させる場所。音楽が持つ力のように、その空間がどのように私たちの心を震わせるのか。本万博で、その響きをご体感ください。



西本智実ウェブサイト
www.tomomi-n.com



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