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ミラノで開催された「TUTTOFOOD(トゥットフード)」で、美食の国イタリアを実感する

2019年もイタリアを代表する食品飲料の見本市「TUTTOFOOD(トゥットフード)」が、5月6日~5月9日まで、ミラノ市内にある国際展示会場「Fiera Milano(フィエラ ミラノ)」で開催されました。ミラノ市内から地下鉄で30分ほどの場所にあるフィエラミラノは、34万5000㎡の敷地を持つヨーロッパで二番目の規模の展示会場として、一年中様々な国際的な見本市などが開催されています。

3日間に約8万人で賑わう、イタリアの食文化を象徴する見本市

イタリア国内で開催される国際的な食品飲料見本市には、ミラノで開催されるTUTTOFOODとパルマで開催されるCIBUS(チブス)の二つの代表的な見本市があります。それぞれの見本市は隅数年と奇数年で開催され、2019年の今年はTUTTOFOODの見本市が開催されました。
2007年に初めて開催されたTUTTOFOODは今年で6回目の開催となり、来場者数は回数を重ねるごとに上昇傾向にあります。

今年は前回を1200人ほど上回る約8万2500人が来場したことでも話題となりました。来場者数の多くは、国内外のバイヤー、原材料の生産者、サービスサプライヤーなどで、一般客の来場はできない専門性の高い見本市です。

国内外のバラエティーに富んだ展示品の数々

この国際的な食の見本市に参加しているのは、国内外の食品、飲料のメーカーや小売店や製造者で、中には原材料の生産者なども参加しています。今年の出展社数は約2850社で、出展社の7割がイタリア国内の業者で、残りの3割がスペイン、フランス、ドイツなどのヨーロッパを中心とした海外の業者です。
また、今回の展示会においては、ギリシャは大型ブースに様々な特産品を扱う小売店が出展するなど、ヨーロッパ各地の最新の食材や飲料などが所狭しに並んでいるのも特徴的です。

「美食の国イタリア」のこだわりプロダクト

TUTTTOFOODの最大の魅力は、何と言っても「美食の国イタリア」の豊富な食材やプロダクトの数々です。TUTTOFOODの出展エリアは約6万㎡にも及び、7つのセクション、12のブロックに区切られてブースが出展されています。イタリアならではのチーズの数々が並ぶ乳製品「DAILY」、プロシュートやサラミを中心とした「MEAT」、見たこともないほどのオリーブオイルを中心としたオイルが並ぶ「OIL」、イタリア産のワインやドイツ、イギリスなどのビールなど多彩な飲料が揃った「DRINK」、そのほかにも「FROZEN」、「SWEET」、「PASTA BAKERY」、「SEAFOOD」などの様々なカテゴリーに分けられています。

それぞれのブースはその会社の特徴を生かした、こだわりのディスプレイを行っていて、実店舗を移転してきたかのような立派な作りのブースなどが並びます。さらに、商品のPRに力を注ぐ大手食品メーカーのブースでは、大型モニターを使いながら、いち押し商品の実演を行っているため、多くの人が集まっていて賑やかです。また、展示ブースでは各商品の試食や試飲を積極的に行っているので、会場内はまるで日本のデパ地下のような雰囲気は、他の展示会とは異なる、食の見本市「TUTTOFOOD」ならではです。

イタリア各州の最新プロダクトが集結

TUTTOFOODに出展するのは、業者だけではなく、地元の生産品に力を入れるプーリアやシチリアなどのそれぞれの州が協賛して、卸販売に力を入れている小売業者が出展しているのも特徴の一つです。高品質の商品を生産する小売業者にとっては、このTUTTOFOODに出展することは、世界各国から品質の高いイタリア各地のプロダクトを求めるバイヤーと繋がる大きなチャンスになっています。

また、新商品を求めるバイヤーにとっても、地元に根付いた最新の食に関する情報や、市場の動向などを把握できる機会となっているため、このTUTTOFOODは、食文化に携わる人にとっては、とても有益な見本市です。

2019年2月からの輸出入規制緩和

ピザ、チーズ、プロシュート、パスタ、ワインなど、世界的に有名なイタリアの食文化。これまでに培ってきた昔ながらの製法を使った食品や食文化を大切にしながら、さらに進化を遂げようとしています。近年では国内の食料品に限らず、世界各国の食品が手軽に入るようになり、また機械化が進むようになったことで、生産性が変化しているのも特徴的です。

2019年2月から日本とイタリアを含むEUとの輸出入規制が緩和され、イタリアの食品、ワインなどの飲料を身近に感じる機会が増えることが期待されます。また、イタリアでも人気の和食や日本の食料品は、注目度が高く、イタリア国内に9店舗展開するMUJI(無印良品)では食料品の販売を開始するなど話題になっています。

今回ご紹介したTUTTOFOODのような食品飲料の国際的な見本市では、相互的に食文化の交流をグローバルに図ることができる大きな機会です。今年のTUTTOFOODでは、目立った日本の食品・飲料を扱う業者は出展していませんでしたが、今後、こういった世界的に注目される展示会において、イタリアの食品や飲料、そして日本の健康的で高品質な食料品がより広まる機会になることを期待します。

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