メルカート・ディ・ナターレ巡りは楽しい
イタリア語でクリスマスのことはNatale(ナターレ)と言いますが、Mercato di Natale(メルカート・ディ・ナターレ=クリスマスマーケット)がイタリアでは11月下旬から週末ともなると各地で開かれるようになります。
クリスマスのプレゼントやクリスマスに楽しむ食べ物など色んなものが売られるクリスマスマーケットですが、私の住むフィレンツェでもあちこちで開かれており、先週の日曜日はクリスマスマーケット巡りをしてきました。
普段一般公開されていない豪華なコルシーニ宮殿のクリスマスマーケット
最初に訪れたのはアルノ川に面するコルシーニ宮殿で開催されたクリスマスマーケット。このマーケットの魅力はなんといってもフレスコ画で埋め尽くされたまばゆいサロンの数々がゴージャスな会場です。
昨年も訪れたのですが、マーケットの商品が目に入らないほど宮殿の美しさに目を奪われてしまいました。この宮殿はプライベート所有で特別なイベントでの貸出以外はほぼ一般公開されていないため、こういった機会がないとなかなか目にすることができないというエクスクルーシブな魅力もあります。
各サロンごとにクリスマスギフトにふさわしい商品が並びます。ジュエリーやバッグ、洋服などファッション衣類や本、デザインアイテム、家庭用のリネンやインテリアグッズ、香水や化粧品など幅広いラインナップ。
ディスプレイが素敵なので眺めるだけでも楽しいです。クリスマスや年末年始のランチやディナーで食べられるパネットーネやスモークサーモンなどの食品も。
このマーケットはフィレンツェの「File」という医療関係のNPO法人が主催、フィレンツェ市が後援で毎年開かれ今年で17回目を迎え、マーケットでの売上の一部がこのNPO法人の活動へ寄付されます。ヴィンテージファッションのサロンでは、寄付で集まったヴィンテージクローズやアクセサリーが販売されていました。
この宮殿にはもうひとつ魅力があるのですが、それは浮世離れした洞窟風のサロン。サロンに入った人たちは思わず息を飲むほど優美なサロンで、ここでは休憩や食事ができます。
会場を訪れた人たちはマーケットでのショッピングでの合間に、この素晴らしい空間でコーヒーを飲みながらおしゃべりに花を咲かせていました。
とてもゴージャスな空間でのクリスマスマーケットにフィレンツェ市民も感動し、併設バールで働くバリスタとお客さんの間の会話では「君たち、素晴らしい会場設営をしたね」「そうなんだよ、昨夜は徹夜でこの天井画を描いたんだよ。上手に描けたでしょ?(笑)」などというジョークが飛び交うほどでした。
続いてはトレンドスポット‟旧タバコ工場”でアーティスティックなマーケット
使用されなくなり廃墟となっていた旧タバコ工場がリノベーションされてオシャレなスポットによみがえったmanifattura tabacchi(マニファットゥーラ・タバッキ=タバコ工場)。
トレンドに敏感なフィレンツェ市民が集まる場所として注目を集めています。ここではコンサートやアーティストの展覧会などのイベントが開かれたり、アペリティーボなどを楽しめるバーが併設されています。
煙突や天井に配置されているいくつものパイプ、使用されなくなった機械などタバコ工場の名残りがあちこちに見て取れる建物は、少し退廃的で独特な雰囲気を醸し出しています。ここではイタリア中から40人のデザイナーや職人たちが集まったクリスマスマーケットが開かれました。
フィレンツェ在住のジュエリー&ボディー・オーナメンツのデザイナー、レティツィア・レンツィさんは手作りしたユニークなスカートが目を引くファッションでマーケットに参加。自身のジュエリーブランドDeaMatris(デアマトリス)のオリジナルアクセサリーを販売していました。
オリジナルアート作品やハンドメイドアクセサリー、インテリア用品や洋服など、ここではカジュアルでアーティスティックなラインナップの商品が販売されていました。
またバーでは色とりどりのブルスケッタやハンドメイドデザートなどが提供され、会場を訪れた人たちはショッピングの合間にお気に入りの飲み物を頼んでリラックスしたり久しぶりに会う友人たちと挨拶していました。
最後にフィレンツェで最も有名なサンタクローチェのクリスマスマーケット
最後に訪れたのはフィレンツェで最も有名で毎年開催されているサンタクローチェ教会前広場のクリスマスマーケットです。毎年、ポーランドやドイツなど外国からも出展されるマーケットで、クリスマスの工芸品やプレッツェルなど飲食系約50のスタンドが立ち並びます。
ドイツのクリスマスマーケット風の木造のスタンドで今年は11月23日から12月22日までおよそ1ヶ月間開かれています。10時から22時まで営業されているので、ランチやディナーを楽しんだり、食後にVin Brule’(ヴィン・ブルレ)と呼ばれるスパイス入りのホットワインを味わうことができます。
私も毎年一度はここで食事をしますが、ポーランドからの出店のグーヤッシュ(ビーフシチュー)やオーストリアやドイツからの出店のシュトゥルーデルなど様々なメニューがあって目移りしてしまいます。
ここに来ればイタリア料理以外の食事の選択肢が沢山あるので、旅行中にイタリア料理に飽きたという観光客にもお薦めです。また、食事の前後にはクリスマスの工芸品やお土産に良さそうなアイテムのショッピングも楽しめます。
一言でクリスマスマーケットといっても、色んなタイプがあるイタリアのクリスマスマーケット。もし11月下旬から12月にかけてイタリアを訪れる機会があれば覗いてみてはいかがでしょうか。
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