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世界遺産フェラーラ観光ガイド | 現地在住者が教える見どころ・グルメ・散策コース(2026年版)

萩原 康江

2026.01.12

ユネスコ世界文化遺産の数が世界で最も多い国、イタリア。「フィレンツェ歴史地区」と「ヴェネチアとその潟」はあまりにも有名で、両都市を立て続けに見て回る旅行者は少なくないでしょう。しかし、二都市を結ぶ列車の路線上に、途中下車に値する世界遺産の街が点在するのを知っている方は多くないかもしれません。



フェラーラはどんな街?


世界遺産の街フェラーラは、ヴェネチアとボローニャの間に位置する、ルネサンス期の面影を色濃く残す美しい北イタリアの古都です。1995年にルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯がユネスコ世界文化遺産に登録され、エミリアロマーニャ州では初めて世界遺産となりました。ヴェネチアやフィレンツェほど知名度はないものの、観光客が比較的少なく、徒歩や自転車でゆったりと街歩きを楽しめるのが魅力です。


本記事では、現地在住者の視点から、フェラーラ観光の見どころ、街歩きのコツ、地元で愛されるグルメまでをまとめてご紹介します。



フェラーラ観光の必見スポット


街のシンボル、エステンセ城

フェラーラ観光で外せないのがエステンセ城。その名の通り、かつてここを400年間統治していたエステ家の居城です。角ばった外観とお堀で囲まれているところがイタリアの城としては珍しく、その堂々とした佇まいが美しい街のシンボルです。


外観を引き立てるような真っ赤な日よけにも注目。これはテンダ・フェラレーゼと呼ばれ、フェラーラの歴史的な建物の窓には鎧戸の代わりにこれが付いています。


城内の中庭までは立ち入り自由ですが、有料エリアもぜひ見学を。エステ家お抱えのシェフが西洋コース料理の原型となるものを発案したとされる台所、美しい内装の数々、城下町を一望する屋上展望台など、見どころがたくさんです。




聖ジョルジョ大聖堂とトレント・トリエステ広場


エステンセ城の時計台前を背にして右へ進むと、フェラーラの守護神聖ジョルジョを祀った大聖堂と、トレント・トリエステ広場があります。

この辺りは、世界的にも有名な8月の大道芸の祭典や、月一の骨董市、2月のエステ家のカーニバルなど、年中イベントが目白押し。センスの良い店も多く、飲食の他ショッピングも楽しめます。




フェラーラのグルメ | 地元民に愛されるお店6選


市街地でおすすめの飲食店はこちら。目的別に、広場から徒歩圏内の名店を厳選しました。

1.Hostaria Savonarola:エステンセ城の真正面でフェラーラ郷土料理を楽しめます。週末などは予約必須の人気店。
2.Pasticceria Dario:広場の近くでドルチェを食べるならここ。ブリオッシュやコーヒーも美味しいので朝食にも。
3.Gelateria La Romana:ジェラートなら行列ができるこの老舗へ。セミフレッド(アイスケーキ)やクレープもお試しあれ。
4.Osteria 2 Gobbi:アペリティーボならここ。大聖堂横の小路で美味しいワインやおつまみが楽しめます。
5.Caffetteria Ristoro Schifanoia:エステ家の離宮だったスキファノイア宮殿の中庭にある田舎風の喫茶店は、チケットなしでも利用可。もちろん宮殿内も必見の美しさです。
6.La Bottega del Pane(テイクアウトのみ):街なかを歩けば必ず目につくチェーン店のパン屋です。様々な形をした郷土パン、パーネ・フェラレーゼはサクサクした食感が地元以外のイタリア人にも人気。

※定休日や営業時間が季節・曜日で変動することがあるため、訪問前に公式ページやGoogle Mapsで最新情報をご確認ください



散策コース


G・マッジー二通りを進んで風情ある下町


大聖堂周辺を十分楽しんだら、まずは商店が立ち並ぶジュゼッペ・マッジー二通りを南下してみましょう。ここから見える大聖堂の鐘楼は絵になる美しさ。そこから二本東の通りをさらに南へ進むと、保存状態が非常に良いルネサンス期のお屋敷を見学できるロメイ家の館があります。




鳥のさえずりが響きわたる要塞壁跡


さらに南へ進み要塞門にたどり着いたなら、そこは15~16世紀の要塞壁、Mura di Ferraraの入り口です。こうした門は歴史地区の端にいくつもありますが、聖ピエトロ門から東側のエリアが遺跡の保存状態も良く、散策やサイクリングにおすすめ。


鳥が囀る緑地帯には要塞壁を横からも上からも眺められる歩行者自転車専用道が一周9キロにわたって整備されています。




年に一度、競馬場になるアリオステア広場


エステンセ城の北側、ディアマンティ宮殿と並んでひときわ目を引くのは、楕円形の幾何学的な設計が美しいアリオステア広場。今も毎年5月に開かれるパーリオ(イタリアの伝統的な競馬)のために、20世紀前半に競技場のような形に改築されました。


周辺の道路より数段低い広場に入った途端、喧騒が遮られた空間が広がります。中心に立つのは、地元に縁がある詩人ルドヴィコ・アリオストの像です。




フェラーラ滞在のワンポイントアドバイス


1.自転車での観光が快適

コンパクトな歴史地区は半日から一泊二日で散策可能ですが、レンタサイクルの利用も可能。見渡す限り平野が続くフェラーラ、住民の主要な足は自転車です。ぜひ、フェラレーゼになった気分で坂道知らずの古都を駆け抜けてみてください。


2.ベストシーズンは春から秋

湿気が多いフェラーラ、なんと真冬以外は蚊がいます。冷え込む季節は連日濃霧に見舞れることも。霧に包まれた情景もロマンチックですが、過ごしやすいのは3~10月です。



主要都市からのアクセス


⚫︎ヴェネチア → フェラーラ

・所要時間:約1時間〜1時間10分

・乗り換え:直通列車あり

ヴェネチア観光+途中下車でフェラーラ観光など、日帰りで訪れることができます。「ヴェネチア+静かな世界遺産都市」を組み合わせてはいかが?


⚫︎フィレンツェ → フェラーラ

・所要時間:約1時間30分〜1時間50分

・乗り換え:ボローニャで1回乗り換えが一般的

乗り換え時間を含めてもスムーズで、高速鉄道利用が可能。「フィレンツェ→ボローニャ→フェラーラ→ヴェネチア」という王道ルートにも組み込みやすいでしょう。


フェラーラ観光局の公式観光サイト(英語)



こちらも注目!近くの新・世界文化遺産の街


2021年にはフェラーラの北と南にある近隣二都市が新たに世界文化遺産の登録を受けました。

パドヴァ:ジョットの傑作を含む「パドヴァの14世紀フレスコ作品群」

ボローニャ:街中を網羅する回廊「ボローニャのポルティコ群」


どちらもフィレンツェ・ヴェネチア間を走る高速列車が停まります。フェラーラと合わせて訪れれば、近くてもまるで違う地方都市の面白さを発見できるはずです。


※記事は2024年3月15日に公開した記事を再編集しています