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【本場レシピ】フィレンツェ風トリッパ煮込み | イタリアのマンマ直伝の作り方

小林 真子 Mako Kobayashi

2026.05.06

 

トリッパとは?フィレンツェで愛される名物料理


トリッパはイタリア語で牛の胃袋のことで、トリッパを野菜で煮込む「Trippa Alla Fiorentina(トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ)=フィレンツェ風トリッパ」はフィレンツェの名物料理のひとつです。


フィレンツェ風トリッパ

今回この料理を披露してくれたマンマ(イタリア語で「お母さん」)は、フィレンツェ在住のパトリツィア・ヴェッリさん。友人のクラウディアから「私のマンマはフィレンツェ風トリッパが得意料理なのよ!」と紹介を受けて、レシピを教えてもらいに行ってきました。



パトリツィアさん流、Trippa alla fiorentina(フィレンツェ風トリッパ)のレシピ


フィレンツェ市民たちはもちろんのこと、北イタリアの人たちをも虜にする絶品フィレンツェ名物トリッパ煮込み。誰でも失敗せずに作ることができる、わかりやすいレシピです。


材料

<4人分材料>

・トリッパ(洗って茹でてあるもの) 1キロ
・にんじん1本、セロリ1本、玉ねぎ1個
・トマト缶詰 400グラム※トマトの皮が無いピューレ状タイプ
・パルミジャーノレッジャーノチーズ 50グラム
・エキストラバージンオリーブオイル 大さじ6
・塩コショウ


<作り方>

①にんじん、セロリ、玉ねぎをフードプロセッサーにかけてみじん切りにする

にんじん、セロリ、玉ねぎをフードプロセッサーにかけてみじん切りにするパトリツィアさん


②鍋にオリーブオイルを入れて弱火にかける

鍋にオイルを入れる


③みじん切りにした野菜を鍋に加える

みじん切りにした野菜を鍋に加えたもの


④さらに大さじ1の水を加え、ふたはせずに30分弱火で煮込む
※パトリツィアさんがボランティアをしている老人ホームのお年寄りから教えてもらった、トリッパ煮込みを美味しくするコツなのだそうです!

大さじ1の水を加えるところ


⑤その間にトリッパを1センチ程度の幅の短冊状に切る

トリッパを切るパトリツィアさん


⑥トリッパを鍋に加えて全体をかき混ぜ、さらに10分弱火で煮込む

弱火でトリッパを煮込む


⑦トマト缶と塩こしょうを加え、蓋をしてさらに20分弱火で煮込む

トマト缶と塩こしょうを加えたトリッパ

蓋をした鍋


⑧蓋を取って、2〜3分休ませる

蓋を取って、休ませているトリッパ


⑧削ったパルミジャーノレッジャーノチーズを加え、全体に行き渡るようかき混ぜる

鍋の中にあるトリッパにチーズを加えるところ


⑨食べる直前にさらにパルミジャーノレッジャーノチーズ(分量外)を上から削ってかけて、できあがり

お皿にのせたトリッパにチーズを加える



【パトリツィアさんからのアドバイス】


「トリッパが美味しさの秘訣なので必ず新鮮で上質なトリッパを用意することが重要。見た目が白いものが新鮮で美味しく、古いものは黄色がかった色をしています。」


パトリツィアさんはフィレンツェ郊外のアンテッラという街にあるお肉屋「Batini A.E.Ceccarelli」で仕入れてきた新鮮なトリッパを使っていました。イタリアではトリッパはたいてい既に洗って茹でてある状態のものが売られているので、そのまま使えます。

トリッパを食べる犬

愛犬のぺぺちゃんもさすが、フィレンツェのワンコ。トリッパが大好物で何度もおねだりする姿がとても愛らしかったです。



初めて食べたのは50歳の時。それからすっかり虜になったトリッパ煮込み


パトリツィアさんは、ベネツィアの北に位置する町ヴィットリオ・ヴェネト出身で、1972年に大学で建築学を学ぶためにフィレンツェへ来て以来、フィレンツェで暮らしてきました。フィレンツェ出身の夫フランチェスコさんと結婚後、「フィレンツェ料理レシピ集」をプレゼントされたそうです。

レシピの本

この本は、料理好きのフィレンツェ市民なら誰もが持っているという、昔から人気のあるベストセラー料理本です。本の中にはフランチェスコさんからこんなメッセージが。


“Fagioli, Bistecca, Trippa, Ribollita. Sono cose a me gradite! Alla regina della cucina con amore raro, Francesco”
<豆、ビステッカ、トリッパ、リボッリータ。これらは私が好きなものです! キッチンの女王様へ愛を込めて、フランチェスコ>

レシピの本のページ

「豆(料理)、ビステッカ・・・」は、いずれもフィレンツェの郷土料理。フィレンツェから300キロ以上も離れたヴィットリオ・ヴェネト出身の奥様に、地元フィレンツェの郷土料理を一緒に味わいたい思いをこの本に託したフランチェスコさん。その甲斐あって、パトリツィアさんは今ではフィレンツェ名物パッパ・アル・ポモドーロもリボッリータもすっかりお手の物です。ただ、「トリッパ」だけは苦手。夫の好物といえども、これだけはずっと食わず嫌いをしてきたのだそうです。


「私が初めてトリッパを食べたのは、なんと50歳の時なのよ!」とパトリツィアさん。そのきっかけは友人宅での食事会。フィレンツェ出身の友人がフィレンツェ風トリッパ料理を作ってくれたので食べてみたら、それがすごく美味しかったのだそうです。すっかりトリッパの虜になり、フランチェスコさんからプレゼントされたレシピ本で作り方を調べて試行錯誤し、今では自慢の手料理のひとつになりました。ヴィットリオ・ヴェネトから親戚たちが訪ねて来ると、必ずリクエストされる大人気の料理です。



フィレンツェ市民の大好物バッチェッリ(そら豆)、家庭菜園で収穫したばかりの新鮮を生で


パトリツィアさんがトリッパを煮込んでいる間に、夫のフランチェスコさんから「前菜のための野菜を収穫しに行こう!」とご自慢の家庭菜園へ案内してもらいました。

野菜を収穫に行くフランチェスコさん

フランチェスコさんは、ご自分で作った畑で、トマト、レタス、ズッキーニ、じゃがいもなど沢山の種類の野菜を区分けして育てています。

野菜

5月末の旬は、なんといってもバッチェッリです。バッチェッリとはそら豆のことでファーヴェとも呼ばれますが、トスカーナではバッチェッリと呼ばれる方が多く、トスカーナの人たちの大好物のお豆。これをトスカーナでは生で食べるのですが、採れたての新鮮なものは甘みが強くてとても美味しいのです。

バッチェッリ

私もこれまで何度もスーパーや八百屋で買ってバッチェッリを生で食べていますが、この日食べた採れたてバッチェッリはまるで別物。古くなると苦味が増すのですが、採れたては甘くて味が濃くて絶品です。

バッチェッリに溢れるバケツとバッチェッリの畑

バケツいっぱい収穫して家に戻り、前菜の準備です。生のバッチェッリは、ペコリーノチーズ(羊のチーズ)と一緒に食べるのがトスカーナの定番です。フランチェスコさんは、これにオリーブオイルもたっぷりかけるのが好み。このオリーブオイルも昨年の秋に自宅の庭のオリーブでつくった自家製です。

ペコリーノチーズとファーヴェ

パトリツィアさん、フランチェスコさんと娘

バッチェッリを食べ終わる頃、ちょうどトリッパも食べ頃に。奥様が大好物のフィレンツェ風トリッパを手作りしてくれるようになって、フランチェスコさんもこの笑顔。お父さんへの手料理にもおすすめですよ。

トリッパを見せているフランチェスコさん


フィレンツェ在住の筆者のInstagramもご覧ください。
https://www.instagram.com/makokobayashi_firenze



※2021年5月31日に公開した記事を再編集しています