イタリアを代表する焼き菓子ビスコッティ(「二度焼く」という意味)は保存用に作られた硬い焼き菓子を指しますが、今はイタリア全土の小ぶりな焼き菓子はすべてビスコッティと称されています。
南北に長い国土を持つイタリアでは、南と北では作られるビスコッティの種類も大きく違います。二度焼きした硬い食感、ストゥルットが入ったサクサク食感、卵が入ったフワッとした食感などなど。
シチリアのビスコッティは、温暖な気候からドライフルーツを使用したり、立地的に戦略的な要所であり古くから幾多の民族の侵略を受けてきた歴史から、アラブ人が持ち込んだゴマやアーモンドを使用したものが多く作られています。

今回はシチリアの伝統菓子である、ごまを使用した「ビスコッティ レジーナ」と、アーモンドを使用した「ビスコッティ ディ マンドルレ」の2種類のビスコッティのレシピをご紹介します。
ビスコッティ レジーナ(約10個分)

A:薄力粉 ― 80g
A:グラニュー糖(今回はきび砂糖を使用) ― 25g
A:*ストゥルット(今回はラードで代用) ― 30g
A:卵 ― 1/4個
A:ベーキングパウダー ― 1g
A:レモンの皮のすりおろし ― 少々
白いりごま・黒いりごま ― 各適量
<作り方>
1 Aの材料を全て混ぜ合わせる。
2 ひとまとまりになったら、ラップで包んで冷蔵庫で20分ほど休ませる。
3 直径2センチほどの紐状に伸ばし、3センチほどの長さに切る。
4 表面に白ごま、黒ごまをそれぞれまぶす。
5 180度のオーブンで15分ほど焼く。
*ストゥルットという豚の背脂を使うと更にザクザク感が味わえます。今回は手に入りやすいラードで代用

ビスコッティ ディ マンドルレ(10個分)

アーモンドパウダー ― 120g
グラニュー糖(今回はきび砂糖を使用) ― 100g
卵白 ― 1個分
レモンの皮のすりおろし ― 少々
ドンチェリー・ドライフルーツ・松の実など飾り用
粉糖
<作り方>
1 ボウルに飾り以外の材料を全て混ぜ合わせる。
2 手のひらに水をつけて好みの形に成形する。
粉糖をまぶすものを除き、ドンチェリーやドライフルーツをのせる。
3 180度のオーブンで12分焼く。

どれも素朴な味で飽きない美味しさです。
「ビスコッティ レジーナ」は朝食やおやつがわりにデザートワインに添えても。
甘みが強い「ビスコッティ ディ マンドルレ」はエスプレッソととても相性が良いですよ。
シンプルなレシピなので是非トライしてみてくださいね。
