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今年もサザビーズで競売に!オルネッライア新ヴィンテージのアートボトル

オルネッライアワインの新ヴィンテージ2020のリリースに先駆け、2月にオンラインによる「オルネッライア2020」のプレゼンテーションが、オルネッライアのオーナー一族のひとりで会長のフェルディナンド・フレスコバルディ伯爵、統括責任者ジョヴァンニ・ゲッデス・ダ・フィリカーヤ氏、最高醸造責任者のアクセル・ハインツ氏らの出席のもと行われた。


左)最高醸造責任者のアクセル・ハインツ氏、中央)会長のフェルディナンド・フレスコバルディ伯爵、右)CEOのジョバンニ・ゲッデス氏

オルネッライアはトスカーナは地中海沿岸のボルゲリ地区で産出される赤ワインで、葡萄畑はボルゲリから続く美しい糸杉並木の至近距離に位置している。ボルゲリのワインはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー主体の赤ワインで知られているが、オルネッライアの葡萄畑は複雑に入り組んだ土壌と、地中海性気候のマイクロ・クライメットの研究を重ね、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドーをそれぞれ品種に適した区画を選んで栽培している。ちなみにボルゲリでのカベルネ・ソーヴィニヨンは18世紀から栽培されており、歴史あるワイン産地といえる。


オルネッライアの初ヴィンテージは1985。まもなくリリースされるオルネッライア2020は35回目の収穫のワインとなる。イタリア、そしてトスカーナにおける新しいスタイルのワインの創造を目指して誕生したオルネッライアは早々に伝説的な地位を築き、世界のワインファンを驚かせ、ワインの喜びと歴史を築いてきた。


そして、ヴィンテージ2006から始まったのが、新しいヴィンテージの誕生を象徴するワインと芸術の融合「ヴェンデミア・ダルティスタ」のプロジェクト。オルネッライアのその年の栽培から醸造、熟成の一年、つまりヴィンテージを「一語」で表現し、その言葉をモチーフに、国際的に著名な現代アーティストの感性と融合させた作品を創作するというもの。オルネッライアの栽培と醸造を担うワインの造り手と芸術家の融合といえよう。


作品はオルネッライアの敷地に置かれ、限定数デザインされたアート作品のボトルはその年のワインの象徴となり、サザビーズのオークションを飾る。



プロジェクト15回目は、「オルネッライア2020」である。最高醸造責任者のアクセル・ハイツ氏は、「オルネッライア2020」を一語で表現すると『ラ・プロポルチオーネ=調和』である、と発表。「2020年は、この年の自然と人間が一体になったと感じた。人間の意志とワインとが見事なまでに一致し、エレガントさ、パワー、複雑さが絶妙な調和をみせるワインに仕上がっている」と語り、よって『ラ・プロポルチオーネ=調和』のワードが選ばれた。


オルネッライア2020の特別ラベルは、コンセプチュアル・アートを代表するアーティスト、ジョセフ・コスース氏が手がけた。コスース氏は、複雑なカルチャー・コードを視覚的に表現する「言語による芸術」を追求。オルネッライア2020=ラ・プロポルチオーネを「ワインは完璧なバランスを保った状態」と解釈し、ワインという言葉の語源系図を表現した作品であるとしている。


オルネッライアのワインで、文化的で芸術的なプロジェクトの支援をと立ち上げられた「ヴェンデミア・ダルティスタ」の、オルネッライアのワインを表す一語と芸術作品との融合の奇跡をたどってみたい。収穫年を表す一語と芸術家の名を記してみる。


2020年:ラ・プロポルチオーネ(調和)/ジョセフ・コスース


2019年:イル・ヴィゴーレ(活力)/ナタリー・ユールベリとハンス・ベリ


2017年:ソラーレ(眩い)/トマス・サラセーノ


2016年:ラ・テンシオーネ(緊張)/シリン・ネシャット


2015年:イル・カリズマ(偉人)/ウィリアム・ケントリッジ


2014年:レッセンツァ(本質)/エルネスト・ネト


2013年:レレガンツァ(エレガンス)/曽根裕


2012年:リンカント(魅惑)/ジョン・アームレーダー


2011年:リンフィニート(無限)/ロドニー・グラハム


2010年:ラ・セレブラツィオーネ(祝福)/ミケランジェロ・ピストレット


2009年:レクイリブリオ(均衡)/ジャン・ホアン


2008年:レネルジーア(エネルギー)/レベッカ・ホーン


2007年:ラルモニア(調和)/ガーダ・アメールとレザ・ファルキャンデ


2006年:レズブランツァ(活力)/ルイジ・オンターニ



限定でのアートボトルは、サザビーズの慈善オークションに出品され、オークションでの収益金は全額、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館のプログラム、「マインズ・アイ」に寄贈されている。


オルネッライア2020のコスースの作品のボトルは、100本のダブルマグナム(3ℓ)=ワインという言葉の語源を表す系図を表現。10本のアンペリアル(6ℓ)=デザインがすべて異なり、語源系図をボトルにエッチング。1本のサルマナザール(9ℓ)=白で強調した枝の周囲にヴィトルウィウスの言葉を英語で配し、プラチナ製のプレートに彫りを施している。通常ボトル(750ml)は木箱6本入りのうち1本が、ヴィトルウィウスの名著『デ・アルキテクチューラ」の第3.1.3節から引用文章が英文で印刷されたデザインとなっている。


これら、オルネッライア2020の限定ボトルデザインのワインは、今秋9月7日(木)から21日(木)まで行われるサザビーズのオンライン・オークションに出品される予定。