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イタリアの父の日、サンジュゼッペの日に食べる揚げシュー「ゼッポレ」

宗教と共に発展を遂げたイタリアの食文化

キリスト教の総本山バチカン市国を擁するイタリア。古くより宗教と密接な関係を持ちながら、イタリアの食文化は発展を遂げてきました。そのため宗教行事にのみ食べられる料理やお菓子が多く存在し、宗教的な意味合いを持つ料理も多くあります。


バチカン市国の写真

イタリアの父の日、サンジュゼッペの日

日本で父の日と言えば6月の第三日曜日ですが、イタリアでは3月19日、キリストの養父であるサンジュゼッペ(聖ヨセフ)の日が父の日に当たります。イタリアの父の日の祝い方は日本の父の日と同様、サンジュゼッペの日には子どもが父親にプレゼントを贈り感謝を伝えます。


サンジュゼッペの日をお祝いする麦や太陽などをモチーフとしたパン。祭壇を飾る。
イタリア南部では、各地でパン祭りが行われる。麦や太陽といった宗教的な意味を持つモチーフで焼いたパンで祭壇を飾り、祈りを捧げる神聖なお祭り。

サンジュゼッペの日に食べるお菓子「ゼッポレ」

そしてイタリアの父の日、サンジュゼッペの日に食べられるお菓子があります。揚げシュー「ゼッポレ」です。なぜこの日に揚げシュー?と思われる方も多いかもしれませんが、諸説ある中でも有力なのが「キリストの養父ジュゼッペは大工であったが、エジプトに脱出する際に”揚げ物屋”」という職業を神から授かり、以来”揚げ物屋の守護聖人”になった」という説。そのためサンジュゼッペの日には、街のパスティッチェリア(お菓子屋)にゼッポレが並び、それを買い求める人々で賑わいます。


ゼッポレとは、揚げたシュー生地の上にカスタードクリームをたっぷりと絞った、かなりハイカロリーなお菓子なのですが、生地の軽さもあり、ついつい食べ過ぎてしまう美味しさ。最近では健康ブームに乗って焼いたシューで作ったものもありますが、個人的には断然揚げシュー派です。


ゼッポレ デ サン ジュゼッペの作り方・レシピ

サンジュゼッペの日に食べるお菓子「ゼッポレ」
<材料 >(10個分)

*シュー生地 ― 下記の全量
*カスタードクリーム ― 下記の全量
揚げ油 ― 適量
粉糖 ― 適量
チェリーのシロップ漬け ― 10個

チェリーのシロップ漬け
イタリアではアマレーナというさくらんぼのシロップ漬けがよく使われる。アマレーナは生食というよりは加工用の品種で酸っぱくてほろ苦い味がする。

作り方

1 オーブンシートは10センチ角に切ったものを10枚作る。


オーブンシートは10センチ角に切ったものを10枚作る。

2 シュー生地を星形金口をつけた絞り袋に入れ、1に円を描く様に絞り出す。


2 シュー生地を星形金口をつけた絞り袋に入れ、1に円を描く様に絞り出す。

3 中温に熱したサラダ油に2をシートごと入れてこんがり揚げる。


3 中温に熱したサラダ油に2をシートごと入れてこんがり揚げる。

4 冷めたら粉糖をふり、星形金口をつけた絞り袋でカスタードを絞り、チェリーを飾る。


4 冷めたら粉糖をふり、星形金口をつけた絞り袋でカスタードを絞り、チェリーを飾る。

*シュー生地

<材料>

バター ― 100g

砂糖 ― 5g

水 ― 250ml

薄力粉 ― 150g

卵 ― 4個

作り方

1 鍋にバター、砂糖、水を入れて中火にかけてバターを溶かす。

2 火から下ろして薄力粉を一度に加え、ヘラで練る様に混ぜる。

3 再び中火にかけてヘラで練り混ぜ、鍋底に白い膜が出来始めたらボウルに移す。

4 卵を1個こずつ割り入れ、その都度なじむようにヘラでよく混ぜる。


*レンジで作るカスタードクリーム

<材料>

卵黄 — 1と1/2個分

砂糖 — 35g

コーンスターチ・薄力粉 — 各大さじ1/2

牛乳・生クリーム — 各大さじ5

バニラエッセンス — 少々


レンジで作るカスタードクリームの材料

1 卵黄と砂糖を混ぜ、粉類を混ぜる。


卵黄と砂糖を混ぜ、粉類を混ぜる。

2 牛乳と生クリームを少しずつ加える。


牛乳と生クリームを少しずつ加える。

3 網で漉す。


網で漉す。

4 1を耐熱容器に入れ、レンジ(500W)1分加熱し、全体を混ぜ、さらに様子を見ながら30秒ずつ加熱する。とろみがついたら冷ます。


1分加熱後 半分は液体
1分加熱後 半分は液体
更に45秒加熱後 トロトロしている
更に45秒加熱後 トロトロしている
更に30秒加熱後 まったりしている
更に30秒加熱後 まったりしている

ラップをして冷蔵庫で冷まします。


いかがでしょうか。

止まらない美味しさで食べ過ぎ注意です。

「ゼッポレ」を食べてイタリアの春の始まりへ想いを馳せてみませんか。