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吉田能シェフ監修カジュアルイタリアンダイニング「SPICA(スピカ)」表参道ヒルズにオープン!

表参道ヒルズ本館3階に、イタリアンダイニング「SPICA(スピカ)」が、去る3月6日にオープン!前日に開催されたプレ・オープンでの食卓の印象をお届けします。


SPICAは、ミシュランガイド東京2024『セレクテッドレストラン』に選出された、8席のカウンターフレンチ「CIRPAS(サーパス)」のシェフ、吉田 能(よしだ たかし)氏が、新たな食の世界を創造するカジュアルイタリアンダイニング。SPICAとは、ラテン語で穀物の意味で、乙女座のモデル女神メルデルが握る麦の穂先で明るく輝く星、古代ローマ時代からの、穀物が人々の食を支えてきたことに由来するといいます。


ミシュランガイド東京2024『セレクテッドレストラン』に選出された、8席のカウンターフレンチ「CIRPAS(サーパス)」のシェフ、吉田 能(よしだ たかし)氏
吉田 能シェフ

プレ・オープンのその日は雨。案内されたテーブルに着くとまもなく、モヒートのアペリティフが登場しました。雨傘からのがれて最初の飲みものがモヒート!冷たく喉に優しく落ちていくモヒートはとてもユニークです。まもなくテーブルには、「雲丹と季節野菜のパンナコッタ」が置かれました。スプーンで掬うと、磯の香りにつづいて人参のピュレの香味が心地よく広がります。おいしいの一言。


雲丹と季節野菜のパンナコッタ
雲丹と季節野菜のパンナコッタ

続いて登場したのは「七種野菜の虹のテリーヌ」。2色のピーマン、2色のズッキーニ、なす、トマト、外側をキャベツで包んでいます。それぞれ、野菜の調理法が違うのだそう。フロマージュブランとバジルのソースが添えられています。あれ、白い皿に描かれた孤が下弦では?のちに吉田能シェフに伺うと、フランス修行中(パリのドミニク・ブシェ)にテリーヌは型の上部を下に向けて盛りつけると習い、以来そうしているとのこと。それぞれ層をなす野菜の旨みが明快です。


七種野菜の虹のテリーヌ
七種野菜の虹のテリーヌ

ここで、グラスに白ワインのサーブが。少し驚いたのが、ストーン・アンド・ステール・リースリング2022、南アフリカのリースリングが注がれたこと。これについても吉田シェフは「ワインはソムリエがチョイスしているけど、僕がリースリング、リースリングとワインの好みを言うからかな」と笑いつつ「これまで、フレンチにはフランスワイン、イタリアンにはイタリアワインを合わせるということを考え過ぎていたかも」と。それにしても、Stone & Steel Riesling 2022 Oak Valley Saush Africa と野菜のテリーヌの一皿は斬新に思えました。


パスタは「普通にはもどれないミントのジェノべーゼ」。バジルの代わりにミントを使用、黄緑色にソースに絡まったパスタが綺麗で食欲をそそわれます。刻んだカシューナッツのアクセントが心憎い一皿。ここまで、リースリングは完璧に料理に寄り添っていました。脱帽です。


普通にはもどれないミントのジェノべーゼ
普通にはもどれないミントのジェノべーゼ

SPICAは、メニューのネーミングが実に楽しいです。メインは、シグネチャー料理といえる「シェフが辿り着いた圧巻の仔羊ハンバーグ」。ナイフを入れると肉汁がじんわりと溢れ、優しく香り、口中を満たしていく味わいに満たされていく、美味しさ。赤ワインは、Sedara 2021 Sicilia DOC Donnafugata 。添えられたメークインの焼き加減が抜群でおいしいです。ちょっと閉じ気味だったワインを開放してくれたようでした。


シェフが辿り着いた圧巻の仔羊ハンバーグ
シェフが辿り着いた圧巻の仔羊ハンバーグ

そして、締めの一皿は「〆の濃厚ビスクリゾット」。見た目にも、味わいにも、米の一粒一粒が主張するように存在感がすごい一皿です。カロナローリというイタリア産の、熟成米を使用とのこと。濃厚なのに優しく深く染み入るビスクソースが、米粒にまとわりつくような存在感です。確かに記憶に残る、余韻の長い一皿でした。


〆の濃厚ビスクリゾット
〆の濃厚ビスクリゾット

ふんわりと優しい「ティラミス」とエスプレッソで締めくくり。エスプレッソもとてもおいしかったです。


吉田 能シェフは、コロナ渦中に始めた料理動画「George ジョージ」の名で、You Tube登録者数100万人突破、SNS総フォロワー数約190万人というメガコンテンツを抱えています。フランス料理で培った技術をもとに、ジャンルにとらわれずに家庭でも簡単に再現できる料理から、プロ目線の本格的なものまで、美しくシズル感に満ちた料理の数々を紹介配信しています。「厨房を離れた時が最もリラックスしている」からと、シェフ仲間たちとのコラボ動画、明日の豊かな食卓、次世代に役に立てるようなレシピ作り、未来のためにバトンを繋ぎたい思いで自宅から配信していると語ります。スラリとした容姿、端正な顔立ちで、フランスで働いていたときは侍と呼ばれていたそうです。確かに、切れ長の目、鼻筋、口元は侍の風情ですね、と言うと「こう見えて、二重です、まつ毛も長いんですよ」と。


表参道にオープンしたSPICAは、吉田能シェフ独自の視点で料理の本質を追求する料理動画のメニューが、洗練された一皿として昇華されサーヴィスされるレストランでもあるようです。


SPICA (スピカ)

東京都渋谷区神宮前4-12-10  表参道ヒルズ本館3F

電話03-3408-0800 

営業時間:

(Sun-Thu)11:00 – 22:30 

(Fri-Sat)11:00 – 23:00

定休:表参道ヒルズに準ずる

座席数:130席

URL:https://spica.im-transit.co.jp/

予約:https://www.tablecheck.com/shops/spica/reserve

Instagram:https://www.instagram.com/spica_omotesando

監修シェフ / 吉田 能(よしだ たかし)

東京都内のホテルレストランでキャリアをスタートした後、渡仏。

パリ「ドミニク・ブシェ」で修業し、帰国後「ピエール・ガニェール」に勤務。以降「ドミニク・ブシェ トーキョー」に入り、グループのエグゼクティブシェフとして活躍。趣味で始めた料理動画You Tubeが話題となり、現在SNS総フォロワー数約190万人に。

2022年に8席のみのカウンターフレンチ「CIRPAS」をオープン。

ミシュランガイド東京2024「セレクテッドレストラン」に選出された。