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春の山菜を使ったイタリアン料理レシピ

春の始まりを知らせる食材といえば山菜です。植物の芽吹く新芽や若い葉などを頂く山菜は、この時期ならではの味覚です。日本と同じように縦に伸びている国土を持つイタリアでは、日本と同じように季節ものをいただく食文化が根ざしており、日本と同じ山菜ではありませんが、タンポポの若葉などの野草をサラダに入れたりパスタの具にしたりして、ほろ苦さや柔らかな食感を楽しみます。シンプルな調理で食材の風味を生かすイタリアン料理は、まさにこのような繊細な味を楽しむのにぴったりです。今回は日本の山菜で作れるイタリアン料理を紹介します。


左からうど、野ぜり、蕾菜(つぼみな)、たらの芽、うるいの写真です。
左からうど、野ぜり、蕾菜(つぼみな)、たらの芽、うるい
どれもこの季節ならではの味
3月から4月にかけて市場に出回る

うるいのバーニャカウダソース(2人分)

うるいの写真です。

【うるいについて】

シャキシャキとした食感が特徴でクセがなく、生で食べられます。独特のヌメリがある。


・下処理

洗って汚れを落とし、根元を1センチ程切り落とし、水に10分程放ちます。

<材料 >

うるい ― 1束

〜バーニャカウダソース(作りやすい量)〜

にんにく(みじん切り) — 1かけ

アンチョビ(みじん切り) — 3枚

オリーブオイル — 大さじ1

生クリーム — 1/2カップ

塩・こしょう — 各適量

コーンスターチ — 小さじ1

<作り方>

1 バーニャカウダソースを作る。小さめのフライパンにオリーブオイル、にんにく、アンチョビを入れ、弱火で焦がさない様に炒める。香りが立ったら生クリームを加え、沸騰し、全体がなじんだら塩、こしょうで味をととのえる。同量の水で溶いたコーンスターチを加え、とろみをつける。冷蔵庫で3日ほど保存可です。
2 下処理したうるいを盛る。
3 バーニャカウダソースを器に盛り、付けながらいただく。


お皿に盛られたうるいの写真です。

うどとオレンジのサラダ(2人分)

うどとオレンジのサラダの写真です。

【うどについて】

独特の苦味とシャキシャキした食感があります。根元はサラダやソテーに、穂先はフリットするのがおすすめです。剥いた皮も食べられます。


・下処理

穂先と根元を切り分け、根元は皮をむき、酢水に5分程つける。穂先はそのまま使えます。

<材料 >

うど ― 1本

オレンジ ― 1個

A:オリーブオイル ― 大さじと1/2

A:白ワインビネガーまたはレモン汁 ― 小さじ2

A:塩 ― 少々

A:パセリ のみじん切り ― 大さじ1/2

<作り方>

1 うどは根元と穂先を分け(穂先はフリットに使用)は長さ4~5㎝に切って厚めに皮をむき、薄い短冊切りにして酢水に5分程度さらす。オレンジは包丁で薄皮ごと皮をむき、果肉を取り出す。

2 Aを混ぜ合わせる。

3 1と2を和え、30分程冷蔵庫に入れておく。


うどとオレンジのサラダの写真です。

たらの芽と小海老のフリット(2人分)

たらの芽と小海老のフリットの写真です。

【たらの芽について】

たらの新芽で独特のほろ苦さが山菜の王様と言われるほど人気の食材です。大きめだとえぐみが強くなるので小ぶりなものを選ぶと良いでしょう。


【下処理】

根元の茶色い部分を切り落とし、まわりのガクを取り除き、水に10分程漬けます。

<材料 >

小さめの海老 ― 12尾

たらの芽 ― 4個

うどの新芽 ― 4本

セモリナ粉 ― 適量

揚げ油 ― 適量

塩 ― 少々

レモンのくし切り ― 2切れ

<作り方>

1 海老は塩水で洗い、水気をふく。

2 たらの芽は下処理をする。

3 揚げ油を中温に熱し、たらの芽とうどはさっと水で濡らし(セモリナ粉がくっつきやすいようにするため)セモリナ粉をまぶし、揚げる。

4 1は殻ごとセモリナ粉をまぶし、揚げる。

5 3と4をさらに盛り、塩とレモンを添える。


たらの芽と小海老のフリットの写真です。

蕾菜としらすのパスタ(2人分)

蕾菜としらすのパスタの写真です。

【蕾菜について】

その名前の通り、つぼみのような形をしたアブラナの一種で、からし菜の仲間です。柔らかく菜の花に似た味わいです。


・下処理

下処理なしでそのまま調理できます。

<材料 >

スパゲッティー ― 160g

蕾菜 ― 8個

しらす ― 60g

にんにく ― 1かけ

赤唐辛子 ― 1/2本

エクストラバージン・オリーブオイル ― 大さじ5

塩 ― 適量

<作り方>

1 蕾花は根元はいちょう切りにし、穂先は刻む。にんにくはみじん切りにする。赤唐辛子は種を抜いて輪切りにする。

2 鍋にたっぷりの湯を沸かし、多めの塩を入れ、スパゲッティーを茹でる。

3 フライパンにオリーブオイルとにんにくと赤唐辛子を入れ、弱火にかけ、香りが立ったら蕾菜としらすを加える。塩、少々を加え菜の花の水分を引き出す。

4 全体がしんなりしたらパスタの茹で汁を加え、柔らかくなるまで火を通す。

5 茹で上がった2を3に絡め、塩で味を整え、仕上げにオリーブオイルを回しかける。


蕾菜としらすのパスタのアップの写真です。

塩豚のグリルと野ぜり(2人分)

塩豚のグリルと野ぜりの写真です。

【野ぜりについて】

数少ない日本原産の野菜の一つで、古くから季節野菜として食されてきました。水のきれいな湿地に群生しています。


・下処理

栽培ではなく野生の野ぜりはアクがあるので切ってから10分程水にさらしてください。

<材料 >

*豚ばら肉 ― 300g

塩 ― 小さじ2/3

野せり ― 1束

レモンのくし切り ― 2切れ

オリーブオイル ― 大さじ1

<作り方>

1 塩豚を作る。豚ばら肉は塩小さじ1/2を全体にすり込んでラップで包み、冷蔵庫で2晩置く。

2 野ぜりは3~4センチの長さに切り、水に10分程さらし、水気を切る。

3 塩豚を4等分に切り、中火で熱したフライパンで油をしかず、両面をこんがり焼く。

4 皿に3、2を盛り、レモンを添え、野ぜりにオリーブオイルを回しかけ、一緒にいただく。


塩豚のグリルと野ぜりの写真です。レモンが添えてあります。

いかがでしょうか。

どれもシンプルで簡単なレシピです。山菜イタリアンで春の始まりの味覚を味わってみませんか?

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