パスタの形は500種類はあるといわれ、伝統的な形から、地方固有の形、そして新たに創作されたものまで、その数は年々増えているとも言われています。
今回はイタリア人の遊び心やセンスが表れたユニークな形状のパスタ、舌触りや食感にこだわったブロンズタイプのパスタ、そしてそれに合わせるペストをご紹介します。
ブロンズタイプのパスタとは
ブロンズタイプのパスタとは、パスタを作る際の製法の一つです。
パスタはダイスという小さな穴の開いた型に生地を押し出す事で様々な形になりますが、その型がブロンズで出来ているか、テフロンで出来ているかで仕上がりが大きく違います。
ブロンズ製の型を使用すると、生地を押し出す際に摩擦によって表面にしわが出来ます。パスタの表面にザラつきが生まれ、出来上がったパスタはソースとの絡みがよくなるので、クリーム系やトマト系のソースに合わせるのがおすすめです。この製法は手間がかかるので大量生産には不向きですが、工芸品のような美しいものも多いのも特徴です。
逆にテフロンダイスで作られたパスタは、生地を押し出す滑りが良いので表面がツルツルしています。ツルッといただけるオイル系のソースに合わせるのがおすすめです。大量生産が可能で大手のメーカーがこの製法を取り入れている事が多いです。
ペスト(pesto)とは
トマト、バジル、ナッツ、にんにく、チーズなどをすり潰してオリーブオイルと混ぜ合わせて作るペースト状の調味料の事。これさえあればパスタソース、グリルした野菜やお肉の上にかけるなど幅広く使えますよ。
三日月パスタのドライトマトソース(2人分)
今回はイタリア・グラニャーノ州で作られているメッツァルーナ(三日月)という名前のパスタを使って、ケッパーとアンチョビを加えたドライトマトペストをご紹介します。
パスタ(メッツァルーナ) ― 160g
A:トマトの水煮缶 ― 1缶
A:*ドライトマトペースト ― 大さじ5
A:塩 ― 少々
<作り方>
1 パスタはたっぷりの湯を沸かし、多めの塩を入れ(3ℓに対し塩大さじ1)、袋の表示時間に従って茹でる。
2 小鍋にAを入れ、1/2料理なるまで中火にかける。
3 1の水気を切り、2に入れ、パスタの茹で汁大さじ2を加え、ソースを絡める。
4 3を皿に盛り、バジルの葉をのせる。
ドライトマト ― 10枚
バジル ― 10枚
にんにく ― 1かけ
ケッパー ― 小さじ1
アンチョビ ― 3枚
オリーブオイル ― 150ml
<作り方>
1 全ての材料を滑らかになるまでフードプロセッサーに攪拌する。
冷蔵庫で1ヶ月保存可
「フィレイヤ(Fileja)」のアーモンドソース(2人分)
フィレイヤは、イタリア・カラブリア州の伝統的パスタで、成形に使う木の棒からその名前がつけられたそうです。少し長めの筒状をしていて、細長く伸ばした生地を細い棒に巻きつけて成型する手間のかかるパスタです。
カラブリア州では生パスタでいただく事が多いのですが乾麺の販売もされています。
フィレイヤ ― 160g
*アーモンドペスト ― 大さじ6
オリーブオイル ― 大さじ2
<作り方>
1 パスタはたっぷりの湯を沸かし、多めの塩を入れ(3ℓに対し塩大さじ1)、袋の表示時間に従って茹でる。
2 1の水気を切り、2に入れ、パスタの茹で汁大さじ2を加え、ソースを絡める。
3 3を皿に盛り、オリーブオイルをまわしかける。
アーモンド — 100g
にんにく ― 1かけ
A:オリーブオイル — 150ml
A:塩 — 小さじ1/2
A:パルミジャーノチーズのすりおろし — 大さじ5
<作り方>
1 全ての材料をフードプロセッサーで攪拌する。
冷蔵庫で1ヶ月保存可
クロゼッティーのルッコラペスト
リグーリア州の伝統的なコイン型パスタ、クロゼッティ(Croxetti)。その昔、ガラスの底を平たく伸ばしたパスタに押し付けて作られたと言われており、その後、木型の装飾や刻印されるようになりました。今回はルッコラをたっぷり加えたペストと和えていただきます。
クロゼッティ ― 160g
*ルッコラのペスト ― 大さじ8
オリーブオイル ― 大さじ2
<作り方>
1 パスタはたっぷりの湯を沸かし、多めの塩を入れ(3ℓに対し塩大さじ1)、袋の表示時間に従って茹でる。
2 1の水気を切り、2に入れ、パスタの茹で汁大さじ2を加え、ペストを絡める。
3 3を皿に盛り、オリーブオイルをまわしかける。
ルッコラ ― 1束
くるみ — 50g
にんにく ― 1かけ
A:オリーブオイル — 150ml
A:塩 — 小さじ1/2
A:パルミジャーノチーズのすりおろし — 大さじ5
<作り方>
1 全ての材料をフードプロセッサーで攪拌する。
冷蔵庫で2週間保存可
同じ材料を使っていても製法や形状で味わいがかなり違い、パスタからもイタリア人の食へのこだわりや楽しむ心意気を感じる事が出来ます。
身近なお店で売られていなくても、ネットショップで気軽に購入する事が出来るので是非トライしてみて下さい。
普段のパスタとは違うイタリアを覗き見る事が出来ますよ。