イタリア料理といえばパスタを最初に頭に浮かべる方は多いのではないでしょうか。
日本のパスタ料理はイタリアレストランにあるスタンダードなもの以外にも、熱い鉄板の上に乗ったナポリタンスパゲッティー、あんかけスパゲッティー、海苔がのった和風スパゲッティーなどなど、様々にアレンジされそれぞれが愛されています。
本国イタリアはというとパスタの形状は500種類は超えると言われ、地方ならではの形状があり、合わせるソースは数時間煮込んで手をかけたもの、オリーブオイルとチーズをかけた日本のお茶漬けの様なものもあり調理法は様々です。それらを組み合わせればレシピは無限大となります。
形状の特徴を知ると合わせてソースの種類がわかったりするのも面白いところです。
今回は定番の一般的な乾麺のスパゲッティーから一歩進んで、形状の違うパスタを使ったレシピをいくつかご紹介しようと思います。
食材は冷蔵庫にあるもので代用しても大丈夫。これを機に是非いつもと違うパスタ料理に挑戦してみて下さい。
ラグーのタリアテッレ(2人分)
ラグーと言えば美食の街、ボローニャの名物料理。牛ひき肉の他にもモルタデッラハム、プロシュート 、レバーが入り、仕上げにはバターとパルミジャーノチーズをたっぷりと使います。
今回は日本でも作りやすい食材を使ったアレンジバージョンをご紹介します。
牛ひき肉 – 500g
A:玉ねぎ – 1/2個
A:にんじん – 1/4本
A:セロリ ― 1/2本
A:にんにく – 1個
B:ベーコン ― 2枚
B:ソーセージ ― 1本
B:マッシュルーム ― 6個
オリーブオイル – 大さじ3
トマトの水煮缶 – 2缶
ワイン – 1カップ
塩 ― 小さじ1
黒こしょう ― 少々
ナツメグ(あれば) ― 少々
バター ― 10g
パルミジャーノ(おろす) ― 大さじ4
タリアテッレ ― 160g
ひき肉以外にも旨味のあるベーコン、ソーセージを、ポルチーニ茸の代わりに手に入りやすいマッシュルームを使います。
タリアテッレはイタリア北部の平打ちパスタで、イタリア語で「切る」という意味の「タリアーレ(tagliare)」が名前の由来と言われている。細長いリボン状で幅は8mmほど。コシが強く、もちもちとして食べごたえがあるのでソースがよくからむボロネーゼをはじめ、濃厚なクリーム系やトマト系のソースと相性が良い。
<作り方>
1 AとBはみじん切りにする。
2 鍋にオリーブオイルを温めてAの野菜を炒める。
3 しんなりしたらひき肉を入れて炒め、ひき肉の水分が飛んでパラっとしたらBを加える。
4 赤ワインを入れ、アルコール分が飛んだらトマトの水煮缶を入れ、塩、こしょう、シナモンを加える。量が半分程になるまで煮る。
6 たっぷりのお湯を沸かし、多めの塩を入れ、タリアテッレを茹でる。
7 2人分量のラグーにバターとパルミジャーノの半分を加えて混ぜ、茹で上がったタリアテッレを加えて和える。
8 7を皿に盛り、残りのパルミジャーノをかける。
カチョエペペ(2人分)
カルボナーラやアマトリチャーナの原型と言われるローマの名物料理です。
ローマではトンナレッリというモチっとした食感の断面が四角いロングパスタを使う事が多いですが今回は直径2.2ミリ(通常は1.7~1.8ミリ)の極太麺のスパゲットーニを使ってもちもち感を再現します。
無塩バター ― 40g
ペコリーノ・ロマーノ ― 60g
エクストラバージンオリーブオイル ― 大さじ2
塩 ― 適量
粗挽き黒こしょう ― 少々
スパゲットーニ ― 180g
ペコリーノ・ロマーノはパルミジャーノ・レッシャーノとは似て非なるもので油脂が多くしっとりとしている。ペコリーノを使う事でクリーミーな仕上がりになる。
<作り方>
1 ペコリーノ・ロマーノをすり下ろす。
2 大きめの鍋に湯を沸かし、茹で時間の2分前を目安にスパゲットーニを茹でる。
3 フライパンに茹で汁180ml程とバターを入れ中火にかけ、沸騰したら茹で上がった2を入れる。
4 1を入れフライパンを煽りながら全体を混ぜ合わせる。仕上げにオリーブオイルを加え、全体を混ぜ合わせる。
5 4を皿に盛り、黒こしょうとペコリーノをすり下ろしながらかける。
*澱粉質が溶けたパスタの茹で汁を加えることにより、とろみがついてチーズが凝固するのを防いでくれる。
*ペコリーノ・ロマーノは塩気が強いのでパスタの茹で汁の塩の量を少なめにしておく。
菜の花としらすのコンキリエ(2人分)
ブロッコリーのソースが定番ですが今回は菜の花としらすを合わせた春らしい一皿にアレンジしました。菜の花をシャキッと仕上げるのではなくクタっと煮崩れるまで火を通すとコンキリエに絡んで美味しい。
コンキリエ ― 180g
菜の花 ― 2束
しらす ― 60g
にんにく ― 1かけ
赤唐辛子 ― 1/2本
エクストラバージン・オリーブオイル ― 大さじ5
塩 ― 適量
イタリアでもチーメ・ディ・ラーバという菜の花の一種があり、パスタソースによく使われる。
貝の形をしたショートパスタで様々な大きさがある。大きなものは中に詰め物をして調理する事が多い。小さなものはサラダにするのもおすすめ。
<作り方>
1 菜の花は1センチの長さに切る。にんにくはみじん切りにする。赤唐辛子は種を抜いて輪切りにする。
2 フライパンにオリーブオイルとにんにくと赤唐辛子を入れ、弱火にかけ、香りが立ったら菜の花としらすを加える。塩、少々を加え菜の花の水分を引き出す。
3 全体がしんなりしたら蓋をして20分程蒸らし煮をする。
4 鍋にたっぷりの湯を沸かし、多めの塩を入れ、コンキリエを茹でる。
5 茹で上がった4を3に絡め、塩で味を整え、仕上げにオリーブオイルを回しかける。
いわしとフェンネルのパスタ(2人分)
シチリアが発祥の穴あきパスタのブカティーニを使ったイワシのパスタです。
ブカティーニは直径は2mm~3mmで見た目は太めのスパゲッティのようですが中心が空洞になっているので、味が染みやすく、もちもち感も味わえる、ロングパスタとショートパスタの長所を兼ね備えたパスタです。
ブカティーニ ― 180g
いわし(3枚下ろし) ― 4尾分
玉ねぎ ― 1/4個
トマト ― 1個
松の実 ― 10g
フェンネル ― 2枝
エクストラバージンオリーブオイル ― 大さじ4
塩 ― 適量
いわしの臭み消しにもなるフェンネル。さんまで作っても美味しい。
一見、スパゲットーニ に見えるがよく見ると小さな穴が開いているブカティーニ 。
表面はザラッとしており、ソースがよく絡む。「穴」という意味を持つ「buco」が語源。
<作り方>
1 玉ねぎはみじん切りにする。トマトは粗みじん切りにする。いわしは荒く刻む。
2 鍋にたっぷりの湯を沸かし、多めの塩を入れ、ブカティーニを茹でる。
3 フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎをしんなりするまで炒める。続いていわしと松の実を入れ炒めあわせる。
4 3にトマト、フェンネル、パスタの茹で汁大さじ4を加え、弱めの中火で5分煮て、塩で味を整える。
5 4に茹で上がったパスタを加え、全体を混ぜ合わせる。オリーブオイルを絡め、皿に盛る。
いかがでしょうか。作り方は簡単です。
最近はスーパーでも様々なパスタを見かける事が増えました。いつもと違うパスタを手に取って新しいレシピに挑戦してみませんか。