イタリアにはコテキーノとレンズ豆の一皿があります。日本のおせち料理の様な存在です。
地方色が強いイタリアでも全土で食べられているそうで、イタリア人の友人達は出身地が違えども「子供の頃から年越しには必ず食べた」との事。
コテキーノとは天然のソーセージの皮に厳選したお肉をミンチにかけ、スパイスと混ぜ合わせて作られたもので真空パックに入って売られています。同じ様に豚足に詰められたものをザンポーネ言います。イタリアでは年末が近づくとコテキーノとザンポーネが店先に並ぶのが年末の合図、この時期の風物詩となっています。
なぜお正月に食べられる様になったのかは諸説ありますが、冬の保存食の為に屠殺した豚で作ったソーセージが出来上がるのが、年越しの時期だった事。コインの形に似たレンズ豆は繁栄の象徴だった事。やがてこの二つを同時にいただき年を越す様になったというのが有力な説の様です。
今回は日本では入手が難しいコテキーノとザンポーネの代わりに、豚バラ肉を使ったレンズ豆のイタリア風煮込み料理をご紹介しようと思います。
寒い季節に煮込み料理が恋しくなるのは世界共通。美味しい温かい料理をいただいて身体の中から温めてみませんか?
豚バラ肉とレンズ豆のイタリア煮込み
豚バラ肉 ― 350~400g
レンズ豆 ― 150g
セロリ ― 1/4本
にんじん ― 1/4本
玉ねぎ ― 1個
にんにく ― 1かけ
オリーブオイル ― 大さじ2
A:ローリエ ― 1枚
A:タイム ― 1枝
A:白ワイン ― 100ml
A:コンソメスープの素 ― 1個
A:塩 ― 小さじ2/3〜
A:黒こしょう ― 少々
パセリのみじん切り ― 少々
<作り方>
1 豚肉は半分に切り、オイルをしかずにこんがり焼く。
2 鍋にたっぷりの湯を沸かし、1を弱めの中火で30分茹でる。
3 セロリ、にんじん、玉ねぎ、にんにくをみじん切りにする。
4 煮込み鍋にオリーブオイルを加え、中火で3をしんなりするまで炒める。
5 4に2の豚肉、A、豚肉がかぶる位の水を入れ、強火にかける。
6 沸騰したら中火にし、40分ほど、水の量が半分位になるまで火にかける。
7 6にレンズ豆を加え、蓋をし、弱めの中火にし、豆が水分を吸うまで20分程火にかける。
8 水分がほとんどなくなったら火を止め、味を見て塩を加える。
9 6を皿に盛り、パセリのみじん切りとオリーブオイル(分量外)をまわしかける。
豚バラ肉は焼いてから茹でて脂を落としてあるので、さっぱり、柔らかな仕上がりに。レンズ豆は水で戻さずに使えますし、旨味を吸ったレンズ豆はとびきり美味です。
普段のレパートリーに加えてみてはいかがでしょう。