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ドミンゴ・スキンガロシェフ、日本の若き料理人たちにプーリア州秘伝のラビオリを伝授

イタリア大使館主催の「世界イタリア料理週間 Settimana della Cucina Italiana nel Mondo」期間中はさまざまなイベントが開催されました。11月17日には、日本の若き料理人に向け、東京都代々木にある服部栄養専門学校にて、イタリアプーリア州一つ星リストランテ「DUE CAMINI」の Domingo Schingaro(ドミンゴ・スキンガロ)シェフによるスペシャルデモンストレーションが行われ、プーリアについていろいろ語ってくれました。


11月15日にイタリア大使館で行われたガラディナーのために来日したドミンゴシェフ。ガラディナーの裏側についてはこちらでもレポートしています。


イタリア料理週間のバックステージをレポート!ドミンゴシェフの厨房から生まれる本格イタリアン
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イタリア料理週間のバックステージをレポート!ドミンゴシェフの厨房から生まれる本格イタリアン

Tiziana / 2022.12.01


ドミンゴ・スキンガロ氏は、1980年タリアバーリに生まれ、父がウニの漁師である家庭で育ちました。ロンドン、バンコクなど海外で経験した後、北イタリアで修行を積み、2015年にはピエモンテ州のリストランテで一つ星を獲得。


2016年より地元プーリア州に戻り、リゾート施設「BORGO EGNAZIA」(ボルゴ エグナツィア)内にあるレストラン「DUE CAMINI」(ドゥエ カミーニ)の料理部門統括シェフに就任。2019年にミシュラン一つ星を獲得し、3年連続で星を維持しています。またイタリアで有名な雑誌「エスプレッソ」が出版するレストランガイドにも掲載されています。


プーリア州には黄金の宝物がある

よくブーツの型に喩えられるイタリアですが、そのカカトにあたる都市がプーリア州です。ドミンゴさんは地図を用いて、アドリア海やターラント湾に面し、肥沃な平原が広がる地形を説明してくれました。古くより穀倉地帯として知られ、現在も焦がし小麦「GRANO ARSO(グラーノ アルソ)」の文化が残っています。


トマトの産地としても有名で、84種類のトマトがあり、ドミンゴシェフのレストランでも25種ほどのトマトを使っています。地下水を吸い取り栽培するため皮が厚く、紐を通し吊るして乾燥させます。これはプーリアのトマトだからできること。とても料理に適しており、幅広く使われているとか。


また地中海性気候の恩恵を受け、オリーブの栽培が盛んであるのもプーリアの特徴です。イタリア全土で作られるオリーブオイルの4割にも及び、シェアはナンバー1であることはあまりにも有名な事実です。


これらの食材からもお分かりになるように、ドミンゴシェフが生まれ故郷のバーリを離れ、各地の文化に触れる中で気づいたのは、「プーリアには黄金の宝物」があったということ。イタリア料理に欠かせないオリーブオイルやトマトが豊富にあるのはもちろん、修行中には、他の地域から来たシェフたちから、南イタリアの特産品であるチーマデラーパが賞賛されました。そのときはとても誇らしく、プーリアの素晴らしさを再認識したそうです。


リコッタチーズとほうれん草を使ったラビオリ作りを披露

今回の講習で披露してくれた料理は、ピエモンテ州の郷土料理であるラビオリ。酪農が盛んなプーリア州ならではのフレッシュチーズ「リコッタチーズ」を使い、ほうれん草と合わせたレシピです。


ドミンゴシェフは、塩を多用するのではなく、コラトゥーラ(魚醤)やオリーブオイルを使うことで味を引き立てています。今回は、ほうれん草の鉄分を感じてもらいたいと語っていました。また、ポイントは型を均等にせず、食感を変えていくこと。ほうれん草の味わいとリコッタチーズのミルクを感じられるラビオリです。


今回会場の参加者にラビオリ作りを体験してもらう時間がありました。希望者の若手料理人が作る姿を見守るドミンゴシェフの眼差しの優しさが印象的でした。現在、料理部門統括シェフとしてご活躍中のドミンゴさんですが、料理を学んだ学校の同期110人中、現在シェフをされているのは3人だけ。厳しい世界だということはご自身も実感されているようです。だからこそ、イタリアの食文化を継承していくために後進の育成にも力を入れているのではないでしょうか。


プーリアの豊かな食文化を取り入れた料理は、プーリアのみならずこれから先もずっと残していきたいイタリアの宝であると語ってくれました。



燻製ナスとミニトマトで和えたラビオリ
#私のカルボナーラ #La Mia Carbonara
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「ITALIANITY」編集部 / 2022.11.22


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