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イタリアのコーヒーは単一ではなくブレンドが基本【阿部バリスタのコーヒータイムズ】 | シングルオリジン ピエトレ・プレツィオーゼ

コーヒーの世界では、よく「ブレンド」という言葉を耳にします。コーヒーショップでは「ブレンドください!」と注文しているお客さまが多いですが、これはコーヒーそのものの名前ではなく、豆の製法を指す言葉なのです。

ブレンドとは品種の異なったもの、あるいは複数の生産国の異なった豆が混ざっているものを指します。

その対局に位置するのが「シングルオリジン」。これは1つの生産国ではなく、農園などの生産者や精製方法、品種などをさらに細分化した分け方をしたもので、誰がいつ作ったかがわかる安心なコーヒーなのです。

昨今、世界的にはシングルオリジン製法のコーヒーが流行していますが、イタリアでは伝統的にブレンド製法の豆が主流です。前者は特徴的な味わいを楽しめ、後者はバランスの良い味わいで誰もがイメージしやすいコーヒーとして楽しめるという、それぞれの特徴があります。

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イタリアのエスプレッソはとても濃厚なコクがありまろやかな食感、チョコレートやヘーゼルナッツなどがイメージできる味わいに仕上がっていますが、これはブレンドによるところが大きいです。多くの異なった生産国の豆を混ぜ合わせるので、それだけ複雑な味わいを引き出せるのです。

これは煮込み料理に似ているかもしれません。入れる具材の量によって深みやコクが生まれ、味わい深くなる原理とそっくりですね。

当店、〈ピエトレ・プレツィオーゼ〉ではイタリアで焙煎された9カ国ものブレンド豆を採用してコーヒーを淹れております。ぜひ、味の違いをお試しください。

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初出:この記事は2018年2月5日、公開されました@AGARU ITALIA