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だれかのための1杯を。ナポリのコーヒー文化、カッフェ・ソスペーゾ|阿部バリスタのコーヒータイムズ

ナポリには「カッフェ・ソスペーゾ(Caffe Sospeso)」という言葉があります。直訳すると、「未処理の、未払いの」という意味で、第二次世界大戦中に貧困差の激しいナポリの地域で生まれた習慣です。

富裕層や普通にバールを利用できる余裕があるお客さんが、自分のコーヒー代に加えてもう一杯分の料金も払っていきます。追加で払われた未処理の(ソスペーゾ)コーヒー代は、貧しくて料金を支払えない人たちのコーヒー代にあてられるのです。

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ナポリの老舗バールといえば「ガンブリヌス」がありますが、これらの創業者たちによって作られた「Rete del Caffé Sospeso(カッフェ・ソスペーゾ・ネット)」の影響もあり、昨今の不況な時代を生きるイタリア人にとって、再び他の都市にも広まりつつある習慣のようです。

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【初出:この記事は2017年11月27日、初公開されました@AGARU ITALIA】