イタリアのバールでは、「カプチーノ(Cappuccino)」はメニューにあるけれど、カフェラッテはなかなか見ることがありません。どちらもエスプレッソと牛乳を使って作るドリンクですが、その違いご存じですか?
カプチーノはフォームミルクでふんわりと
カプチーノ(正しくはカップッチーノ)という名前は、カトリック教会の一派であるカプチン会の修道士が身につけていたカップッチョ(Cappuccio)とよばれる帽子に似ていることに由来します。他にもさまざまな説がありますが、イタリアではカプチーノのことをカップッチョと呼ぶこともよくあります。
カプチーノは「エスプレッソ+スチームミルク+フォームミルク」で作られています。エスプレッソマシンのスチームノズルから噴射される水蒸気によって牛乳に空気を抱き込ませ、バリスタの技術によってキメ細かでクリーミーなミルクに仕上げ、それをエスプレッソに注ぎいれたものです。カップの中のフォームミルクは約1cm近くもの厚みがあり、たっぷりと注がれることが多いです。
イタリアのカフェラッテには泡がない
一方、カフェラッテは「エスプレッソ+牛乳」というシンプルなレシピ。ご自宅でマキネッタという直火式エスプレッソメーカーで淹れたモカコーヒー(クレマのないエスプレッソ)に、ミルクパンで温めたホットミルクを加えたものという認識が強いです。もしイタリアのバールでカフェラッテを注文したい場合には、「カプチーノ・センツァ・スキューマ(=泡なしカプチーノ)」とバリスタに伝えれば良いでしょう。
イタリアに限らず世界的に見ると、カプチーノとカフェラッテ(カフェラテ)のどちらにもフォームミルクが含まれており、カフェラテのほうが少なめといった傾向があるようですね。
もちろん、私のバール〈ピエトレ・プレツィオーゼ〉ではイタリアスタイル(泡あり or なし)で提供させていただいております。さあ、皆さんのお好みはどちらでしょうか?
【初出:この記事は2017年10月23日、初公開されました@AGARU ITALIA】