FOOD 20 Apr 2018

イタリア料理の伝統とエレガンスを体感する「ディ ジョルジョ」【愛しの東京イタリアン】 | イタリアン レストラン


日本におけるイタリア料理の草分けであり発信源でもある料理人、ジョルジョ・マテラ氏のレストラン「ディ ジョルジョ(Di Giorgio)」。メディアの取材はほとんど受けないので、一般にその名はあまり知られていないかもしれません。

しかし、イタリア大統領が来日した際の宮中晩餐会の料理を担当したり、イタリア大使館でのパーティや、ラグジュアリーブランドのイベントのディナーなどを数多く手がけている、まさに「知る人ぞ知る」という形容がぴったりの隠れた名店。

「海鮮カッノーロ、スカンピ海老のタルタル、リコッタ、クスクス詰め、ズッキーニ&キャビアのせ」

「海鮮カッノーロ、スカンピ海老のタルタル、リコッタ、クスクス詰め、ズッキーニ&キャビアのせ」。シシリーのスイーツ「カンノーリ」にヒントを得た手長エビの前菜。クスクスとエビの詰め物の上にキャビアとズッキーニ、削ったボッタルガ(イタリア産カラスミ)も。

「ブラータチーズのフリッタ、季節のトリュフ掛け」

「ブラータチーズのフリッタ、季節のトリュフ掛け」。ブラータ(プーリア州の特産品のフレッシュチーズ)を焦がした小麦粉で包んでフライにしたもの。削った黒トリュフをたっぷりかけて。

ジョルジョ・マテラ氏

「私たちの料理で大事なのは、伝統とエレガンスです。伝統とは歴史、ルーツ、自然とのつながりであり、伝統を継承してこそエレガンスも表現できると思います」

歴史や伝統から学ぶことが多いというジョルジョ・マテラ氏。最近は、元祖マルチ・アーティストであるレオナルド・ダ・ヴィンチの本を読んで、ダ・ヴィンチが料理人だった時代に作った料理に大いにインスパイアされたそう。

オーダーメイドの料理店

日本に住んで28年。ファインダイニングからストリートフードまで、さまざまなスタイルのイタリア料理店を経営してきた彼が、2011年に開いたのが「ディ ジョルジョ」。

「フレッシュブラータチーズのトマト、バジル添え」。オリーブオイルをかけて。

「フレッシュブラータチーズのトマト、バジル添え」。オリーブオイルをかけて。

店名に「ディ ジョルジョ・ケータリング&レストラン」とある通り、ケータリングを得意としつつ、ここ麻布十番の隠れ家レストランでは、訪れた人を魅了するファンタスティックな料理を提供しています。

「日本語でケータリングというと、できあがった料理を配達するだけのように思われるかもしれませんが、私たちが行っていることは『出張レストラン』と言ったほうが正しいかもしれません。

たとえば、あるファッションブランドのパーティだとしましょう。そのブランドの伝統と哲学、パーティのテーマ、ゲストのカラー、その季節、その会場の雰囲気に合わせた料理を考えます。それは毎回、オーダーメイドの料理です。キッチンもその会場に設置して、温かい料理は温かいまま、できたての状態で食べていただきます。ですから、毎日毎日、1日限りの新しいレストランをオープンしているようなもので、私にはそれがとても楽しいのです」

「菜の花のオリキエッティ」。プリ―ア州でおなじみのパスタ、オリキエッティを日本の菜の花を使って。

「菜の花のオリキエッティ」。プリ―ア州でおなじみのパスタ、オリキエッティを日本の菜の花を使って。

情熱に火をつけるのは、日本人の沈黙

イタリア・プーリア州出身のマテラ氏。プーリア州は、イタリア最大のオリーブオイルの産地であり、食の宝庫として知られます。海と山にはさまれた土地で収穫される新鮮な魚介類や野菜などの豊富な食材を使ったシンプルな料理。「ディ ジョルジョ」では、プーリア料理を中心にイタリア各地のエッセンスを取り入れて、マテラ氏が考える「伝統とエレガンス」が表現されています。

イタリア各地のお菓子の盛り合わせ

イタリア各地のお菓子の盛り合わせ。ピスタチオのトローネ(シチリア)、カーニバル定番の揚げ菓子キアッケレ(ヴェネツィア)、アーモンド入り焼き菓子カントゥーチ(トスカーナ)など。

日本でイタリアン・レストランをすることの楽しみについて、マテラ氏に聞いてみました。

「イタリア人はおしゃべりだから、自分の意見をいろいろ言います。美味しいと思ったら、どう美味しいと思ったのか、くわしく言葉で語りますし、あるいはもっと塩を入れたほうがいいとか(笑)、褒めるにしても、注文をつけるにしても、はっきりと具体的に伝えます。ところが日本人は、言葉では何も言いません。静かな沈黙があるだけ。

言葉で、美味しかった、と感想を言われたら、私は料理人としてちゃんと仕事をしたと満足して終わりです。でも、何も言われないと、もっと喜んでもらうためにはどうしたらいいだろうとチャレンジ精神がわいてきます。日本のお客様は無言だからこそ、かえっていろいろなことが伝わってきますし、私はもっと考えないといけない。それが面白いのです」

お客様に料理を提供することを、一期一会の真剣勝負、まるでサムライ同士の決闘のように語るマテラ氏の話を聞いて、洗練だけではない野趣の妙味を感じる「ディ ジョルジョ」の料理の秘密が、少しだけわかったような気がしました。ぜひ実際にこの料理を体験して、「雄弁な沈黙」でマテラ氏に対決してみることをおススメします。

ディ ジョルジョのイタリア人女性シェフ、ラファエラ・デ・ヴィータさんとジョルジョ・マテラ氏

ディ ジョルジョのイタリア人女性シェフ、ラファエラ・デ・ヴィータさんとともに。

SHOP DATA
●ディ ジョルジョ・ケータリング&レストラン di giorgio catering & restaurant
●東京都港区麻布十番2-5-1 マニヴィア麻布十番7F
●TEL:03-6447-1122
●営業時間:18:00~23:00(L.O. 22:00) 
●定休日:日曜日
●公式サイト http://www.digiorgio.co.jp/ 

WRITER PROFILE
「ITALIANITY」編集部

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