南北に長く、多種多様なぶどう品種が栽培されるイタリアのワインは、実に個性豊か。一見ワインと合わないのでは?と思う食材にも見事なマリアージュを叶えるのです。凄腕の仲人インポーターが、素敵な結婚をサポートいたします。
梅干しの酸味が引き出す、辛口ワインの魅力
イタリアには、スモモや杏など梅に似ているものはありますが、日本でいう梅そのものはありません。梅干し単体で考えると、酸味が強く、正直ワインと合わせにくいのですが、ここはちょっと視点を切り替えてみましょう。
酸味というのはワインと料理のペアリングにおいて重要な要素。“調味料”として考えると、一転、梅干しさんとワインの距離はぐっと縮まります。実際ヨーロッパでは、料理でよくビネガーを使いますし、それを梅干しに置き換えることで日本人の舌に合った素敵な国際結婚が叶うのです。
例えば、塩の焼き鳥や茹でた豚(もしくは豚のしゃぶしゃぶ)に、ちょこんと乗せた梅干しさん。おすすめのお相手は、アブルッツォ州の土着品種、ペコリーノで造られる辛口の白ワインです。ペコリーノさんは、ローズマリーのようなハーブのニュアンスと、ホワイトペッパーのようなスパイシーさがあり、鶏や豚と相性抜群。梅干しさんのさっぱり感がレモンの代わりとなり、より親密さが増すというわけです。
本日の仲人インポーター
米山直毅
伊勢丹新宿店本館地下1階=旨の膳
〈チャボリック〉アリエス ペコリーノ コッリーネ・ペスカレージ3,888円(白/750ml)
伊勢丹新宿店本館地下1階=グランド カーヴ
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初出:この記事は2018年2月16日、公開されました@AGARU ITALIA