FASHION 21 Jun 2021

ファッションのスペシャリストたちがサステイナビリティについて発信「#BuyBetter」プロジェクト


最新スタイルを低価格で楽しむファストファッションから一転、より吟味しながら選択するスローファッションへの注目が高まっている。そんな中、ファストファッションの全盛期である約20年前から、サステイナビリティを追求してきたイタリアのブランド「スローウェア(Slowear)」の全貌と、サステイナビリティに関する新プロジェクト『#BuyBetter』に注目!

イタリアの注目ブランド「スローウェア」とは?

「スローウェア」は、1951年にヴェネツィアで誕生したパンツブランド、「インコテックス(INCOTEX)」から始まった。パンツ一筋という「インコテックス」のコンセプトは創業時から変わらず、仕立てや生地そしてディテールまで、革新的な技術と職人のこだわりが詰まっている。そのクオリティの高さから、パンツ以外を求める声が高まり、シャツブランドの「グランシャツ(GLANSHIRT)」、アウターウェアブランドの「モンテドーロ(MONTEDORO)」、ニットウェアブランドの「ザノーネ(ZANONE)」、シューズや小物類の「オフィチーナ スローウェア(OFFICINA SLOWEAR)」が次々と発表され、これら複数のブランドで構成されている。

「スローウェア」は、衣服を手にした人が長く愛用できるようにと、上品なスタイルを保ちながら、着心地の良さや耐久性を追求してきた。その人気と品質の高さから、2020年にはメンズを伊藤忠商事が独占輸入販売権を取得し、ウィメンズはアマンと販売契約を締結した。現在はミラノ、ロンドン、パリ、ニューヨーク、東京など、世界の主要首都に30店舗以上を構えるグローバル企業として注目されている。

『#BuyBetter』プロジェクトに見る、サステイナビリティへの取り組み

「エシカル」や「サステイナブル」という言葉を耳にする機会が増えたとはいえ、今では単にオーガニック素材を使っていれば良いという意味ではなくなってきたようだ。その背景には、素材選びだけでなく、商品の生産過程や労働環境なども、消費者にとって重要な選択要素となりつつあるからだろう。「スローウェア」は、2003年から製造へのこだわりはもちろん、消費の仕方についても、独自の哲学がある。それは「スローファッション」が、ただ「ファストファッション」に逆らうための一時的なムーブメントではなく、永続的に私達に求められている「未来に対するより良い選択」である事。その為に「スローウェア」は、質の良い「必要な」服を販売し、長く着てもらうことはもちろん、染色工程では有害な染料を削減した他、動物愛護ポリシーに反しない繊維を取り入れたり、より耐久性のある生地など開発したりしてきた。

#BuyBetterプロジェクトのキービジュアル

2021年には、世界に向けてサステイナブルな活動をさらに発信すべく、新たなプロジェクト『#BuyBetter』を立ち上げた。この数ヶ月に渡るプロジェクトでは、主にSNSを用いたサステイナビリティの啓発キャンペーンを行う予定だ。プロジェクトの名付け親であり、ブランドアドバイザーのヘレン・ノニーニ(Helen Nonini)氏は、「全ての分野において、私たちの生活の質は、私たち自身の選択によって決まるものです。それはつまり自分自身をどのように表現するか、どのような衣類を選ぶのかという選択でもあります」と語る。サステイナビリティに関する彼女のポリシーは、このプロジェクトのスローガン「It’s time to buy less, buy better(今こそ、良質の物を少なく買う時)」にも表れている。商品の背景を知り、納得し賛同すること。そのプロセスはまるで、私達の未来がどう進むかを決める選挙のようだ。

「欲しいもの」vs「必要なもの」

実は、今回発足した『#BuyBetter』プロジェクトの一環として、公式SNSにゲスト出演したサラワカ。ここだけの話、サラワカ自身は10代の頃からファッション業界に足を踏み入れていたこともあり、欲しいと思ったものにお金を費やしてきたし、ファストファッションには大いにお世話になってきた。だからクローゼットを眺めながら、これまで「良い」買い物をしてきたかと聞かれると、数年前に買ってまだ一度も使っていないバッグが頭に浮かぶ。ちょっと耳が痛い。そんなサラワカも、コロナ禍で生活が一変し、これまでの価値観が少しずつ変わっていったようだ。より上質なものを求めるようになったし、エイジレスな衣類を厳選しながら、いつか自分の子供や孫にそれらの服を受け継いでいきたいと思い始めた。そういう意味では、限られた衣類をどう組み合わせるかなど、流行ではなく「自分らしさ」を追求する事が大切なのかもしれない。ヒラメキや想像力を活かせば、私達のサステイナブルなライフスタイルはさらに豊かになるだろう。

お金の使い方自体が「選挙」であり、「自らの意思表示」だと考えれば、ただ物を欲のままに買うだけでなく、自分にとって「長期的に益となる買い方」について考えることの重要性が見えてくる。その意識と選択が、新しいあなたのスタイルを形作る一歩になることは間違いないだろう。そんなわけで、#BuyBetterに一票。

https://www.slowear.com/jp-ja/

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WRITER PROFILE
Wakapedia

ワカペディアは、異文化交流の促進を目的としたトータルサイト。 設立者のサラワカは、日本人の両親の元ミラノで生まれ育ち、ロンドン、パリ、東京、イタリアでは、のちにワカペディアのオフィシャルメンバーとなる個性溢れる5名(GIULIA BISON, FEDERICA FORTE, YURIE N, YOKA MIYANO, CAMILLE BRUNET) と出会った。#CULTURECANBEFUNをモットーに、言語の壁を超え、アートやファッションをはじめとする様々な文化情報を、ユーモアを交えて発信している。 また、活動の一環として、世界的に有名なアーティストや著名人へのインタビューの他、企業のクリエティブコンサルティング、デジタルコンテンツの作成や記事の執筆なども手掛けている。 これまで担当したプロジェクトは、BRUTUS、ELLE JAPAN、L’OFFICIEL MAGAZINE、PLAYBOY ITALIA、POPEYE、TOILETPAPER MAGAZINE、VOGUE JAPAN等。