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アジア最大級の食品・飲料の展示会「FOODEX JAPAN 2023」で見つけた注目のイタリア・フランス食材

「FOODEX JAPAN 2023」イタリアパビリオンの様子

第48回目を迎えた、アジア最大級の国際食品・飲料展「FOODEX JAPAN 2023」が、去る2023年3月7日(火)~10日(金)に東京ビッグサイトにて開催されました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ここ3年間は海外からの来日出展がなかなか叶いませんでしたが、今回4年ぶりに世界60カ国・地域から満を持して2500社(国内916社、海外1584社)が出展。各パビリオンでは最新の食品・飲料が展開され、4日間の来場者数は73,789名を記録し、大盛況となりました。中でも、今回はイタリアパビリオンとフランスパビリオンで見つけた、おすすめの食材をピックアップします!


現在、2050年に世界人口が約100億人に迫ると予想されていることを受け、将来的な食不足やそれに伴うタンパク質不足、畜産の拡大による環境負荷の懸念から、昆虫食が注目を集めています。 中でも日本ではコオロギ食を推進する動きがみられますが、コオロギには寄生虫問題やアレルギー問題、またゲノム編集されるなど、食の安全性の観点から言えば疑問符が付くことが多く、健康被害が懸念されます。実際、現役アイドルがコオロギを食べてアレルギー反応を起こしたとのニュースもありました。漢方医学大事典では、コオロギについて「微毒」「妊婦は禁忌」との記載もみられます。


イタリアでは、コオロギなどの昆虫パウダーを混入した製品の販売や、飲食店での使用に対して、国民からかなり反発が起こりました。これを鑑みて、イタリア政府は3月23日、コオロギなどを含んだ小麦粉を、ピザやパスタといった伝統的なイタリア料理に使用することを禁止する方針を表明しました。今回ご紹介するイタリアの食材は、食の安全性に対して厳しいイタリア人が作るものなので、安心して口にすることができます。それでは、おすすめのイタリア食材をみていきましょう。


【イタリア食材1】「Vallillo(ヴァッリロ)」のエクストラバージンオリーブオイルとパスタ

イタリア半島の「かかと」に位置する、イタリア随一の食の宝庫とも言われる南イタリアのプーリア州にあるのが、エクストラバージンオリーブオイルとデュラム小麦粉パスタの生産を専門とする家族経営の企業Vallillo(ヴァッリロ)」社です。


ヴァッリロ社の主な目標は、環境に優しい、マインドフルな食事の意識を広めること。自然と調和して生産された原材料を使用し、生産の各段階において細心の注意を払っています。伝統とイタリア製はヴァッリロのトレードマーク。オイルとパスタに加えて、透明性、誠実さ、信頼などの価値も消費者の食卓に届けたいと考えているといいます。


ヴァッリロのオリーブオイルは、典型的な品種であるプロヴァンスとペランツァーナのオリーブから抽出されています。苦みとスパイシーさのバランスが良く、心地よい味わいです。一方、パスタは昔からある伝統的なブロンズダイス製法で作られています。これは、パスタメーカーの専門家の手作業によって作られています。モチモチとした食感で、ソースとよく絡みます。


また、インスタントで便利に食べることができる、無農薬のイタリアパスタカップ「Hurry Cup!」を、日本とアメリカ向けに展開するとのこと。「ペストソースのフリッジ」、「ハーブのソースとチーズのマカロニ」、「トマトとバジルのフリッジ」の3種類が登場。どれも伝統的なイタリアソースとイタリアパスタの組み合わせでできており、熱湯を注いで4分で完成します。手軽にイタリアパスタを楽しみたい方におすすめです。


【イタリア食材2】「GUSTI ITALIA(グスティ イタリア)」のオーガニックフルーツ&シードオイル

イタリア南部のプーリア州に位置し、最高品質のエクストラバージンオリーブオイルの生産に焦点を当ててきたG ITALIA(G イタリア)。常にオリーブオイルを非常にフルーティーで香り高くすることに目標を定めた結果、多種多様な最高品質のオイルによって、国内市場と国際市場の両方で成功を収めています。


2005年には、有機エクストラバージンオリーブオイルのラインを導入し、2007年には16種類のオーガニックオイルを誕生させました。その後2016年には、優れた味と非常に高い有益な特性を組み合わせることができる新しい製品の再研究に焦点を合わせ、いくつかのテストの後、オメガオイルの3つのブレンドを発売。2018年には、市場の需要の高まりにより、新しい醤油など、品揃えをさらに充実させることができました。


例えば、G イタリアのメインブランドである「GUSTI ITALIA(グスティ イタリア)」のアボカドオイルはオレイン酸が豊富で、心血管疾患の治療に重要と考えられる物質であるビタミンE、ビタミンA、フィトステロールを高い割合で含んでいます。アボカドの典型的な油性の風味と、心地よい香りが特徴です。一方、亜麻仁油はオメガ3が多く含まれており、痛み、炎症、血中のコレステロールとトリグリセリドのレベルを軽減し、脳と神経の機能を維持するのに役立ちます。心地よいナッツのような後味で、野菜のドレッシングに最適です。また、朝食時のヨーグルトやオレンジジュースに加えるのもおすすめです。


【イタリア食材3】「Acetaia Castelli(アツェタイア・カステッリ)」のバルサミコ

Acetaia Castelli(アチェタイア・カステッリ)」は、イタリアのエミリア=ロマーニャ州レッジョエミリア県にあるリーオ・サリチェートに130年以上続くバルサミコ生産者です。冬は寒さが厳しく、夏は日差しが強く乾燥するリーオ・サリチェートの気候は、最高品質のバルサミコ製造に最適で、この地の厳選された畑でD.O.P.の厳格なルールの下栽培されるぶどうによるアチェタイア・カステッリのバルサミコの品質とフィロソフィーは、代々受け継がれ更に進化し続けています。


アチェタイア・カステッリの製品は、純粋な濃縮ぶどう果汁を元に、着色料、保存料、増粘剤などの食品添加物を一切使用していないため、安心して口にできます。なお、レッジョエミリアとモデナはセッキア川を挟んだ隣の都市であることから、アチェタイア・カステッリ社は両バルサミコ組合に登録、承認されており、両地域のD.O.P.トラディショナルバルサミコ、MODENA I.G.P. バルサミコを製造、販売できる数少ない生産者でもあります。


例えば、日本初登場したオリジナルホワイトバルサミコは、ぶどう果汁の自然な甘みとすっきりとした酸味で、一度使ったら手放せなくなる美味しさです。また、ザクロバルサミコは、女性に嬉しいザクロとバルサミコの最強コラボレーションです。サラダや料理、アイスクリームなどスイーツのアクセントに、また炭酸水で割ってドリンクとして毎日飲むのも◎。アップルバルサミコは、口に入れた瞬間に広がるリンゴの香りと甘味がユニークな、稀少で新しいバルサミコです。日本では、オリーブオイルソムリエ及びテイスターの資格を持つ店主が運営する、オリーブオイル及びイタリア食材直輸入販売店「Oro Verde(オーロ ヴェルデ)」で購入できるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!


【イタリア食材4】「GAGLIO(ガリオ)」のワイン

現在のオーナーであるFlora Mondello氏の曽祖父から続く、シチリア・メッシーナ近郊の歴史ある町ティンダリにて、1910年に創業した歴史あるワイナリー「GAGLIO(ガリオ)」。ワイン畑はティレニア海を望むミネラル質に恵まれた肥沃な土壌と広大な山岳地帯に挟まれた丘陵地帯と平野にあり、海風の影響により昼夜の寒暖差が大きく、土壌、気候とともにワイン作りに適した条件を備えています。


ローマ時代にメッシーナ地区で生まれたノチェーラ種は、暑さが厳しい気候でも酸を失うことが無く、タンニンと糖分も豊富なユニークなぶどうです。ノチェーラ種から造られるワインはアルコール度数が高くなり、強いブーケと濃厚な味わいが生まれています。ガリオの「Don Tindaro Mamertino DOC(ドン ティンダロ マメルティーノ DOC)」は、ネロ ダヴォーラ60%にノチェーラ40%をブレンドして造られており、その濃厚な味わいと香りから数々の受賞歴を誇っています。


マメルティーノDOCは、シチリア・メッシーナ県一帯にある畑において生産者は10ワイナリーのみ。そのうち、ガリオ社は12ヘクタールを所有しており、マメルティーノDOC最大の生産となっています。マメルティーノDOC白は10ワイナリーの作り手の中でも3ワイナリーのみ生産のさらに稀少なワインとなっています。


【イタリア食材5】「Clemi(クレムイ)」のソフトドリンクとソース

クレムイ・メディマイス・カラブリア社は、1996年にカラブリア州のピアナ・ディ・シバリ平野の中心部で設立されたイタリアの企業です。クレムイ社は、ピアナ・ディ・シバリ平野で収穫されたクレメンティーヌみかんを利用した、モダンで健康的な地中海のソフトドリンクを製造しています。このソフトドリンクは果汁20%で、防腐剤や着色料は一切使われていません。そのまま飲んだり、美味しいカクテルを作って楽しむことも可能です。


またクレムイ社は、クレメンタインソースとベルガモットソース、赤唐辛子ソース等も製造しています。例えば、クレメンタインとベルガモットのソースは甘酸っぱい風味になっており、前菜やパスタ、白ごはん、プリモ・ピアット(第一の皿)、お肉やお魚のメインコース、チーズ、デザート、これらのグルメ料理の風味を引き立てるのに理想的です。赤唐辛子のソースは、お肉やフライドポテト、さらにダークチョコレートにもよくマッチします。製品には100%イタリア製の素材が使用されており、イタリアで生産され、全てのソースには着色料は含まれておらず、グルテンフリーになっています。


次に、フランスの食材について見ていきましょう!


ヨーロッパにおける料理で人気を二分するのが、イタリア料理とフランス料理。実は、この2つの料理の歴史を紐解いてみると、密接な関わり合いがあるのです。イタリア料理とフランス料理が大きな接点を持つことになったのが、イタリア・フィレンツェの名門貴族メディチ家の令嬢であるカトリーヌ=ド=メディシスが、フランスのアンリ2世に嫁いだこと。カトリーヌはこのときに、お抱えのイタリア人料理人を伴ってフランスに君臨し、フランス宮廷内の料理を一変させました。それまでのフランス料理は、素材を焼いただけの料理が主流でしたが、イタリア料理の香辛料やソースをたっぷりと使用した料理が人気となり、またイタリアのマナーであるナイフとフォークを使う食事作法が一般的になったそう。メディチ家との婚姻は、フランス料理に多大なる影響をもたらしました。


【フランス食材1】「CHATEAU BLANC(シャトー・ブラン)」のパン・マカロン

「PAUL(ポール)」「Ladurée(ラデュレ)」のオーナーでもあるフランシス・ホールダ―氏が、50年以上前にムーラン・ブルーというブランドを立ち上げたことが前身となる「CHATEAU BLANC(シャトー・ブラン)」。焼き菓子、ペイストリー、ヴィエノワズリー、ケータリングの世界に参入した初のフランスメーカーで、基本的に「高品質のパンを作りたい」といった理念に基づいています。今日のテクノロジーを使い、最も純粋なフランスの伝統的なアーティザナルな(職人的な)製パン技術を伝承しています。


100%メイド・イン・フランスで、製品には100%バターを使用しています。バターを使うことでコストは上がりますが、マーガリンは一切使用しないといいます。日本とのビジネスにおいて、最も成功しているのはマカロンで、日本では「McCafé by Barista(マックカフェ バイ バリスタ)」にてシャトー・ブランのマカロンを取り扱っています。気になる方は、ぜひ試してみてください。


【フランス食材2】「CHOCOLAT MATHEZ(ショコラ・マテズ)」のトリュフ

フランス発グルメカカオトリュフのメーカー「CHOCOLAT MATHEZ(ショコラ・マテズ)」。オーガニック、ビーガン、パームオイルフリー、グルテンフリーなど様々なレシピで、フレーバートリュフ(チリ、ポップコーン、マカロンなど)を幅広く展開しています。


例えば、4つの粒が入ったトリュフショコラは、一口サイズで食べやすくなっています。また、フローパックから500g 缶まで、毎年新しいパッケージを生み出しているのも特徴的。日本では、成城石井やコストコなどでお取り扱いがあります。


【フランス食材3】「APTUNION INDUSTRIE(アプチュニオン・インダストリ)」のフルーツコンフィ

クッキー、チョコレート、ケーキなど、食品業界向けのフルーツピースやフルーツコンフィ(フルーツの砂糖漬け)のリーディングカンパニーである「APTUNION INDUSTRIE(アプチュニオン・インダストリ)」。アプチュニオン・インダストリの製品は、スペシャリストチームが許可するすべての品質要件を満たしており、非常に高スペックで、製品における異物含有率は大変低くなっています。


アプチュニオン・インダストリのフルーツコンフィは、香料を一切入れていないのに香ってきます。シロップで煮ているにも関わらず、フレッシュ感があります。アイスやババロアに混ぜたり、チョコレートでコーティングして食後の小菓子にするのもおすすめ。また、チェリー×シャンパンといった、フルーツとお酒の組み合わせを楽しむのも◎。レストランでは、シロップをソース代わりにしているところもあるそうです。


【フランス食材4】「DISTILLERIE BIELLE(ディスティルリ・ビエル)」のラム酒

サトウキビが主要産物であるグアドループ諸島の島、マリー・ガラント島に拠点を置く「DISTILLERIE BIELLE(ディスティルリ・ビエル)」。島の栽培者は、手作業で刈り取ったフレッシュなサトウキビの茎を蒸留所に提供し、アグリコールラムの生産に必要な「vesou(サトウキビの搾り汁)」を抽出することによって、より職人的なラム作りを目指しているといいます。


圧搾後、果汁を36時間から48時間発酵させて、カラム式蒸留器で蒸留します。ラム酒は、ホワイトラムを59度に下げて直接瓶詰めするか、樽に入れて3年熟成、7年熟成、10年熟成のものを製造。長く樽に入れると、色が濃くなるそうです。暑くなるとラム酒は揮発していきますが、樽に入れることで空気に触れる面積が増えるのを防いでいるとのこと。


ディスティルリ・ビエルのラム酒は、59度と非常に度数が高いですが、度数の高さを感じさせないまろやかな甘みがあり、固定ファンがいるそう。着色料や加糖は一切ない、100%ナチュラルなラム酒となっています。例えば、淡い琥珀色をしたラム酒「アンバーラム」は、樽由来の香りと、カラメルのような甘みのバランスがよいのが特徴的で、アイスクリームにかけたり、レーズンを漬け込むなどして楽しむのもおすすめです。


以上、アジア最大級の食品・飲料の展示会「FOODEX JAPAN 2023」で見つけた、注目のイタリア・フランス食材についてご紹介しました。気になる食材があったら、ぜひチェックしてみてくださいね!