INTERVIEW
MUSIC 19 Sep 2019

日本で始めたDJが天職となったイタリア人、Brian(ブライアン).Jさんインタビュー


SHOP ITALIAは、イタリア現地取材によるプレミアムな情報だけではなく、国内のイタリア関連のイベント取材も多くご紹介しています。イタリア大使館、同商工会議所からファッションブランド、自動車メーカー、フードまでさまざまなイベントに行っているのですが、そこで頻繁に顔を合わせるDJがいます。

彼の名はBrian.J。
イタリア人のDJ、プロデューサーおよびサウンドエンジニアだといいます。東京とイビサに拠点を置く彼は、ラグジュアリーなクラブ、ラウンジ、イベントで定期的にパフォーマンスを行う定評のあるDJ。

イビザに立つブライアン.J

イビザ島から地中海を見下ろすブライアンさん
イタリア出身だといいますが日本語が堪能で、気さくな人柄もあり、会話を弾ませることしばし。なぜイタリア人が日本でDJをやっているのか。彼のバックボーンはなんだろう。会うたびに疑問に思っていたので、思い切ってインタビューを申し込んでみました。もちろん快諾。
東京・広尾にある「IL BUTTERO(イル ブッテロ)」が開業25周年を迎え、そのアニバーサリーパーティでDJを行うというBrian.Jとプレイの前にお会いしました。

イタリア最北の町、アオスタが出身地

SHOP ITALIA イタリアのどこで生まれ育ったのですか?
Brian 北イタリアの国境近くにある小さな町Aosta(アオスタ)で、18歳過ぎまで。
SHOP ITALIA (スマホでアオスタの画像を見ながら)まるで「アルプスの少女ハイジ」の舞台のような場所ですね。そのあと、日本に来たのですか?
Brian まずアメリカ・ロサンゼルスに行きました。音楽に関わり、プロのサウンドエンジニアになることが夢だったので、聖地であるロサンゼルスでエンジニアの技術を学ぶためにイタリアの小さな町を出ることにしました。

学校に入るには英語を流暢に話せなくてはならなかったため、最初の一年間は超集中英語コースに没頭しましたね。

SHOP ITALIA 音楽に夢中になったきっかけは?
Brian 小さいときから音楽に触れていました。父はドラマーで、父の音楽友達がほぼ毎日家にジャムセッションをしに来るような環境で育ったので。

最終的に、14歳の時に父のコレクションからサンプリングをはじめ、自分の音楽を作り始めました。

SHOP ITALIA いいですね。そのあと、どのようにして日本に?
Brian まあ、これをすべて語るには数時間必要かな。(笑)

簡単に言うと、アメリカにいるときに、元同僚と友人からとても面白い誘いを受けたんです。
日本でスタジオ・プロダクションを始めるから、手伝ってほしいと。
2~3年くらいの良い経験になるかなと思い、気づいたら東京に向かう飛行機の中でした。

東京はシンガポールみたいなところだと思っていた

SHOP ITALIA 最初の日本のイメージは?
Brian 当初、東京はシンガポールや香港のように、みんな英語が話せる非常に国際的な都市だと思っていましたね。

ビル・マーレイの「ロスト・イン・トランスレーション」を見たことありますか?
まさに最初の数年間は映画と同じような気持ちでした。
言語を習得するまでは苦悩の連続でしたが、15年近く日本にいるということは結果的にOKだと思います。

SHOP ITALIA すごい!そんなに長いんですね。
Brian そうなんです。何度か迷子になりましたがね。(笑)
一年間タイのジャングルで住んでみたり、数カ月アジア中をバックパッカーとして周ったり、バルセロナにも住んでみたり。
ただ気づくといつも日本に戻ってきていて。それで日本に残ること決めました。

SHOP ITALIA 素敵ですね。それでは、DJを始めたきっかけを教えてください。
Brian もちろん!初めてハウス・テクノDJカルチャーに触れたのは、初めてイビザに旅行に行った際に訪れたDC10というクラブでした。
「Circoloco」という月曜日のアフターパーティーで、そこの雰囲気とエナジーに完全に酔いしれましたね。
「ここはどこ?彼らはだれ?この音楽はなに?」みたいに。

これがDJになりたいと思った瞬間です。

イルブッテロでDJをするブライアン

SHOP ITALIA 現在はコミュニケーションツールとしてソーシャルメディアが定着してますが、DJとして自分自身を宣伝するのにどのくらいソーシャルメディアを活用していますか?
Brian DJをやるときやイベントを主催するときは、直接会って宣伝するほうが好きです。昔ながらの方法ですが。
本当の人とのつながりを作ることは、今もこれからも、私にとって1,000%大事です。

しかし、そうは言ってもそんなに簡単ではありません。自分自身や音楽をより多くのオーディエンスに届けるには、インスタグラムなどのソーシャルメディアが必要です。
現代において、アーティストが音楽ビジネスとのかかわりを保つには、ソーシャルメディアは不可欠なツールですから。

私にとってのソーシャルメディアとは?「使うけど使いすぎない」です。(笑)

SHOP ITALIA ところで、「Sax on the Beat」というイベントが話題になっていると聞きました。こちらについて少し教えてもらえますか?
Brian このイベントは才能満ち溢れたサックス奏者マーカス・ピットマンと一緒にやっています。
ブランドに対するビジョンは、東京の人々をイビザのサンセットパーティーの雰囲気を体験する旅に連れていくことです。

イビザでポーズをするDJブライアン

イビザの夕陽をバックにたたずむDJブライアン

イベントをよりユニークなものにするため、単なるDJ&SAXというコンセプトを思い切って超えてみました。
ワイルドかつ新しいサウンドスケープを試してみたかったので、友人のニイ・テテにトーキングドラムを含むアフリカのパーカッションを並べて、ジャムをしてもらったり。
10AKでのオープニングパーティーは大成功し、多くの方に受け入れられることができてとても嬉しかったです。
もちろん、これからもクールなサプライズや海外からのゲストDJも考えていますので、楽しみにしててください!

SHOP ITALIA 近々、他のプロジェクトの予定は?
Brian 「Wicked Boy」という新しいトラックがまさに出来上がったところです。
ジャマイカのダンスホールのサウンドを融合したテクノハウスです。
色んなミュージシャンと協力したりドラマーを入れたりして、本物のルーツやダブサウンドを実現しました。
このトラックには東京をベースに活動するキングストン出身のレゲエ歌手Calman Scottのボーカルも入ってるんですよ。
リリースできてすごく嬉しいです!

SHOP ITALIA リリースはいつ?
Brian すぐにでも!今はアメリカでマスタリング中です。
そのあと時間をかけてここだと思うレーベルを探して、トラックをリリースします。
いくつか候補はあるのですが、今言えるのはこれだけですね。

SHOP ITALIA 今日はありがとうございました。またイベントで会いましょう。
Brian どういたしまして。チャオ!

アメリカ、日本、スペイン、イタリアと世界を相手に活躍するBrianさん。その魅力は、大胆さと几帳面さを兼ね備えている点にあると感じました。

イルブッテロでDJをするブライアンさん

saxonthebeatのInstagram

DJブライアン、”Sax on the Beat”の情報はInstagramから

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WRITER PROFILE
荻山尚

編集者・著者。ENGINEやCAR MAGAZINEなどの自動車雑誌編集者を経て、LEON副編集長、SENSE編集長を務めるなどファッションへの造詣も深い1972年生まれ。ピッティ・ウォモやミラノのコレクション、国際試乗会などイタリア取材の経験も豊富。ファッション、クルマ、時計など様々なモノを気持ちのいいライフスタイルにいかに落とし込むかを思案する毎日。