CULTURE 02 Mar 2018

仮面から眺める色とりどりのカーニバル


イタリアのカーニバルと言えば、ヴェネツィア、そして奇抜な仮面と仮装などを想像するのではないでしょうか。実はヴェネツィアに限らず、イタリアでは地域ごとにさまざまなスタイルで、このイベントが開催されます。

ヴェネツィアのカーニバルの伝統的なマスク

ヴェネツィアのカーニバルの伝統的なマスク

カーニバルの起源とその宗教的意味

特徴的な仮面にフリッテッレ(カーニバル限定スイーツ)、カルタペスタ(紙粘土で作られた人形)の行列…。
カーニバルが行われる2~3月は、イタリア各地の広場でこの伝統的な祝祭が行われます。その起源は今となっては不明なのですが、ギリシャ時代のディオニュソス祭や、古代ローマの悪魔崇拝など諸説あります。
カーニバルは、公現祭(キリスト誕生を祝う祝日)のすぐ後に始まります。そこでは、ダンスや「再生」を象徴する遊び心溢れるさまざまなイベントが行われますが、まさに「カオス」と呼ぶにふさわしいこれらのイベントが終わると、イースターに向かう「四旬節」(キリストが砂漠で断食して過ごした40日間)が始まるのです。

2017年のヴェネツィアのカーニバルの様子

2017年のヴェネツィアのカーニバルの様子

しかし、地域によっては宗教的暦が違うため、これらの時期が違うことも。ミラノはそのケースに当てはまり、ローマとは4日間もカーニバルの時期が違うのです。
地域毎の特徴は、仮面や馬車のパレードだけでなく、キアッキエレやブジーエ(リボン状の生地がベースとなった、さまざまなバリエーションを持つカーニバル特有のスイーツ)などのスイーツからもわかります。

ヴィアレッジオのカーニバルのフロート

ヴィアレッジオのカーニバルのフロート

多種多様なイタリアンカーニバル

イタリアで最も有名なカーニバルは、間違いなくヴェネツィア、ヴィアレッジョ、プティニャーノのカーニバルでしょう。
アチレアーレ(シチリア)とイヴレア(ピエモンテ州)のカーニバルも、その特別な祝い方で世界的に有名です。
ヴェネツィアのカーニバルは、主催するヴェネツィア市だけでなく、期間中に町中でみられる、まさに芸術と呼ぶべき仮面や衣装などが特徴的。

ヴィアレッジオのカーニバルのフロート

ヴィアレッジオのカーニバルのフロート

色とりどりの衣装を身に着けた人々のパレードは、まるで美しい衣装コンテストのようです。ヴィアレッジョのカーニバルは、有名人をかたどった巨大なカルタペスタによるパレードが有名。

シチリアのアチレアーレでは、無数の花で飾られたフロート(山車)がライトアップされ、夜、町中を練り歩き、壮大な空間を演出します。
ピエモンテ州イヴレアでは、街の暴君から解放された市民の象徴的反乱である「オレンジ戦争」が有名。敵のグループの山車から飛んでくるオレンジから身を守ります。
プーリア州プティニャーノのカーニバルは、今回で624回目とイタリアで最も古く、祭の主役は伝統料理と同名の「ファリネッラ」と呼ばれる仮面です。
このように、イタリアのカーニバルは、この国の新しい「顔」を知ることができる祭日なのです。

Translated by Yasuo Asaki

WRITER PROFILE
ステファニア・ヴィティ Stefania Viti

ヴェネツィアのカ・フォスカリ大学日本文学科を卒業後、来日。約10年間の東京生活では、女性誌の編集や在日イタリア大使館のプレスとしても働く。ミラノへ戻り、新聞記者を経て、現在はイタリアの食材に特化したWebマガジン「ARTE CIBO」の副編集長をつとめる。イタリアで出版された著書に『Il Sushi/寿司』『L’Arte del Sushi/鮨の芸術』『Il Sushi Tradizionale/伝統的な鮨のレシピ』『Il Libro del Ramen/ラーメンの本』がある。2016年、ウンベルト・アニェッリ賞(日本とイタリアの文化の懸け橋を担うジャーナリストへ贈られる賞)を受賞。 Stefania Viti Webサイト http://www.stefaniaviti.com/ ARTE CIBO(アルテチーボ) http://www.artecibo.com/