カルチャーイベントが目白押しの秋、映画界最大のイベント「東京国際映画祭」が10月27日に開幕します!今年はイタリアから期待の映画がコンペティションにエントリーするほか、イタリアが舞台の名作や今年公開された話題作も上映。映画のお祭りでイタリアを満喫しましょう!
イタリア発「もしも系」西部劇「表か裏か?」コンペティションにエントリー
アメリカ西部の英雄譚がヨーロッパ人を魅了していた時代を背景に、自由を求める女性のラブロマンスがガン・アクションの中で描かれる「Heads or Tails 表か裏か?」は、西部劇へのオマージュにあふれた作品。2025年のカンヌ国際映画祭「ある視点部門」に出品され、独特のシュールな魅力で観客の人気を集めました。

「もしもアメリカ開拓時代の英雄がイタリアに来ていたら」という設定の作品で、実在の興行師バッファロー・ビルを演じているのは、米国の人気俳優ジョン・C・ライリー。西部劇でありながら、ナディア・テレスキウィッツ演じる女性が強いのも、いまの時代にふさわしいと言えるでしょう。
イタリア発の西部劇、ぜひ映画祭でチェックしてください。
表か裏か?
◼️10月29日(水)18:20〜 TOHO シネマズ シャンテ スクリーン1
登壇ゲスト(予定):Q&A:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ(監督/脚本)、マッテオ・ゾッピス(監督/脚本)
◼️10月31日(金)18:55〜 TOHO ヒューリックホール東京
登壇ゲスト(予定):Q&A:アレッシオ・リゴ・デ・リーギ(監督/脚本)、マッテオ・ゾッピス(監督/脚本)
◼️11月3日(月・祝)20:20〜 ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1
◼️一般1,800円、学生1,400円
イタリアで上演された舞台劇をアモス・ギタイが自ら映像化
コンペティション部門に出品される「Golem in Pompei ポンペイのゴーラム」は、2025年6月にイタリアのポンペイで開催された演劇祭で披露された、アモス・ギタイ演出による舞台劇「ゴーレム」を記録したドキュメンタリー。中世ヨーロッパを舞台に、カバラ神話に登場する土人形「ゴーレム」にまつわる物語が展開します。

イスラエルの鬼才アモス・ギタイは、パリのポンピドゥー・センター、ニューヨーク近代美術館MoMA、ロンドンのBFIなどで大規模なレトロスペクティブ上映が開催された映像作家。長短編のフィクション、ドキュメンタリー、実験作品、インスタレーション、演劇作品など多様な形式を含む90作品以上を制作しています。
ポンペイのゴーラム
◼️10月28日(火)18:20〜 ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター
◼️11月2日(日)18:00〜 TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12
◼️11月4日(火)20:40〜 TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12
登壇ゲスト(予定):Q&A:アモス・ギタイ(監督)
◼️一般1,800円、学生1,400円
イタリアが舞台の「太陽がいっぱい」が美しい映像で復活!
映画祭の話題の一つが、名匠ルネ・クレマン監督、昨年亡くなったアラン・ドロンの出世作「太陽がいっぱい」の4Kレストア版の上映です。1960年公開、フランス・イタリア合作のこの映画は、イタリアのナポリとアマルフィ海岸近くのイスキア島がロケ地になっています。まぶしい太陽と紺碧の海という絶景のロケーションのもとで起きてしまう悲しい犯罪が、イタリアを代表する作曲家、ニーノ・ロータのメランコリックな音楽と相まって映画は大ヒットしました。
アランドロンは、この映画で一挙にスターとなり、その後、ルキノ・ヴィスコンティの「若者のすべて」や「山猫」に出演し、イタリア映画でも忘れられない印象を残します。
美しい映像で甦る名作「太陽がいっぱい」の上映には、数多くの観客が詰めかけることでしょう。

太陽がいっぱい 4Kレストア版
◼️11月4日(火)10:00〜
◼️TOHOシネマズ シャンテ スクリーン2
登壇ゲスト(予定):トークショー 鈴木美恵子(俳優)
◼️一般1,600円、学生1,300円
今年、日本で上映されたヨーロッパ映画で最大の話題作といえば「Conclave 教皇選挙」。イタリアのバチカンを舞台に、「西部戦線異状なし」のエドワード・ベルガー監督がローマ教皇選挙の舞台裏と内幕に迫ったミステリーです。第95回アカデミー賞で国際長編映画賞ほか4部門を受賞した作品ですが、日本で上映されている最中に本物の教皇選挙が行われ、大きな話題となりました。
今回は、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場での屋外上映という、都心ではなかなか実現しない贅沢な鑑賞の機会。この映画の見どころのひとつは、シンプルかつ華麗なカトリック教会の衣裳ですが、気持ちの良い秋の夜空の下、類い希な映像美を楽しんでみませんか。

教皇選挙
◼️11月2日(日)18:50〜
◼️東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場
◼️無料
アジア初公開の話題作を中心に、世界の映画人が一堂に会し、映画という共通の夢を通じて交流するフェスティバル。映画をきっかけに、もっと深く、もっと楽しくイタリアを体感してみませんか。
東京国際映画祭 公式サイト
◼️おすすめ関連記事
ナポリを旅したくなる!巨匠ソレンティーノ最大のヒット作「パルテノぺ ナポリの宝石」8月22日公開!
イタリアの魂を繊細な描写で映画化「美しい夏」8月1日公開! ①