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映画「グラン・ブルー」の舞台となったタオルミーナでクルーズとディナーを満喫するシチリアの一日

海から見上げる丘の上のタオルミーナ

シチリア島と言えば“青い海”。そんなシチリア島の海の美しさを印象的に映像化した映画「グラン・ブルー」は、シチリア島を世界的な認知度の高い観光地へと導いた映画の一つです。そんなグラン・ブルーの舞台となったのが今回ご紹介する「タオルミーナ」です。劇中では、UNA HOTELS CAPOTAORMINA(ウナホテルズ・カポタオルミーナ)にある海辺のレストランや、タオルミーナの街が登場し、この映画を良く知る人なら、感動するスポットが多く存在します。

タオルミーナは、シチリアの北部メッシーナ県にあり、カターニャの空港から車で一時間の距離にあります

タオルミーナは、シチリアの北部メッシーナ県にあり、カターニャの空港から車で一時間の距離にあります。カターニャ出身の夫の実家に帰省したある日、カターニャに住む義理の兄が「今日はタオルミーナに行こう!」と、私たちを朝早々に連れ出してくれました。「海にも入るから、水着も着てってね」とも言われたのですが、私が想像していたギリシャ劇場のあるタオルミーナのイメージとは結びつかないまま、言われるままにカメラと海水浴の準備をして出発しました。

ジャルディーニ・ナクソスの船着場

辿りついたのは、ジャルディーニ・ナクソスの船着場。なんと、義理の兄がこっそりとクルーズツアーを経営する友人に頼んで、ツアーに私たちが参加できるよう事前に予約していてくれたのです。出航と同時に見えてきたのは、海越しに見える丘の上のタオルミーナ。心地よいそよ風を感じながら、透明度の高い海と海沿いの街並みをゆったりと眺めることができる贅沢なクルージングは最高のサプライズギフトでした。

海越しに見える丘の上のタオルミーナ

グラン・ブルーのシーンが蘇る「青の洞窟」

タオルミーナの絶景の後に見えてきたのは、Grotta Azzurra(青の洞窟)。イタリアの青の洞窟といえばナポリが有名ですが、シチリアのタオルミーナにも青の洞窟があり、この周辺から出航するクルージングの定番のスポットです。そのため、洞窟の入り口には大小様々なボートが停泊して、順番待ちをしながら、中に入っていきます。広い洞窟ではないため、揺れも激しく、ゆっくりと滞在できませんでしたが、まさにグラン・ブルーの海を彷彿させる、劇中で主人公ジャックが浸水した水中の美しい映像が蘇りました。

タオルミーナの絶景の後に見えてきたのは、Grotta Azzurra(青の洞窟)

そして、あのグラン・ブルーの中でジャン・レノ扮するエンゾの魚介スパゲッティーのシーンが撮影された海沿いのレストランCAPOTAORMINAが左手に。クルージングでは、まさに映画「グランブルー」好きにはたまらないポイントばかりが続きます。その後、ボートは停泊し、クルージングの参加者は一斉に海へ! 水着を着て行った理由はここにありました。どこまでも透き通る藍色の海に浮かびながら眺める広がる空は極上の時間でした。

シチリアらしい彩りを感じるメインストリート

クルーズの後に向かったのは、クルージングで海から見上げたタオルミーナの市街地。丘の上のタオルミーナからの眺望は、やはり一番の見どころです。シチリアの碧い海が眼下に広がり、シチリア、カターニャを象徴するエトナ山を望む絶景が待っていました。また、海のクルーズ船などが点々と見え、自分達がクルーズで周った航路を辿りながら、景色を堪能することができたのも良かったです。

タオルミーナの絶景の後に見えてきたのは、Grotta Azzurra(青の洞窟)

グラン・ブルーの映画のシーンにも登場する、タオルミーナのメインストリート「ウンベルト通り」には、シチリア土産で有名なカラフルなマヨルカ焼きの陶器やリモンチェロなどの土産店などが多く並び、石畳の階段にはワインやジェラートを片手に寛ぐ人々のイタリアらしい光景もタオルミーナの街を賑やかに彩ります。

ランブルーの中でジャン・レノ扮するエンゾの魚介スパゲッティーのシーンが撮影された海沿いのレストランCAPOTAORMINAが左手に

ランブルーの中でジャン・レノ扮するエンゾの魚介スパゲッティーのシーンが撮影された海沿いのレストランCAPOTAORMINAが左手に

街灯が点り始める夕暮れ時には、暖色に包まれたゴシック調の街並みをより美しく感じることができました。日中のクルーズでの海からの景色、そしてサンセットの街並みなど、映画「グラン・ブルー」の世界観を思う存分満喫できるのがタオルミーナの魅力です。街並の美しさや丘の上からの絶景、古代ローマを代表するギリシャ劇場など多くの魅力があるタオルミーナですが、映画「グラン・ブルー」を観て足を運ぶことで、よりタオルミーナの街を情景的に心に残すことができます。

ランブルーの中でジャン・レノ扮するエンゾの魚介スパゲッティーのシーンが撮影された海沿いのレストランCAPOTAORMINAが左手に

アグリツーリズモのレストランで味わうシチリア料理

義理の兄のサプライズから始まった一日。実は義理の兄は名の知れた音楽家で、私の夫よりも断然ロマンティスト。「一度帰って、着替えてディナーに行こう」と言って、私たちをエトナ山の麓のレストランに連れてってくれました。そんな、本日、二つ目のサプライズは、アグリツーリズモのレストラン「CASE PERROTTA(カーゼ・ペロッタ)」でのディナー。

主人のカターニャにある実家から、車で20分ほどの場所にあるカーゼ・ペロッタは、人気の少ない場所にあり、宿泊もできる場所です。夜に訪れたこともあって、並木道を抜けると突如姿を現したカーゼ・ペロッタに、昔、国語の教科書で読んだ宮沢賢治の「注文の多いレストラン」に出てくるレストランを思い出しました。

アグリツーリズモのレストラン「CASE PERROTTA(カーゼ・ペロッタ)」でのディナー

カーゼ・ペロッタでは、自農場やシチリア産を中心とした有機栽培の食材を使い、伝統的なシチリアの家庭料理が味わうことができます。また、ワインリストには、オーガニックのエトナワインなどのシチリア産のワインが並びます。夫によるとモテるらしい義理の兄は度々女性を連れてこのレストランに来ているようで、事前におすすめのコース料理を予約していてくれていて、女性心をくすぐるもてなしに感動しました。

レストランの内装は、石レンガと木を用いられ、天井にはランプ型の電球が吊るされているなど、気取らない居心地の良い空間でした。コース料理は地元産のオリーブやハムなどのアンティパスト、パスタなどのプリモ、肉料理のセコンド、さらにはデザートに至るまで、一皿に数点の料理が盛り付けられていて多彩な料理を楽しめます。料理の数々は食べきれないほどの量で、泣く泣く主人と義理の兄に手伝ってもらってお皿を綺麗にせざるを得ないほどでした。

コース料理は地元産のオリーブやハムなどのアンティパスト、パスタなどのプリモ、肉料理のセコンド、さらにはデザートに至るまで、一皿に数点の料理が盛り付けられていて多彩な料理を楽しめます

料理の数々は新鮮な食材を使っていることから、食材の味を生かした味付けで、香りが高く、一つ一つの味と香りが記憶に残る料理ばかりでした。タオルミーナのクルーズから始まり、カーゼ・ペロッタのディナーまで、義理の兄のプロデュースで贅沢な一日を過ごすことができました。

CASE PERROTTA(カーゼ・ペロッタ)

住所:Via Andronico, 2 – 95010 – Sant’Alfio (CT), Sicilia
WEBサイト:http://www.caseperrotta.it/it/

ミラノとシチリアで距離があり、なかなか義理の両親や兄弟にも会う機会が少なく、こういった一日を過ごすことで、一つ一つ思い出ができるのを嬉しく思います。そして、離れた日本で暮らす母が、主人の家族に私が可愛がってもらっていることを知り、喜んでくれる時には、その嬉しさは倍増します。この記事を読んだ後に届く、母からのメッセージが今から楽しみです。

 

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