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4年ぶりに有楽町朝日ホールにカムバック!豪華ゲストを迎えた春の恒例イベント「イタリア映画祭2023」オープニングセレモニーをレポート。

舞台上にはイタリア映画界の重鎮9名が集結

2023年5月2日(火)、第23回目となる「イタリア映画祭2023」が幕を開けました。会場となる有楽町朝日ホールで同映画祭が開催されたのは、なんと4年ぶり!オープニングセレモニーでは、今回公開された作品14本の監督や出演俳優といった錚々たるゲスト9名が集合し、観客たちの拍手に包まれながら舞台挨拶が行われました。



社会や家族から外れたアウトサイダー2人の出会いと小さな旅を描いた『スイングライド』の監督キアラ・ベッロージは「東京に来るのは初めて。私の映画は小さい作品ですが、ぜひ観ていただけるとうれしい」とコメント。


そして、待望の初来日となったのが、今世紀最高の俳優と讃えられる名優トニ・セルヴィッロ。「私たちは日本の文化を尊敬しています。小津安二郎監督や手塚治虫の作品からはたくさんのインスピレーションを得てきました。そのお返しを、今回の作品でできることを願っています」と話してくれました。


トニ・セルヴィッロ
トニ・セルヴィッロ

『蜂の王』、『デルタ』、『キアラ』、『奇妙なこと』の4作品に出演しているルイージ・ロ・カーショは、「17年ぶりの東京にわくわくしています。変わらず素敵な街です」と、久しぶりの来日を楽しんでいる様子でした。


ルイージ・ロ・カーショ
ルイージ・ロ・カーショ

ドキュメンタリーの名匠ジャンフランコ・ロージは、「明日は私の映画が上映予定です。80分ほどの時間をローマ教皇と過ごせるでしょう」と、自作の『旅するローマ教皇』をアピール。作品には、2013年から9年間にもわたる、37回の旅、53か国を訪れたローマ教皇の貴重な姿が収められています。


ジャンフランコ・ロージ
ジャンフランコ・ロージ

そのほか、ロベルト・アンドー(『奇妙なこと』監督)、トンマーゾ・ラーニョ(『ノスタルジア』『乾いたローマ』出演)、カシャ・スムトニャク(『はちどり』監督)、ジュリアン・アンドー(『奇妙なこと』出演)、ドメニコ・プロカッチ(『はちどり』プロデューサー)らが、来日できたことの喜びや、映画祭が開催できたことへの感謝、日伊交流の発展への期待といった思いを語ってくれました。



舞台挨拶終了後は、イタリア映画界の巨匠タヴィアーニ兄弟の弟パオロが監督した『遺灰は語る』がオープニング作品として上映されました。5年前に兄ヴィットリオが亡くなって以降、現在91歳のパオロが初めて単独で撮った作品で、本作は亡き兄に捧げられています。
上映後はオンライン上でパオロとのQ&Aが予定されていましたが、残念ながら彼の体調不良により中止となってしまいました。



『遺灰は語る』、『蜂の王』(仮題)、『旅するローマ教皇』は日本での配給が決定!

今回の「イタリア映画祭2023」では、5月2日(火)〜5月7日(日)までの6日間にわたって、バラエティ豊かな最新のイタリア映画14本が一挙に上映されました。
ノーベル文学賞受賞作家ピランデッロの遺灰が故郷シチリアに帰るまでのトラブル続きの旅を描いた『遺灰は語る』、1960年代末の男性同士の愛の物語『蜂の王』(仮題)、ローマ教皇の真の姿に迫った傑作ドキュメンタリー『旅するローマ教皇』の3作品は、すでに日本での配給が決定しています。
一度観ればクセになる!?イタリア映画の魅力に触れる機会に、あなたもぜひ映画館を訪れてみてくださいね。