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ワインに合うつまみ話 Vol.11|イタリア人が好きな日本のアニメ【懐かしのアニメ編】

Katsuya Takahashi

2025.12.22


おいしくワインを飲みながら楽しめるお話をご紹介する「ワインに合うつまみ話」。
第11回目のメニューは、みんな大好きアニメのお話。
今回から3回にわたり、イタリア人が好きなアニメの話題を年代別にご紹介します。


日本のアニメが人気の理由って? 


先日、知り合いの外国人(フランス人)と話をしていた時のこと。
「マジンガーZって知っている?」と、突然の質問が。
たぶん、日本人の男女問わず40代以上の方は、ほとんどの人が名前は聞いたことがあるはず。
逆に「なんで、マジンガーZを知っているの?」と尋ねたところ、子供のころ、テレビで見ていて大好きだったとのこと。
いまでは、日本を代表するコンテンツとして不動に地位を確立している日本のアニメーションですが、いろいろ調べてみるとかなり昔から、海外で人気の高い作品がったようです。
しかも、イタリアでも前での「マジンガーZ」の他に「アルプスの少女ハイジ」も大人気作だったようです。


その理由として考えられるのが、当時(1970年代)イタリアでは現地で製作しているアニメがほとんどなく、輸入作品が子どもたちをはじめ、その親世代の心を鷲掴みにしたようです。
また、イタリアには根強い吹き替え文化あるようで、映画やドラマ、そしてアニメのイタリア吹き替え版が数多く放送されています。


漫画家・永井豪先生の代表作でもあるマジンガーZ(左)、グレンダイザー(中央)、グレートマジンガー(右)。【2017年に開催された永井豪先生の画業50周年を記念したイベント「DYNAMIC 豪!50!GO! -GO NAGAI 50th ANNIVERSARY-」の様子】
漫画家・永井豪先生の代表作でもあるマジンガーZ(左)、グレンダイザー(中央)、グレートマジンガー(右)。【2017年に開催された永井豪先生の画業50周年を記念したイベント「DYNAMIC 豪!50!GO! -GO NAGAI 50th ANNIVERSARY-」の様子】

人気作品は万国共通


「マジンガーZ」をはじめ、「デビルマン」や「キューティーハニー」など、いまも愛され続けている名作を生み出している日本でも有名な漫画家・永井豪先生。その数々の作品の中が、イタリアで大人気なのが「UFOロボ グレンダイザー」と「鋼鉄ジーグ」という2つの作品。

特に「UFOロボ グレンダイザー」は、1978年の放送以来、空前の大ヒット作となっただけではなく、主題歌も大ヒット!
イタリアでは「ゴールドレイク(Goldrake)」というタイトルで放送されたこの作品は、ロボットアニメ界に欠かせないものとなりました。


「グレンダイザー」は、UFOと合体したり、主人公リュークフリードが宇宙人だったりと、斬新なストーリーが日本でも人気だった作品。
「グレンダイザー」は、UFOと合体したり、主人公の宇門大介(デュークフリード)が宇宙人だったりという
斬新なストーリーが日本でも人気だった作品。

また、1979年にイタリアで放送(日本は1975年放送)された「鋼鉄ジーグ」も、数多くの熱狂的ファンを持つ人気作品。
その影響もあって、ガブリエレ・マイネッティ監督が初長編作として実写映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』を製作し、2017年に公開。鋼鉄ジーグをモチーフにしたダークヒーローが登場するこの作品は、内容もさることながら、ガブリエル監督の「鋼鉄ジーグ」に対する愛情が感じられる作品としてマニアの間で人気に。さらに、数々の映画賞を獲得するなど、大きな話題を呼びました。


サイボーグの主人公・司馬宙が変形して頭部になり、磁石の力で合体する巨大ロボット「ジーグ」になるという設定にも、当時の子どもたちは驚愕。
サイボーグの主人公・司馬宙が変形して頭部になり、磁石の力で合体する巨大ロボット「ジーグ」になるという設定にも、当時の子どもたちは驚愕。

ガブリエレ・マイネッティ監督の初長編作品『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』本予告。


また、ガブリエル・マイネッティ監督の存在が広く知られるきっかけになった2006年の短編作品『バゼッテ(原題)/ Basette』では、主人公が「ルパン三世」になった姿を夢想するシーンが登場。そのシーンに登場するルパン三世、次元大介、石川五ェ門、銭形警部、峰不二子の再現性の高さがネット界隈で大注目。日本でも、オモシロ映像として評判を呼んでいました。


ガブリエル・マイネッティ監督の存在が広く知られるきっかけになった短編作品『バゼッテ(原題)/ Basette』。


インターネットなどがなかった1970年代から、日本のアニメがイタリアで人気だったことはあまり知られていないこと。
しかし、作品の可能性を見出して、当時イタリアに輸入した人がいたからこそ、いまのようにさまざまな作品が見られているのだと感じてなりません。
それにしても、日本のアニメのパワーと、永井豪先生の作品力には脱帽です。