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イタリアで父の日に必ず食べるお菓子のお話

イタリアの父の日とは?

今年も父の日がやってきます。イタリアにも父の日はありますが、日本と違う風習があるようです。イタリアでの父の日は日本と違い、毎年3月19日と決まっています。


何故かというと、イタリアでは毎日キリスト教の聖人をお祝いする習慣があり、3月19日はサン・ジュゼッペ(S.Giuseppe)の祝日です。サン・ジュゼッペは聖母マリアの夫であり、キリストの養父。
聖書には、聖母マリアは大天使ガブリエルから、キリストの受胎を告げられ、キリストを産んだと記されていますので、サン・ジュゼッペはキリストの養父であり、キリストを育てたことで聖人に列せられています。
以上のような理由から、サン・ジュゼッペの祝日は父の日とされ、父親に感謝する日になっています。


キリストの降臨劇(プレゼピオ)に登場する左側の男性がキリストの父ジュゼッペ(ヨセフ)
キリストの降臨劇(プレゼピオ)に登場する左側の男性がキリストの父ジュゼッペ(ヨセフ)

イタリアで父の日に食べるお菓子

イタリアの父の日には Zeppole di San Giuseppe(ゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ)というお菓子を食べます。
何故、父の日にゼッポレを食べるのかというと、一説によると大工だったサン・ジュゼッペは、副業で「揚げ物屋」を営んでいたことから、揚げたお菓子をサン・ジュゼッペの祝日に食べるようになったとも言われています。
ゼッポレの発祥地は南イタリアで、プーリア、カラブリア、カンパーニャ、シチリア等10の州、それぞれの州において特徴があります。
一般的にはナポリ発祥のシュー生地を油で揚げたものの上にカスタードクリームをのせ、その上に、シロップ漬けのチェリーを乗せたものが有名です。


イタリアの父の日、サンジュゼッペの日に食べる揚げシュー「ゼッポレ」

ゼッポレ・サン・ジュゼッペの他に北イタリアでよく食べられる揚げドーナツのようなシンプルな「フリテッレ・サン・ジュゼッペ」や中部イタリアで食べられるシュークリームのような「ビエネ・ディ・サン・ジュゼッペ」などがあります。
日本のお正月にお雑煮のように、それぞれの地域や州によって特徴あるお菓子を食べるのとても興味深いものです。


イタリアの父の日はあま~くて、愛とカロリーがたっぷりの一日です。

Auguri! Papa!!!


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