時空を超えて人々を魅了するヴィンテージカーが集結
自動車先進国である日本。生産台数は中国、アメリカに続く世界第3位で、国の基幹産業となっている。一方で、自動車の文化という側面に目を向けると、より長い歴史をもつ欧米の自動車エンターテイメントの充実ぶりや層の厚さに感心させられる。ヴィンテージカーの楽しみ方もそのひとつ。彼の地では往年の名車のデザインや芸術性に触れ、時にそれを走らせて楽しむライフスタイルが定着しているのだ。
欧米では、歴史的に価値のあるヴィンテージカーの芸術性および華麗さを競うコンクール・デレガンスが古くから行われてきた。米カリフォルニアで毎年開催されるペブルビーチ・コンクール・デレガンスや、イタリア北部のコモ湖で行われるコンクール・デレガンス・ヴィラ・デステが世界的に有名。
国際格式のコンクール・デレガンスを日本から
こうした世界有数のコンクール・デレガンスを目指し、日本でもそうした文化を広めようという掛け声のもと、アートアクアリウムアーティストで京都国際観光大使も務める木村英智氏の総合プロデュースで開催されたのが、ここで紹介する「コンコルソ・デレガンツァ京都」。目指すはアジア初となる世界レベルのコンクール・デレガンスだ。2016年の初回に続き、3月30日から4月2日にかけて京都・二条城で開催された第2回目は、そのスケールの大きさや世界から集まったヴィンテージカーの顔ぶれには目をみはるものがあった。
二条城は400年の歴史を持ち、世界遺産にも選ばれた場所。風格漂う建造物を背景に、世界に名をとどろかせるヴィンテージカーが一堂に集う。イタリアの貴族が最初に所有したという戦前のアルファロメオや、アメリカの女優エリザベス・テイラーがファーストオーナーだったというマセラティ、イタリアの文化財に指定されているアルファロメオなど、立派なヒストリーを持つクルマが並んだ。
京都―東京を世界の傑作が巡る
集まったのは総勢27台。今回はイタリアの「カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ」がテーマとあり、オーナーはイタリアを中心に海外からクルマを日本に持ち込み、それを展示。さらにそれらの車両で京都から東京まで、6日間かけてツーリングするというスペシャル企画も組まれた。
歴史的・文化的価値のある名車が隊列をなして日本の公道を走る。その様子を見ると、日本にもヴィンテージカーを積極的に楽しむライフスタイルが発展しそうな予感を感じた。
続編ではコンクール・デレガンスの受賞車両にクローズアップしたい。