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海と山で頭がいっぱい! イタリアのバカンス事情|イタリア便り

イタリア人はバカンスのために生きている。そう言っても過言ではないほど、イタリアの人々はバカンスを心待ちにし、バカンスのために一生懸命仕事に励みます。

イタリアのバカンス事情

イタリアには「バカンス」と呼ばれる長期休暇をとる習慣があります。夏季は7月、8月に始まり、2週間〜約1ヵ月間、冬季はクリスマス前から年明けにかけて2〜3週間ほどの休暇をとります。海や山でゆっくり過ごしたり旅行へ出かけたり、思い思いの休日を過ごすのです。

大人気は、海と山!

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自然が大好きなイタリア人に人気の行き先は海と山。家族や友人などと一緒にバカンスの計画を立てることが多く、イタリア国内では、北はリグーリアの海岸沿い、南ではシチリア島やサルデーニャ島、カプリ島などお気に入りのビーチで過ごすのが人気です。

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また山の場合は、ドロミテやアルプスなど山岳地の高原リゾートで、夏は避暑地として、冬はウインタースポーツや併設されたスパでゆっくり過ごします。海外旅行ではスペインやフランスのビーチリゾート、アフリカのサファリリゾートなど行き先はさまざま。

毎年バカンスを同じ場所で過ごすことも多いので、バカンス用の別荘を所有していたり、ヴィラを借りたりする人も多く、イタリア人にとってのバカンスの重要性を感じることができます。

何もしないでのんびり、ひなたぼっこ

バカンス中に何をするのかというと、アウトドアスポーツやショッピングに出かけることもありますが、基本的にはのんびりと「何もしないでゆっくりする」のがイタリア流。

ビーチで日光浴や読書、カードゲームをするなど、時間を気にすることなくゆっくりと過ごします。冬でも山岳地にあるホテルやレストランには日光浴ができるようにパラソル、椅子などが設置されている場所もたくさんあります。

もちろんバカンス後にはすっかり日焼けしているのですが、「良い色に日焼けしたね」は最高の誉め言葉。イタリアでは老若男女問わず、こんがりバカンス焼けした肌は魅力的に映るようです。

バカンスの意味は「空にする」

イタリア語でバカンスはヴァカンツァ(Vacanza)といい、語源はラテン語の「空になる」からきています。労働者は長期休暇をとることが認められており、雇用主にも休暇を与えることが義務付けられているので、休みの期間はその名の通り「頭の中を空にしてひたすら休む」のだそう。

わが家のバカンスの思い出

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イタリアでの初めてのバカンスは、家族とサルデーニャ島で過ごしました。青空の下、海の底がはっきりと見える透明な海で海水浴をしたり、カヌーでエメラルド色に光る洞窟の中を探検したりと、子どもに戻ったような気分に!

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食事はサルデーニャ島の名物のボッタールガ(からすみ)を使ったパスタや新鮮な海の幸に合わせてご当地ワインをいただきます。毎朝起きてから、今日の予定を決めるといった具合にのんびりとしたバカンスとなりました。

長期バカンスでしっかり休みを取った後はこんがり日焼けし、心身共にエネルギーチャージされて元気一杯なイタリアの人々。彼らの太陽のような明るさと元気の秘訣は、徹底的な休み方と休日の楽しみ方にあるのかもしれません。

次回のお休みは、頭の中を空にして、何もしないで過ごす休日を計画してみるのはいかがでしょうか?

◆記事提供:三越伊勢丹旅行
三越伊勢丹旅行社がお届けする旅の情報誌『mi viaje』2018年3月号より一部加筆修正し転載。
『mi viaje』は三越伊勢丹トラベルサロンにて配布中です。

【初出:この記事は2018年3月20日、初公開されました@AGARU ITALIA】