TRAVEL 09 Jul 2020

イタリアの今:ビーチ編


ロックダウンの規制が5月4日から段階的に緩和された街の様子は「イタリアの今:ボローニャ編」でご紹介しましたが、今回は夏ということで、エミリア=ロマーニャ州のビーチの様子が時間の経過と共にどのように変化してきているのかをご紹介していきたいと思います。

州内移動のみ許可されていた段階でのビーチの様子

私たちがロックダウン後初めて海へ向かったのは5月23日。例年、イタリアでは復活祭(伊:パスクア、英:イースター)が終わり暖かくなると、人々はこぞって都市部からビーチへ向かいます。そのため、5月末の晴れた週末であれば、ボローニャから海へ向かう高速道路は渋滞しているのが当たり前。しかし、今回は渋滞もなく1時間少しで目的地であるラヴェンナの海へ到着しました。

イタリアのビーチの様子

このビーチは普段なら松林に近い方まで人がいるのですが、まだ州内の移動だけしか許可されていないという状況もあってか、このように人出も少なかったです。

イタリアのビーチの様子

海の家もオープンしてはいるものの、パラソルの数も少なく、利用客もほとんどいませんでした。午後になっても人は極端に増えることはなく、夕食を食べるためにレストランへ向かった時の街中の様子がこちらです。

ビーチの周りの街の様子

心地よい気候なのに、ベンチにも人が腰掛けていないというのはこれまでに見たことがない風景です。

シーフードの人気店

向かったのは持ち帰りもできるシーフードの人気店ですが、人々はマスクをつけ、周りとの距離を取りながら順番を待っています。

レストラン店内の様子

私たちは、店舗内で食事を取ることにしたのですが、「入店時には必ずマスクを着用してください」とウェイターから指示があり、店の中のテーブル間の距離は1mどころではない、もっと広い間隔で配置され、開放的な雰囲気でした。

対策について書かれたポップ

テーブルの上やトイレの前などいたる所に消毒液が設置されており、各テーブルには「①熱が37.5度以上ある場合や、インフルエンザのような症状がある人、また14日以内にコロナウイルス陽性者と接触した人の入店を禁止します」といったコロナウイルス対策のために守るべき項目が書かれたポップが置かれていました。

日が暮れつつある景色

州外やヨーロッパ諸国から観光客が訪れていないこの週末は、混雑がなくとても過ごしやすい1日でした。

州をまたいでの移動が可能になってからのビーチの様子

イスラエルのビーチの様子

6月19日にはボローニャから1時間半程度のところにあるカットーリカの海へ行きました。前回のラヴェンナよりは人出は多いものの、平日ということもあってか砂浜にはまだ余裕がありました。例年6月には一足早い夏休みをとったドイツや北欧からの旅行者の話し声がよく聞こえてきていたものですが、今年は耳に届くのはイタリア語ばかり。
6月3日からヨーロッパ圏内の旅行は可能になったとはいえ、まだ旅行者は戻っていないようです。

メインストリートの様子

夕食前に通ったメインストリートも人出はまばらで、レストランも私たちが到着した20時ごろには混んでいませんでした。この店も各テーブル間の間隔は大きくとられており、ウェイター&ウェイトレスもしっかりとマスクを着用していました。

シーフード料理の様子

海辺に来るとほぼ毎回シーフードを食べるのですが、今回の夕食は数ヶ月ぶりに親友家族と一緒に食べる喜びもプラスされ格別でした。中でもカレー味のニョッキは今までに食べたことがなく、海老のエキスで満たされていて非常に美味しかったので早速家でも再現したほどです。

そんな楽しい夕食の後、時間は22時ごろだったでしょうか、レストランからホテルへ戻る際に通ったメイン通りには「わっ、すごい人!」と息子の口から思わず声が飛び出すほど多くの人でごった返していました。

外で食事を楽しむ人々

私もロックダウン後、ボローニャの旧市街を歩いたりはしていましたが、こんなに沢山の人が集まっているのを見るのは久々だったので「うわっ」と驚いてしまいました。ただ、よく見ると、各テーブル間はきちんとスペースがとられており、経営者はきちんと法令を守っているようでした。浜辺には旅行者が見受けられなかったので、集まっているのは恐らく地元や近隣から来る人々だと思われますが、皆、友達と一緒にワインやビール片手に久々に語り合う時間を満喫しているようでした。

イタリアのビーチ

翌日はカットーリカよりも少し北にあるリッチョーネのビーチへ行きました。こちらはカットーリカよりも自由に入ることのできるパブリック・ビーチが多く、土曜日ということもあり多くの人々で賑わっていました。

ビーチハウスのレストランの様子

ランチは海辺のビーチハウスのレストランでいただきました。ロマーニャの海辺で毎年必ず食べたくなるのがこの二品です。一つ目はTagliolini allo scoglio(タリオリーニ・アッロ・スコーリオ)。タリアテッレ(きしめんのような卵麺)をご存知の方も多いと思いますが、タリオリーニはそのパスタの細いバージョンです。このパスタに魚介ソース(店によって白や赤の場合があります)を絡めていただきます。魚の出汁がしっかり溢れていてたまりません。そして、もう一つがFritto misto(フリット・ミスト)という魚や野菜を揚げたもの。料理が運ばれてきた段階で「これで一人前ですか?」と聞いてしまうほど、たっぷりの量が出てくるのがロマーニャ流です。ロマーニャでは、海が体を癒してくれ、食べ物が心を満たしてくれます。カラッと揚がったフリットの美味しさはなかなか自宅では再現できないので、海辺で是非味わって欲しい一品です。

透き通るビーチの様子

ロックダウンの影響で、サルデーニャ島にはイルカが戻り、ヴェネツィアには魚がこれまでにないほど戻ってきたというイタリア周辺の海ですが、ここリッチョーネの海もまだまだ透明で美しかったです。
イタリア政府は、コロナウイルスの影響で冷え切っているイタリア国内の観光業と中・低所得者層を支援する目的で「Bonus Vacanze(ボーナス・ヴァカンツェ)」という施策を打ち出しています。これは今年の7月1日から12月31日までにイタリアの国内旅行で利用可能な支援金で、家族の構成人数に応じて最高500ユーロまで受け取ることが可能です。これまでのバカンスではスペインやフランスなどへ行く人も結構いましたが(注1)今年はコロナを契機にイタリアの素晴らしさを再発見する旅に出るイタリア人が多い1年となりそうです。

参考: (注1) Istat statistiche report
https://www.istat.it/it/files//2019/02/Viaggi-e-vacanze-Anno-2018_rev.pdf

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WRITER PROFILE
須飼真理

ボローニャ在住。異文化交流プロジェクトディレクター。イタリア政府認定オリーブオイル鑑定士&旅行添乗員。日米の大学を卒業後、大手外資系企業にて経営コンサルタントとして勤務。その後、渡伊。語学習得後、展示会通訳、ハイファッション・食品業界翻訳から、幼児教育(レッジョ・エミリア・アプローチ)現場視察、鰻祭り、大学研究のコーディネートまで、多分野にわたる日伊プロジェクトの架け橋として活動中。男の子2人のマンマ。 HTTP://FELICITALIA.NET