イタリア全土に点在する、世界的な名作や古代ローマの遺物を所蔵する美術館・博物館の数々数多く。本記事では、ミラノ・トリノ・ナポリなど主要都市から、特に旅行者に人気の15館を厳選。
ミラノの美術館
12. アンブロジアーナ図書館&絵画館|レオナルド「アトランティコ手稿」など貴重資料

ミラノの街の守護聖人アンブロシウスの名を冠した図書館と絵画館は、17世紀に枢機卿であったフェデリーコ・ボッロメーオによって創設されました。文学や化学、宗教に関する貴重な書籍を100万本近く有する図書館には、ラファエロやピサネッロのスケッチも残されています。
図書館内にある絵画館(ピナコテカ)は小規模ながら、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた男性の肖像画、リラ紙幣のデザインにもなったカラヴァッジョの《果物籠》が収められています。
かつてレオナルド・ダ・ヴィンチが滞在したミラノ公国が、政治だけではなく文化的にも充実していた証として、アンブロジアーナ図書館と絵画館は燦然とした輝きを放っています。
13. ブレラ美術館|北イタリアの巨匠たちの作品が集まる定番スポット

ローマにはバチカン美術館、フィレンツェにはウフィツィ美術館、それらに比肩できるミラノの美術館が、ブレラ美術館となります。
アンドレア・マンテーニャやカラヴァッジョなど、北イタリア出身の芸術家や、ヴェネトやロンバルディア地方で活躍したアーティストの作品が数多く収蔵されています。
ブレラ美術館は、オーストリア・ハプスブルク家の支配下にあった1776年、その母体となるコレクションが公開されていました。正式に美術館となったのは19世紀に入ってからです。イタリア半島を侵略したナポレオンが各地から傑作を集めてブレラに収蔵したという伝説もあり、北イタリアのみならずイタリア各地にあった傑作を、ブレラ美術館で見ることができるのです。
ミラノでも閑静な地区に位置するブレラ美術館、鑑賞後のショッピングも楽しみのひとつです。
その他の都市
14. エジプト博物館(トリノ)|カイロに次ぐ規模のエジプト美術コレクション

なぜ北イタリアのトリノにエジプト博物館が? と思われる方も多いと思います。実はトリノのエジプト博物館は、エジプトのカイロにある考古学博物館に次ぐ規模を誇り、まさに知る人ぞ知るエジプト学の中心となっているのです。
エジプト博物館は当初、エジプトの遺物のみならずローマなどの文明の発掘品も収集し、科学アカデミーとして発足した経緯があります。
やがて、大小さまざまなエジプトに関するコレクションを購入しはじめ、1832年の開館時にはすでにかなりの量のエジプトに関する発掘品が揃っていたといいます。
その後もコレクションの数は増え続け、スフィンクス像やパピルス、エジプト王や神々の彫刻など、見ごたえのある博物館として発展してきました。
イタリア人の他国の文明への敬意と憧憬が伺えるこのエジプト博物館、トリノの象徴のひとつにもなっています。
15. ナポリ国立考古学博物館|ポンペイのフレスコ画・モザイクが圧巻

南イタリアで最も高名な博物館といえば、ナポリにある国立考古学博物館です。
世界遺産にも登録されているポンペイから発掘された遺物の大半は、この博物館に収蔵されています。
その中でも目玉は、アレクサンダー大王とペルシア王の戦いを描いたモザイク画です。横幅が6m近くもあるこの大作、決死の表情のアレクサンダー大王の横顔は、世界史や美術史の表紙にもよく用いられています。
当時のポンペイの人々の生活を生き生きと伝えるフレスコ画や彫刻、日々の生活用具が展示されているほか、南イタリアで発掘された貴重な歴史的遺産を鑑賞できます。
また、ナポリ王国に嫁いだファルネーゼ家の女性がナポリへ持ち込んだファルネーゼ・コレクションも、圧倒的な質を誇ります。パウルス3世という傑出した教皇を輩出し、パルマの公爵でもあったファルネーゼ家は、美術コレクターとしても有名でした。
《ファルネーゼのヘラクレス》《ファルネーゼの雄牛》などなど、古代彫刻の名作をお見逃しなく。
まとめ
かつては広大なローマ帝国の中心であり、ルネサンスという文化の発信地でもあったイタリア半島。
そうした歴史の中で残された膨大な量の美術品は、イタリア各地の美術館や博物館で鑑賞することができます。美術館のなかには建物そのものが芸術品というケースも多く、独特の空気の中で見る美術品はまた、格別の美しさがあります。
イタリアで鑑賞できるさまざまな美術によい刺激を得て、豊かな人生のための糧にしてみてください。
※2022年9月7日に公開した記事を再編集しています