松茸と他の食材とのペアリングを主眼とした、浜本拓晃氏のクリエーションを楽しむディナー。そして、そこにワインとのマリアージュも加えた、三位一体の世界の舞台となったのは、プレオープン中の「Cambio Corsa カンビオ・コルサ」。
東京の喧騒から、別世界へ
まず門をくぐると、森の中に入った様な木の香りに驚きます。香りを嗅ぎながら、木や苔を愛で、入り口へと進んで行くと、今までいた東京のストレスフルな空間から、一気に別の世界にスリップした様な、浮遊する様な、不思議な感覚。

日本家屋の美を極めた空間
日本家屋の美しさの集大成の様なレストランCambio Corsa。江戸時代に起源を持つ、湧水のわく池を拝見しながら、アペリティフがいただける空間は、清らかな気に満ちています。

その美しさと静寂感に、ただただうっとりとしてしまう。東京の中心地に、こんな稀有な空間を持つレストランがあるのです。

シェフの舞台を眺めながら
お食事は、広々としたカウンター席で。食材をカットする、イタリアの老舗タマニーニ社のハムスライサーで生ハムをカットする、嬉々として焼き場も楽しむ、そんなシェフの舞台を楽しみながら、質問攻めにしながら、次のイタリアワインとお料理の検証をしていきました。


現代トスカーナを代表する造り手
そのワインは、ビービーグラーツ コローレの2022年。元々、エノテカピンキオーリのために造られたキュヴェ。
Bibi Graetz(ビービ・グラーツ)は、トスカーナ州フィエーゾレを拠点とする、個性際立つワイン生産者。
サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、コロリーノを中心に、古樹・高地・痩せた石灰質土壌など、テロワールを生かしたワイン造りを行っています。自然な栽培と野生酵母による発酵を重視し、畑ごとの個性をありのままに表現。代表作「Testamatta」や「Colore」は、トスカーナの伝統品種の新たな魅力を世界に知らしめました。エレガンスと透明感、そして土地の個性を備えた、現代トスカーナを代表する造り手のひとつです。

暑さを乗り越えた冷涼感
2022年は、暑い年でしたが、標高が高く、風通しの良い北向の畑二つを厳選し、冷涼感を残したテンションの高さがあり、暑さを乗り越えたと言えるでしょう。
色は、軽めのルビーレッドで、リムにも軽やかさが。ノーズは、初めかなり閉じていますが、赤い色のベリー系が支配的です。驚くほどスムーズで、愛らしく軽やか、そしてエレガントな果実味は、イニシャルで強く、ミッドからタンニンがグッと出てきます。全体的に、固く編まれた印象があります。タンニンはまだまだ強めですが、透明感のある果実味は既にかなり柔らかくなっていて、後味には快いスパイシーさが残ります。図形で言うと、少し横幅も感じられる、縦に置いた長方形という感じです。
コローレ&浜本シェフのお料理
このコローレ、いくつものお料理に合いました!その愛らしく軽やかな果実味は、コンソメ 松茸のコンソメの甘味ともピタピタっと。ソースがブリッジになっていたと思いますが、アーシーさが強くない、松茸の千切りと牡丹海老の一皿とも素晴らしく合い、焦がしバターがポイントの松茸 鮑もアンフォゲタブルな相性!!




サンジョヴェーゼを認定
ピノが一番松茸に合う品種と考えていましたが、サンジョヴェーゼもリストに追加します!ちなみに、コローレのセパージュは、サンジョヴェーゼ 96%、カナイオーロ 3%、コロリーノ 1%です。
一度は体験したい、Cambio Corsaという世界
シェフがご活躍するCambio Corsaは、来年2027年に正式オープン予定。輝かしい経歴に拘らず、あたかもその華麗な経歴を捨てていく様に、新しい挑戦をどんどんして行く、そんな浜本シェフ。常に進化していくお姿からは、とにかく目が離せません!

Cambio Corsaの建築、内装、お庭も、一生のうち一度は拝見する価値があると思います。そんな素晴らしい場所で、お料理のみならず、シェフが生み出すキリッとしているけれど、ピリッとしていない空気感もぜひ体験して欲しいレストランです。
