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イタリアワインおすすめ15選 | 選び方や特徴も紹介

ワインが気になってワインコーナーに行っても、どれを選んでいいかわからないという方も多いと思います。ワインはフランス産のものが有名ですが、実はワインの生産がもっとも多い国はイタリアなのです。


イタリアにおけるワイン製造の歴史はフランス以上に古く、食文化には欠かせない要素です。イタリアワインにはどんな特徴があるのでしょうか。おすすめのワインも含めて、イタリアのワインについてご紹介したいと思います。


イタリアワインの特徴とは?

イタリアワインと聞いて、みなさんはなにをイメージされますか。具体的なイメージがわかない方のために、イタリアワインの歴史や特徴を簡単にご紹介します。


イタリアにおけるワインの歴史

イタリア半島では、紀元前800年頃には既にワイン作りが始まっていたといわれています。広大な古代ローマ帝国は、イタリア半島から広がっていった歴史があります。現在のフランスやスペインにワイン作りが普及したのも、ローマ帝国の領土拡大と無縁ではなかったのです。


ワインに詳しくない方でも『シャルドネ』や『キャンティ』という名は耳にしたことがあるかもしれません。現代に残るこうしたワインの名前は、実はすべて古代ローマ時代のラテン語から派生しています。(※1)


イタリアをはじめとするラテン民族は、ワインを水のように飲んできた文化を持っています。つまりワインは、イタリア人にとっては特別な日の特別な飲み物ではなく、日常の食生活に密着した必需品なのです。(※2)


イタリアはワインの生産量が世界一

ワイン製造の歴史が欧州でもっとも古いというだけではありません。イタリアのワイン生産量は、世界一を誇ります。イタリア全土で生産されるワインの量は、年間およそ50万ヘクトリットル。2位と3位に続くフランスやスペインの生産量は35万ヘクトリットル前後であることを考えると、その優位性はびくともしないわけです。(※3・4)


南北に伸びる地形と気候に支えられる多種多様なイタリアワイン

観光地として絶大な人気を誇るイタリア。旅先でぜひ飲んでみたいのがイタリアのワインです。イタリアの有名なワインの産地について、その特徴とともにご紹介します。


ピエモンテ州

イタリア北部に位置するピエモンテ州は、アルプスの南側に位置し、フランスやドイツと国境を接しています。


アルプスのふもとに広がるピエモンテのぶどう畑の景観は、2014年にユネスコの世界遺産となりました。美味しいぶどうだけではなく、トリュフなどの山の幸にも恵まれています。


イタリアにおける高級ワイン『バローロ』や『バルバレスコ』は、主にピエモンテ州で生産されています。肉料理によく合う濃厚な赤ワインが、ピエモンテ州で生産される特徴的なワインといえるでしょう。


ヴェネト州

唯一無二の魅力をもつヴェネツィアが州都のヴェネト州。北はアルプスに、東側はアドリア海に面しているヴェネト州は、平野となだらかな丘が多い地形が特徴です。


ヴェネト州は、イタリアにおけるワイン生産量トップ3の常連。とくに『ロミオとジュリエット』で有名なヴェローナ周辺は、白ワインのソアーヴェの名産地として知られています。


きりっとした爽快感を持つソアーヴェは、イタリアでも人気のある白ワイン。また、乾燥させたぶどうから作るヴァルポリチェッラという赤ワインも、ヴェネト州の伝統的なワインです。アマローネなどの高級品種にも恵まれています。


トスカーナ州

ピエモンテ州と並ぶイタリア高級ワインの生産地として名を馳せているのが、トスカーナ州です。


ルネサンスの都フィレンツェを州都とするトスカーナは、日本人がイメージするイタリアらしい景観が魅力的な土地です。丘陵地帯に点在する石造りの中世の街を囲むように、ぶどう畑が広がっているのです。


トスカーナ州といえば、キャンティワインが有名です。赤のキャンティワインは、トスカーナだけではなくイタリアの顔として世界中に輸出されています。


トスカーナはピエモンテと同様に、肉料理に合う赤ワインの生産が多く、モンタルチーノやモンテプルチーノでも、その名を冠した高級ワインが生産されています。偉大な赤ワインに隠れがちですが、ヴェルナッチャなどの辛口白ワインもトスカーナ州で作られています。


シチリア州

地中海に浮かぶ最も大きな島シチリア。古くから古代ギリシア人たちが入植したシチリア島は、イタリアにおける最古のワイン生産地ともいわれています。温暖な気候、エトナ火山周辺の独特の土壌など、シチリアは美味しいワインを作る条件に恵まれた土地です。かつてはブレンド用の安価なワインが量産されていましたが、名醸造家たちにも注目される要素が揃っているシチリア島、近年はその品質が向上し注目を集めています。


イタリアワインの格付けとは?

品種や銘柄が多いイタリアのワインは、ワイン法によって格付けがなされています。上から列記すると、以下のようになります。


・DOCG(統制保証原産地呼称)

・DOC(統制原産地呼称)

・IGP(保護地理表示)

・Vino(テーブルワイン)


2010年に制定されたEUの新ワイン法によって、「DOCG」と「DOC」はまとめて「DOP(保護原産地保証)」というカテゴリーにまとめられました。しかし現在も、以前の呼称表示は認められています。(※5)


ワインの価格は、必ずしも個人の好みと合致するとは限りません。しかし、ワインの知識として、こうした格付けを覚えておくと購入する際の基準になるでしょう。


イタリアワインの選び方

生産量も銘柄も多いイタリアのワインは、どのように選べばよいでしょうか。


既述したように、イタリアにおけるワインはごく日常的な飲み物です。そのため、高名な銘柄のワインばかりではなく、地元で生産されるカジュアルなワインを楽しむ傾向があります。イタリアに旅行した場合には、レストランですすめられる地元産のワインが、その土地の食材ともよく合います。


現在は幅広い価格帯のイタリアのワインが日本に輸入されています。手の届きやすい価格のワインから楽しみつつ、自分の好みを極めていくのも楽しいかもしれません。


銘柄で選ぶ

まずはイタリアを代表するワインの銘柄について、説明します。


バローロ

イタリアの高級ワインの代表といえば、バローロの名が筆頭にあがります。バローロはピエモンテ州のランゲを中心に生産される赤ワインで、ネッビオーロというぶどうの品種を原料にしています。最低3年は熟成させることで生まれる力強さが特徴のバローロ、ドライな風味はジビエをはじめとする肉料理によく合わせられます。



バルバレスコ

古代ローマのワイン「バルバリカ・シルヴァ」を祖先に持つといわれる由緒正しきワイン、それがバルバレスコです。バローロの弟分ともいわれるバルバレスコは、同じくネッビオーロを原料としています。しかし粘土質の土壌で栽培されるぶどうを原料とするところが、バローロとの違いとされています。一般的に、バルバレスコはバローロよりは熟成期間が短く、まろやかな味わいです。


ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

トスカーナ州を代表する高級ワインが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノです。シエナ近郊のモンタルチーノ地区でのみ作られる同ワインは、豊かな果実の香りやローストされたような風味の調和が絶妙で、ワイン通たちに人気を誇っています。トスカーナを愛するイギリスの歌手スティングも、過去にはこのワインを製造したことがニュースになりました。(※6)



キャンティ

イタリア産のワインとして最もよく知られているのがキャンティです。キャンティワインの生産の歴史は古く、紀元前のエトルリア時代に作られていた「クランテ」をいうワインがその先祖という説もあります。


DOCGの赤ワインとしては、イタリア国内で最大の生産量を誇っているキャンティ、特に熟成期間が長いキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァは、深い奥行きを感じさせる味わいです。 イタリアの代表的な品種、サンジョヴェーゼを原料とすることが多いのが特徴です。


ぶどうの品種で選ぶ

ワインの味わいは、当然のことながらぶどうの品種によって異なります。イタリアで栽培され、美味しいワインの原料となっている品種には以下のようなものがあります。


サンジョヴェーゼ(赤)

ある高名な醸造家が「フランスにカベルネがあるようにイタリアにはサンジョヴェーゼがある」と語ったほど、サンジョヴェーゼはイタリアワインを象徴する存在です。果実味が強く、代表的な銘柄にはキャンティがあげられます。


ネッビオーロ(赤)

ピエモンテ州での栽培が盛んなネッビオーロは、酸やタンニンが強いという特徴があります。高級ワインバローロやバルバレスコを生み出すネッビオーロは、長期熟成向きの品種です。


トレッビアーノ(白)

イタリアの白ワインの原料となることが多いぶどうが、トレッビアーノです。酸味が強い品種ですが、トスカーナやエミーリア・ロマーニャなど各地の気候に合わせて品種改良されたトレッビアーノも存在します。


ヴェルメンティーノ(白)

リグーリア州を中心に栽培されているヴェルメンティーノは、柑橘系のフルーツを感じさせる爽快感が特徴です。きりっとした味わいの白ワインの原料となっています。


おすすめイタリアワイン15選

イタリア全土で生産されるワインには、試してみたくても、どこから手を付けていいのかわからないほどの銘柄があります。イタリアワインの歴史や特徴を知った後は、実際にその美味を味わってみたいもの。そこで、選りすぐりのイタリアワインをご紹介します。


イタリアワインソムリエ藤本のワインとペアリングの話~JFKワインズ編Vol.1~
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イタリアワインソムリエ藤本のワインとペアリングの話~JFKワインズ編Vol.1~

藤本 智 / 2022.04.21


イタリアワインソムリエおすすめのワイン5選

イタリアワインを専門とするワインソムリエの藤本智さんに、おすすめのワインを5種類教えていただきました。


マジョリーニ DOCG フランチャコルタ リゼルヴァ ヴァレンティノ・マジョリーニ(Majolini DOCG Franciacorta Riserva Valentino Majolini)

イタリアを代表するスパークリングワインの産地、フランチャコルタの中でも石灰質に富んだ地区、オーメで造られるワイン。約10年の長期熟成による深みと複雑味、ふくよかさとフィネスが楽しめます。


アルド・コンテルノ ランゲ・シャルドネ ブッシアドール(Aldo Conterno Langhe Chardonnay Bussiador)

生産量が極めて少ないピエモンテ3大シャルドネの1つ。バローロのグランクリュ『ブッシア』の中で最も優れた生産者が手がけ、完熟した葡萄のみを厳選して作られています。見事に調和の取れた味わいと余韻の長さが特徴です。


ヴァレンティーニ DOC チェラスオーロ・ダブルッツォ (Valentini DOC Cerasuolo d’Abruzzo)

確固たるフィロソフィーを持ち、人為的な飾り気のない唯一無二のワインを生み出す生産者が造る、入手困難なロゼワイン。チェリーの瑞々しさにスパイシーさとアーシーな香りのアクセントが入り混じる味わいは、圧倒的なスケール感があります。


サン・ジュゼッペ DOCG ブルネロ・ディ・モンタルチーノ (San Giuseppe DOCG Brunello di Montalcino)

透明感の中に圧倒的なエネルギーの密度の高さを感じさせるブルネロは、ステラ女史が手がける有機栽培の5つの畑の葡萄から造り出されています。彼女の直感でアッサンブラージュされた完成度の高い芸術的なワインです。


デ・バルトリ DOC パッシート・ディ・パンテレリア ブクラム(De Bartoli DOC Passito di Pantelleria Bukkuram)

古代より脈々と造られる歴史的な甘口のワイン。アラブ語で「乾いた葡萄」の意味を持つ品種『ジビッポ』で造られます。流行りに流れされる事なく本来のシチリアワインを体現する彼らのブックラムは、良年のみ造られる神が与えし奇跡の液体です。


編集部おススメのワイン5選(赤)

赤ワインといえば高級というイメージがあります。 そのイメージ通りの贅沢なワインからお手軽な価格のものまで、ご紹介します。


バローロ・モンヴィリエーロ(Barolo Monvigliero Docg by Fratelli Alessandria)

イタリアの高級ワインの代表バローロ。そのなかでも、1800年代半ばからの歴史を誇るワイナリーが生み出すモンヴィリエーロは、イタリア国内でも非常に評価が高いバローロです。野生とエレガンスのバランスが絶妙といわれるモンヴィリエーロ、大切な記念日にいかがでしょうか。


アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ( Amarone della Valpolicella Classico DOCG by Masi)

近年、イタリア国内でバローロに迫る人気を誇っているのがアマローネです。陰干ししたぶどうを原料とするワインの製法は、古代ローマ時代から存在していました。アマローネはその流れをくむワインであり、妖艶さと濃厚な風味で人気があります。


ル・ラッパイオ・プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア(Lu Rappaio Primitivo di Manduria DOP by Masca del Tacco)

ワインは初心者だから高額の銘柄は敬遠したいという方にも、おすすめの赤ワインはたくさんあります。なかでもおすすめが、南イタリアを中心に栽培されるプリミティーヴォを原料としたワインです。低価格が信じられないほどの芳香と厚みを感じる同ワイン、熟成チーズをお供に気軽に楽しんでみてください。


フロラムンディ・チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア(Floramundi Cerasuolo di Vittoria Docg by Donnafugata)

シチリアのワイナリーとして、美しいワインのラベルとともに高い評価を受けるドンナフガータ。同ワイナリーが生産するシチリアを代表するチェラスオーロは、ベリー類や菫の花のような香りで女性向きの1本です。

赤ワインながら、お肉料理だけではなくマグロなどの魚にも合うのが嬉しいところです。


コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ(Concerto Lambrusco Reggiano DOC by Medici Ermete)

ワイン初心者にもとても飲みやすいおすすめの赤、それがランブルスコです。パルミジャーノチーズや生ハムなどの美味しい食材で有名なエミーリア・ロマーニャ州は、伝統的に弱発泡性のワインの産地です。甘めのランブルスコが多い中で、130年の歴史を誇るワイナリーで作られるこのワインは、爽快感とキレで人気があります。


編集部おススメのワイン5選(白)

白ワインは一般的に、赤ワインよりも価格が下がる傾向があります。日本人が好む魚介との相性がよいタイプが多い白ワイン、おすすめの5選をご紹介します。


ソアーヴェ・クラッシコ・ラ・ロッカ (Soave Classico La Rocca by Pieropan)

イタリアの白ワインといえば、ヴェネト州のソアーヴェが代表格です。その中でも優雅でシルクのような味わいと評されているのが、こちらのワインです。フルーティーでありながらスパイス感もあり、ソアーヴェの中でもとくに評価が高いことで知られています。


カンポ・ヴェッキオ・ビアンコ(Campo Vecchio Bianco by Castel Paolis)

イタリアの首都ローマがあるラツィオ州は、白ワインの生産地です。古代ローマ時代の貴族や歴代の教皇が愛した白ワインには、州南部に位置するカステッリ・ロマーニ地方のものが多数あります。カンポ・ヴェッキオは、白ワインの飲みやすさはそのままに、ふくよかさを感じさせる1本。火山性の土壌によるミネラルが特徴的です。


コスタ・ダマルフィ・ビアンコ(Costa d’Amalfi Bianco by Marisa Cuomo)

日本では、映画でその名が知られるようになったアマルフィ。南イタリアのアマルフィ海岸は、イタリア人のバカンス先としても大変な人気を誇ります。その地で生まれた白ワイン、コスタ・ダマルフィは、レモンやアーモンドなど、南イタリアを思わせる香りが口腔を満たしてくれます。まさに地中海の香りといった趣です。


トレンティーノ・ピノ・グリージョ・マストリ・ヴェルナコリ(Mastri Vernacoli Pinot Grigio Trentino DOC by Cavit)

お手軽な価格ながら受賞歴多数でお得感があるのが、北イタリアで作られるこちらのワインです。柑橘類を思わせる爽やかな香りにほどよい酸味があり、ハーブの後味が残るという贅沢な白ワイン。休日に気軽に開けることができるお値段もおすすめの理由です。


チプレア オッフィーダ ペコリーノCiprea Offida Pecorino by Poderi Capecci San Savino

アドリア海に面したマルケ州は、日本での知名度はあまり高くありません。しかし、美しい海と山に恵まれたマルケ州は、豊かな土壌から生み出される食材の宝庫です。そのマルケ州の代表的な白ワインがペコリーノです。サン・サヴィーノにあるカペッチは、このペコリーノワインを世に知らしめた功労者といわれ、余韻が残るエレガントな辛口の白ワインで名を馳せています。


「フランチャコルタ」の真実~ACミランの祝杯ワイン「カデルボスコ(Ca’delbosco)」のワイナリーへ行く~
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「フランチャコルタ」の真実~ACミランの祝杯ワイン「カデルボスコ(Ca’delbosco)」のワイナリーへ行く~

マリーニ あゆみ / 2019.06.07

参考文献:

※1.ROMACAVUT VINI  Giovanni Negri/Elisabetta Petrini著 Mondadori刊

※2.平凡社世界大百科事典「葡萄酒」

※3.Statistica「Wine production worldwide in 2021, by country (in million hectoliters)」

※4.International Organisation of Vine and Wine「STATE OF THE WORLD VINE AND WINE SECTOR」

※5.ワインの大事典 木村克己監修 成美堂出版

※6.La Repubblica「L’omaggio di Sting al Brunello di Montalcino, il vino luxury più venduto online」