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イタリア語の略語・短縮語って?SNSでよく使う表現

知人とのSNSやメッセージでのやり取りで「え?これ何のこと?」ということがたまにあります。メッセージでは略語・短縮語が使われるので、知らないことも。


略語・短縮語|LINEの代わりはWhatsAppとInstagram

略語や短縮語をよく使うのがメッセージのときです。イタリアでは、メッセージアプリといえばLINEよりWhatsAppまたはInstagramを使います。


よく使う短縮語

よく使うのは、この3つの短縮語。


  • Ci → C (再帰動詞。「私たち」のときに使う)Cの読み方が「チー」となり、ciと近いのでこうなります。
  • Per → X (~のために)
  • Cmq → Comunque (どちらにしても)

また”c”を”k”と書くこともよくあります。初めて見たときは「間違い?」と思いましたが、わざと書いています。

  • Che → Ke (なに)
  • Chiama → Kiama (電話して)
  • Perche  → XK (〜だから・理由) 

例えば「”Ci vediamo Lunedì” 月曜に会いましょう 」は、

“C ved Lune” 

と書きます。なんとなくわかりますね。


長い単語は前半部分だけに省略

これはメッセージだけでなく会話でもよく使うのですが、長い単語を短く前半部分だけに省略して使うことがよくあります。


  • Ragazzi → Raga (ラガ。若者たち。みんな!と呼びかける時に使う)
  • Professore → Prof (プロフ。先生)
  • Matematica → Mate (マテ。数学)

ジェンダーニュートラルな名詞

ここ数年、イタリア語の中にある男性優位な単語を見直そうというムーブメントがあります。

イタリア語には男性名詞と女性名詞があり、それの偏りがステレオタイプの助長につながっているのでは?といわれているのです。


例えばdottore(医療従事者)やavvocato(弁護士)のような「o」で終わる男性名詞の職業は、以前は男性にしかできない職業だった場合が多くあります。しかし、現在では当然女性も就業しています。女性がそれらの職業についたときはそのままdottoreやavvocatoと使う場合もあれば、dottoressaや avocatessaと女性形にして使うこともあります。


どちらにしろ、「この職業は男性(女性)の職業」という印象を変えることは、ジェンダー平等の第一歩になると考えられています。


なので最近では、


Ragazzo (ラガッツォ、男の子)、Ragazza (ラガッツァ、女の子)

Studente(ストゥデンテ、男子学生)、Studentessa(ストゥデンテッサ、女子学生) 

tutti(トゥッティ、男性全員または男女含む全員)、tutte(トゥッテ、女性全員)


といった呼び方を Ragazz*(ラガッツ)、Student*(ストゥデンツ)、Tutt*(トゥッツ)とジェンダーに捉われないように表現しようという考え方が徐々に広まっています。インスタなどで若者に人気のインフルエンサーが使っているのを見かけた方もいるかもしれません。


実際、私が住むトリノのある高校では、今後の書類においてすべての生徒に対して✴︎(アスタリスク)付きで書き、ジェンダーを決めない呼び方で呼ぶことを宣言して話題になっています。もちろん反対派もいますが、私は賛成です。


友達同士のやりとりでも、身体の性と本人の自認の性が違う場合もあるので、語尾にアスタリスクをつけるやり方が私には簡単でいいです。この考えはまだ浸透しているとはいえませんが、これからどんどん変わってくるでしょう。


日本語だとそこは「みなさん」ですむので簡単なんですけどね。


言葉は時代によって変わるもの。どんな新しい言葉が出てくるのか、これからも楽しみです。

【現地ライターレポ】日本で伝わっているイタリアと実際のイタリア
CULTURE

【現地ライターレポ】日本で伝わっているイタリアと実際のイタリア

須飼 真理 / 2020.03.27