イタリアでバレンタインデーの定番といえば、薔薇の花のプレゼントです。
この日はセロファンに包まれた1輪の薔薇の花を持って登校する高校生から、大きな花束を抱えて家路を急ぐ男性まで、花を抱えた人を多く見かけます。ほんとにアモーレ(愛)の国だなぁと思う光景です。
イタリア語で恋人は、Fidanzato/a(男性フィダンザート・女性フィダンザータ)。フィダンザートを辞書で引くと婚約者、いいなずけの意味になります。
小学生でもお互いを「彼は私のフィダンザート」「彼女は彼のフィダンザータ」と婚約者呼びすることに、最初は驚きました。「学生のうちから、婚約者って…付き合ってすぐに結婚を意識するの?」と日本で育った私からは不思議な感覚でした。
実際に、まわりの40代以上のイタリア人は、幼なじみまたは学校の同級生とずーっと付き合って結婚したというカップルが結構いるのです。カトリックだからなのか・・中学の頃から、一途にその人だけと付き合って、そのまま結婚と言う人、日本よりずっと多い印象があります。
とはいえ、時代は変わり。最近は「まだまだ結婚するつもりもないのに、自分たちにはFidanzato/a呼びは重すぎる!」と、嫌う人も多いです。Fidanzato/aと呼ぶよりもRagazzo/a(ラガッツォ・ラガッツァ)で呼びあう人が増えています。日本語で言うと、男友だち・女友だちという感じです。ここに、私のと言う意味の「Mio」がつくと彼氏・彼女の意味になるのです。小さい子供の方が意味をあまり考えずに、婚約者を使ってると思うと面白いですね。
「授業に関係ないものを持ってきてはダメ!」なんてことは言われないイタリアです。バレンタインデーには、小学生でさえもMia fidanzata(私の婚約者)に小さなお花やカードを用意したり。そんな光景を見ると、かわいいなぁって微笑んじゃいます。アモーレを表現するのに、年齢は関係ないですからね。