イタリアは日本に次ぐ高齢化が進んだ国だということをご存じでしょうか? イタリアはヨーロッパ第1位の高齢化社会なのです。
2019年のユーロスタットのデータによると、イタリアでは1378万人が65歳以上。このうちの半数が75歳以上。総人口の22.8%が高齢者です。ちなみに1位の日本は総人口の28.1%が高齢者となっています*。
イタリアのお年寄りは家族と別居
高齢者の一人暮らしは可哀そう? そうでしょうか。イタリアでは高齢者の一人暮らしは珍しくありません。
ミラノのあるロンバルディア州では高齢者の1/3が一人暮らしをしていると言われています。私の周りでも、近所には住むけど同居はせずに別々の家に住んでいる人がほとんどです。「同居はお互いの独立性が損なわれる」「家族でも距離は必要」という意見を親・子両方から聞くのは、日本とちょっと違うなぁという印象です。
お年寄りの暮らしをお手伝いするバダンテ(ヘルパーさん)
とはいえ、高齢になると、生活には何かとサポートが必要。そんなときに雇われるのがBadante(バダンテ)と呼ばれるヘルパーさんたちです。東欧からの人々だけでなく、南米・フィリピン・アフリカ系、最近はヴェールを被ったアラブ系のバダンテがお年寄りの付き添いをしている姿を見かけることもあります。
バダンテの働き方は人それぞれで、一日何時間と決めて買い物や家での見守りをする場合や、住み込みで夜も見る場合と多様です。移民のケア労働については様々な意見がありますが、バダンテ無しではやっていけないのが現在のイタリアです。
歳をとっても自立を守るために同居はせずに、スープの冷めない距離に住みつつ、生活のもろもろは他人の手を借りて独立した生活をしましょうというイタリア式。日本もこれからはどんどん増えていくかもしれないですね。
* 出典:Nella UE un abitante su cinque ha più di 65 anni. In Italia la percentuale più alta