世界中のインテリア好きにとって憧れ的存在なのが、イタリア家具です。その中でも1946年に設立され、品質の高さとデザインの美しさから、世界各国にファンを抱える高級家具ブランド「Cassina(カッシーナ)」は別格。ラグジュアリー家具がお好きな方なら、実際にその目で確かめ、触れて、日々の暮らしに取り入れてみたいと思わせる魅力に溢れています。
カッシーナはこれまでの歴史において、モダン家具のデザイン性を追求し続け、その過程で数多くの著名デザイナーとコラボレーションを行ってきました。とりわけ、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエとのコラボは、家具デザインの歴史を見ても、金字塔と言えるものになりました。
カッシーナは、イタリアを代表する家具メーカーとしての揺るぎない地位を築いていましたが、ル・コルビュジエとのコラボによって、その評価は不動のものとなりました。ル・コルビュジエが生み出す家具は、人間の生活や行動、心理と密接な繋がりを持っています。例えば、彼の代表的作品「LCシリーズ」のソファや椅子は、人間の体やその動きを考慮して設計されているため、抜群の快適性を実現しました。
カッシーナ製品は、その洗練されたデザインと機能性から、美術館やギャラリー、高級住宅などに置かれています。美的価値の高い家具は、単なる家具という枠を超え、まるで芸術作品のようにも感じられます。
1980年には、日本における販売総代理店として株式会社Cassina ixc(カッシーナ・イクスシー)が設立。その後、世界で唯一ライセンス生産を認められ、1994年には群馬県桐生市の工場が稼働を開始しました。これにより、カッシーナは日本でもその高品質な家具を提供し続けています。
日本のカッシーナ・イクスシー社には「Cassina(カッシーナ)」と「IXC(イクスシー)」の2つのブランドがあり、今回ピックアップするイクスシーは”エモーショナル・ミニマリズム”をデザイン哲学に掲げるグローバルブランドです。
心揺さぶるディテールを織り込んだ製品は、シンプルで自然体な心地良さ、そして飾らない上質さを求める現代人にピッタリ。ヨーロッパの家具文化と日本の美意識が響き合うデザイン、素材の組み合わせが生む洗練さ。その新技術やサステナブルなものづくりは、まさに唯一無二と言えます。

この度、カッシーナ・イクスシーは、多様な選択が可能である現代の自由なライフスタイルにふさわしいインテリアの提案を強化するため、今年50周年を迎えた「イクスシー」が再出発。
コペンハーゲンを拠点として国際的に活躍するデザインデュオ「GamFratesi(ガムフラテージ)」をアートディレクターに迎え、この再出発を象徴する新作家具コレクションを展開しています。ガムフラテージは、デンマークの建築家Stine Gam(スティーネ・ガム)氏と、イタリアの建築家Enrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)氏によって2006年に設立。カッシーナ・イクスシーが外部デザイナーにアートディレクターを依頼するのは、ブランド創設以来初めての試みとなるそうです。
ソファ「PLATO(プラトー)」

ソファのベースにレザーを施し、無垢材の脚を使用した「PLATO(プラトー)」。木部のディテールは、柔らかくありつつ繊細で、上質な暮らしにぴったりです。
ベースパネルに組み合わせる革は、デンマークのレザーブランド「Sørensen Leather(ソーレンセン・レザー)」の「ULTRA(ウルトラ)」コレクションから、EARTHとBLACKBROWNの2色を設定しています。
また、木の種類はオーク材ナチュラル、オーク材スモーク染色塗装、ブラックウォールナット材ナチュラルの3種類からセレクト可能です。
なお、ソファ本体にベースと同じ革のパイピングをあしらうことで、よりエレガントでラグジュアリーな雰囲気に仕上げています。
ダイニングテーブル「TOGE(トーゲ)」

木のディテールが美しい、4本脚のダイニングテーブル「TOGE(トーゲ)」。TOGE(トーゲ)という名前は“Together(一緒に)”の最初の4文字から。日本語のカタカナ発音の響きが気に入ったという、デザイナーのエンリコ・フラテージ氏が名付け親です。
緩やかなカーブを描く天板のエッジは、脚部との繋がりが滑らかで洗練されています。
木材は、オーク材ナチュラル、ブラックウォールナット材ナチュラル、アッシュ材ブラックの3種類から選ぶことができます。
ベッド「PLATO(プラトー)」

ソファと同じ無垢材のベースパネルを使用し、その上に寝心地の良いマットレスを乗せたベッド「PLATO(プラトー)」。
マットレスからベースパネルを大きくせり出すことで、心が開放されて、日々の重圧やストレスから解き放たれるような浮遊感のあるデザインとなっています。
ヘッドボードにはソファの背もたれと同様のレザー、もしくは共材のパイピング仕上げからセレクト可能です。
サイズは、大人2人が腕を広げてゆったり寝られるキングサイズと、夫婦がお互いのスペースを確保して、心地よく睡眠を取ることのできるクイーンサイズを展開。クイーンサイズはゆったりしているので、お子さんと一緒に寝るためのファミリーベッドとしても活用できます。

最後に「ITALIANITY」読者の方々に向けて、ガムフラテージから届いたコメントをご紹介します。
「私たちは、優れたクラフトマンシップと革新性を持つ歴史ある日本の企業であるIXC(イクスシー)と共に、この新たな旅を始めることに大きな期待を抱いています。
イクスシーのアーカイブを探る中で、豊かな歴史を発見しました。私たちはそれを新たな章へとつなげていきたいと考えています。私たちの役割は、過去の象徴的なデザインを名高いデザイナーとの意義深いコラボレーションによって蘇らせるとともに、強く統一されたブランドのアイデンティティを確立し、刷新されたストーリーを形作ることです。
この新しい方向性は、イクスシーの伝統を尊重するだけでなく、私たちの価値観を反映し、現代のライフスタイルにおいて日本のクラフトマンシップが持つ普遍的な魅力を、より一層際立たせるものになるでしょう」
GamFratesi(ガムフラテージ)プロフィール
デンマーク人建築家のスティーネ・ガム(Stine Gam)氏 と、イタリア人建築家のエンリコ・フラテージ(Enrico Fratesi)氏から成るデザインデュオ。
日本と北欧の建築スタジオで建築家としての経験を積んだ後、2006年にデザインスタジオを設立。コペンハーゲンのスタジオを拠点に、世界的に活躍している。
彼らの生み出すデザインは、伝統と刷新の融合、そして選択した素材や技術への実験的アプローチから創造的な原動力を得ていることで知られる。それぞれに伝統的デザイン大国のバックグラウンドを持ち、スティーネ・ガム氏によるデンマークの古典的な家具と工芸のしきたりに加え、エンリコ・フラテージ氏のイタリア発の古典的な知的でコンセプチュアルなアプローチによって、他に類を見ないデザインとなっている。
このような異文化の基盤から、彼らはトラディションを尊重しながらも、独自のストーリーやシンボル、連想が組み込まれた家具を創り出し、しばしばミニマルなイディオムで表現している。