イタリアの家具Arperと陶製ブランドのAtelier Vierkant、照明のVibiaと、ヨーロッパ生まれの3ブランドが対話する空間デザイン。個性が響き合い、Arperの新たな魅力が引き出されました。
インテリアとワインを愉しむ新しい体験
11月6日・7日、イタリアでは新酒が解禁となる季節に、青山にあるArperのショールームで開催された「Dialogue of Design and Wine」。イタリアの家具「Arper アルペール」、ベルギーの陶製プランター「Atelier Vierkant アトリエ・ヴィアカント」、スペインの照明「Vibia ヴィビア」のプロダクトによる空間デザインを巡りながら、ヴェネト州で愛されるワインを味わう、五感で愉しむイベントとなりました。
イタリアのヴェネト州モナスティエール・ディ・トレヴィーゾで創業したアルペールは、美しく機能的なデザイン、無限のレイアウトに対応するモジュール性、サステナビリティへのこだわりで知られる家具ブランド。空間を活かすシンプルで軽快なデザインが、印象的なプランターや照明によってどんな表情を見せるのか、期待が高まります。
家具 × グリーン × 照明が対話する空間
エントランスを入ったゲストがまず目にするのは、「Space to Expand」と名づけられた空間です。岩崎一郎氏がデザインした「Kiik キーク」は、さまざまな人が行き交う空間を想定してデザインされた拡張する家具。今回は、アトリエ・ヴィアカントのプリミティブな力強さを感じさせる新作プランターとグリーン・ワイズがコーディネートしたグリーンが、訪れたゲストを別世界へと誘います。

照明はヴィビアの「Knit ニット」。その名の通り、触れたくなるテクスチャーのフロア&テーブルランプは、やわらかな灯りで人々を包み込みます。新鮮なグリーンに迎えられたゲストは、白い花や洋梨を思わせる香りのスパークリングワイン「ピノ・グリージョ・ブリュット」を片手に空間を愉しみました。

水の流れに身をまかせる癒しの空間
次の空間は、心を解き放つ「Space to Flow」。背もたれ付きのシートやベンチなどを組み合わせる完全モジュール式の「Ralik ラリック」を主役に、モノトーンのプランターにユニークな枝ぶりのシェフレラ、みずみずしいカラテアのグリーンが、さらなる癒しをもたらします。


インテリアで自然の庭を再現した空間デザイン
2階の「Space to Feel Good」でひときわ目を惹くのは、アトリエ・ヴィルカントのプランター「LEDA90」。立てることも可能なプランターを傾けて設置し、秋の野の花で自然の風景を再現しているよう。緑青を思わせるくすんだグリーンが、侘び寂びを感じさせます。

アルペールの「Loop ループ」と「Adell アデル」でくつろぐリラックス空間では、トロピカルフルーツや紅茶を思わせる香りが広がり、果実味とミネラルが調和した白ワイン「レパンダ」をサーブ。角度によって表情が変わるグリーンを愛でながら、心安らぐひとときを味わえる空間です。

創造のアイデアを育むワークスペース
思考に集中し、創造の種を育む空間「Space for Focus」には、アルペールの「Oell オエル」をリズミカルに配置。「Semiton セミトン」にはヴィビアの「Flat 5970」が、まるで一緒にデザインされたかのようにしっくりなじんでいます。フランスゴムのグリーンで視覚から癒され、内省にふさわしい空間となっています。


Arperの家具に合わせたいアウトドアランプ
アルペールのショールームで心地よいのが、広々としたルーフバルコニー。今回は、ヴィヴィアのまだ発売されていないプロトタイプのフロアランプが設置され、ゲストの注目の的となっていました。こちらのライトは、なんと充電式!小さなベース部分に充電池が組み込まれ、どこでも自由に持ち運んで設置できます。
丸みを帯びたオレンジやグリーンのシェード、ランタンの灯りを思わせるやわらかな光。またひとつ、岩崎一郎氏のデザインの新しい一面に触れたという印象をもちました。完璧なデザインに、雨や風にも対応する力強さを秘め、使い勝手の良さを極めた、商品化が待ち遠しい傑作の誕生です。

ブランドの枠を超えたコラボレーションによって、新しい空間の魅力を生み出した意欲的なイベント。インテリアデザインの奥深さとともに、ビジネスとしても興味深い試みとして、たくさんのゲストを魅了しました。
