経済活動再開に役立つウェアラブル・デバイスがイタリアから登場
新型コロナウイルス感染拡大により、世界中で経済活動にも大きな影響が出ています。特に被害の大きいイタリアでは、約2か月間に及ぶ厳しい外出規制や経済活動の中止が余儀なくされ、失業や収入減少など生活に大きな支障を与えましたが、5月に入り外出規制の緩和や経済活動が再開され、少しずつではありますが新型コロナウイルス終焉の兆しが見えてきました。
経済活動が再開され、職場に戻れるのは嬉しいことですが、まだまだ不安があるのも事実。その不安を少しでも払拭すべく、安全なソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を維持するのに役立つウェアラブル・デバイス「Safe Spacer™」が、イタリアのIK Multimediaから発表されました。
ソーシャル・ディスタンスを維持するのに役立つ「Safe Spacer™」とは?
UWB(Ultra Wide Band = 超広帯域通信)技術を採用したSafe Spacerは、充電式バッテリーにてワイヤレスで動作し、他のデバイスが2m以内に入ってくると正確に感知し、視覚、振動、音声のいずれかの選択されたアラームにて、着用者に警告します。
特許出願中のアルゴリズムを採用しているため、面倒なセットアップや特別なインフラは不要ですぐに起動。NFC非接触技術またはBluetoothを介してワイヤレスで動作します。リストバンドだけでなく、ストラップやポケットに入れて持ち運ぶことが出来るので、仕事上リストバンドが使えない方にも嬉しいポイント。UWB技術の採用により10cmまでの超精密測定が可能、その精度はBluetoothデバイスの10倍を誇ります。
勤務先や公共場所など様々な場所で活用可能
元々は、IK Multimediaが自社の勤務者用に、勤務者同士や訪問者が安全なソーシャル・ディスタンスを保てるように開発されたデバイスですが、今後は他の企業へも販売予定。工場、倉庫、オフィス勤務者だけでなく、学校や店舗、スポーツジム、ホテル、イベント会場などの公共スペースを訪れる人にも使用できます。
デバイス自体が防水性を備えており、消毒しやすいように設計されているので、より安心して使用することができます。
任意でデータの追跡も可能
各デバイスには個別のIDタグと内蔵メモリが搭載されており、オプションで利用者の名前を関連付けることが可能。個別IDと近接性のデータが保存され、不用意な接触を追跡することができるので、より安全を確保することができます。
Safe Spacer™はデバイス本体で接近検知、アラーム発信を行うので、スマートフォンなどを携帯する必要はありませんが、より高度な使用、セットアップ、モニタリングを行いたい場合に備えて、iOS/Androidアプリも用意。人事部や安全管理部門にてアプリを設定することで、各社員にIDを関連付けたり、アラームを発する距離のしきい値、アラームの種類を設定したりできます。毎日の接近情報をログに記録し、感染者発生時などに追跡データをエクスポートすることができるので感染を防ぐだけでなく、万が一感染した場合に感染拡大を抑えるのにも役立ちます。
Safe Spacer™を開発したイタリア・モデナにあるIK Multimedia社は、iPhone®、iPad®、Mac/PC向けの音楽制作ハードウェアおよびソフトウェア製品のリーダーであり、過去25年間にわたりワイヤレス対応のオーディオ製品やアプリの開発に携わってきました。CEOのエンリコ・イオリ氏は、Safe Spacer™発表にあたり次のように述べています。
私たちは、イタリアの都市封鎖緩和後、操業再開された自社工場、倉庫の作業員が安全な距離を維持できるように、Safe Spacerを開発しました。使いやすく、迅速に展開でき、プライバシーも侵害せず安全なので、どんな状況でも快適に使用することができます。このソリューションが、他の企業が操業再開する際にも役立ち、安心して業務できるようになることを願っています。-CEO エンリコ・イオリ
Safe Spacer™の気になる価格と発売時期は?
気になるSafe Spacer™の価格ですが、現時点で予価€99.99/個(約12,000円)と発表されております。ボリュームディスカウントも用意されているとのことですので、大量に購入を検討される方には嬉しいですね。販売開始時期は2020年第3四半期を予定しています。
Safe Spacer™製品情報
https://www.safespacer.net